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Scene01 やさしい世界
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「……なにかきた?」
ミグルミ盗賊団の気配を感じたハヤトはまわりを見渡します。
爆発する音。
熱い熱風。
そして、炎の香り。
「頭!ガキいたぜ?」
盗賊団の団員が、ハヤトの方を指さします。
「よし!目は赤いか?
生け捕りにしろ!」
ミグルがそう指示を出すと団員がハヤトの腹部を蹴り上げます。
「え?」
突然の訪問者に驚いたハヤト。
容赦なく殴りかかる団員。
ハヤトの薄れゆく意識の中。
「はは!コイツら本当にルビーでやんの!
売れるぞ!コイツは高く売れるぞ!」
ミグルの高笑いだけが入ってきました。
「……ん?」
意識を取り戻したハヤト。
ですが、手足を拘束され目隠しもされ何も出来ません。
「あなたの視覚は封じさせてもらいました」
若い男の声が聞こえます。
「誰?」
「名乗るほどのものでもないですよ」
男はそういって笑います。
「……?」
ハヤトは言葉を出そうとしましたが言葉が出ません。
「呪文の詠唱をされると困るので言葉も封じさせてもらいます」
「!!!」
「僕の話を聞くのならすぐには殺しません。
聞かないのならありとあらゆる苦しみと絶望を感じさせてから殺します」
「!?」
「聞くのならうなずいてください」
死にたくない。
ハヤトは思いうなずこうとしたとき……
別の男の声が聞こえてきます。
「おや?この子は誰ですか?」
「これはこれはキサラギ伯爵。
こんな場所にどうされましたか?」
男がそういうとキサラギ伯爵はもう一度尋ねます。
「この子は誰ですか?」
キサラギの言葉に男は戸惑います。
キサラギ=ミサト。
それは世界最強組織ファルシオンの遊撃隊の隊長。
すべてを見通す目を持っていると言われており簡単な嘘なんて見抜かれてしまいます。
「さぁ?」
それでも男は誤魔化します。
「とりあえず拘束具は可愛そうです。
外して差し上げましょう」
キサラギは、そういってハヤトの拘束具と目隠しを外しました。
「この子の目は……」
キサラギの細い目が少しだけ開きます。
「この子は高いですよ?」
「金貨13枚でどうですか?」
「ご冗談はやめてください。
この子は金貨2000枚の価値はあります!」
「じゃ、キグルミ盗賊団さんには消えてもらいましょうか」
キサラギの目が再び閉じられます。
「仕方がない。
ガキはそいつに引き渡そう」
ミグルがそういって現れます。
「団長?」
「そいつに本気を出されたら俺ら弱小盗賊団なんて一瞬で消し飛ぶ」
男は腑に落ちない顔をしましたがうなずき了承しました。
「では、金貨13枚」
キサラギはそういってグルミに金貨が入った小袋を渡しました。
ミグルミ盗賊団の気配を感じたハヤトはまわりを見渡します。
爆発する音。
熱い熱風。
そして、炎の香り。
「頭!ガキいたぜ?」
盗賊団の団員が、ハヤトの方を指さします。
「よし!目は赤いか?
生け捕りにしろ!」
ミグルがそう指示を出すと団員がハヤトの腹部を蹴り上げます。
「え?」
突然の訪問者に驚いたハヤト。
容赦なく殴りかかる団員。
ハヤトの薄れゆく意識の中。
「はは!コイツら本当にルビーでやんの!
売れるぞ!コイツは高く売れるぞ!」
ミグルの高笑いだけが入ってきました。
「……ん?」
意識を取り戻したハヤト。
ですが、手足を拘束され目隠しもされ何も出来ません。
「あなたの視覚は封じさせてもらいました」
若い男の声が聞こえます。
「誰?」
「名乗るほどのものでもないですよ」
男はそういって笑います。
「……?」
ハヤトは言葉を出そうとしましたが言葉が出ません。
「呪文の詠唱をされると困るので言葉も封じさせてもらいます」
「!!!」
「僕の話を聞くのならすぐには殺しません。
聞かないのならありとあらゆる苦しみと絶望を感じさせてから殺します」
「!?」
「聞くのならうなずいてください」
死にたくない。
ハヤトは思いうなずこうとしたとき……
別の男の声が聞こえてきます。
「おや?この子は誰ですか?」
「これはこれはキサラギ伯爵。
こんな場所にどうされましたか?」
男がそういうとキサラギ伯爵はもう一度尋ねます。
「この子は誰ですか?」
キサラギの言葉に男は戸惑います。
キサラギ=ミサト。
それは世界最強組織ファルシオンの遊撃隊の隊長。
すべてを見通す目を持っていると言われており簡単な嘘なんて見抜かれてしまいます。
「さぁ?」
それでも男は誤魔化します。
「とりあえず拘束具は可愛そうです。
外して差し上げましょう」
キサラギは、そういってハヤトの拘束具と目隠しを外しました。
「この子の目は……」
キサラギの細い目が少しだけ開きます。
「この子は高いですよ?」
「金貨13枚でどうですか?」
「ご冗談はやめてください。
この子は金貨2000枚の価値はあります!」
「じゃ、キグルミ盗賊団さんには消えてもらいましょうか」
キサラギの目が再び閉じられます。
「仕方がない。
ガキはそいつに引き渡そう」
ミグルがそういって現れます。
「団長?」
「そいつに本気を出されたら俺ら弱小盗賊団なんて一瞬で消し飛ぶ」
男は腑に落ちない顔をしましたがうなずき了承しました。
「では、金貨13枚」
キサラギはそういってグルミに金貨が入った小袋を渡しました。
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