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05 亜金の戦い

亜金の戦いその4

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「じゃ、全員揃った所で初仕事……」
 ピノが、そう言って3人の顔を見る。
「仕事?」
 プレゲトンが、ピノの方を見る。
「うん。
 最近ハワイ各地で爆破事件が起きているの。
 それの捜査をするの」
「え?いきなり実践?」
 プレゲトンが、そう言うとピノはうなずく。
「うん。
 亜金も大阪で何人かギフト能力者との戦いに立ち会ってる。
 万桜は、実戦経験が豊富でスカウトを受けてここにいる。
 だから、問題ないというのは口実で、実は人手不足で弾避けにってのが上の判断」
「え?なにそれ?酷くない?」
 プレゲトンが、反論する。
「でも、警察は縦社会……
 上の命令には絶対、大丈夫。
 プレは死なないし、亜金と万桜は私が守る」
 ピノの言葉に迷いがない。
 真剣な目でそう言った。
「私は、問題ありません」
 万桜が、そう答える。
「大丈夫なの?
 アンタは、こっちに来て間もないから知らないけれど……
 ボマーは、ギフト能力のかなりの使い手よ?」
「爆弾ごと斬ります」
 万桜が、そう答えるものの亜金には迷いがあった。
「亜金は、不安?」
 そんな亜金にピノが尋ねる。
「はい……
 日本のサイトで見たのですが、日本でも爆弾事件が起きているって……
 これが単独犯なのなら移動能力も持っているってことになります。
 だったら、勝つ方法が無いかもしれない……」
 亜金が、そう言うとピノが答える。
「犯人は、複数いる……
 日本の爆破事件とハワイの爆破事件少し違う。
 日本の爆破事件に火薬反応ない……
 でもハワイの爆破事件は、火薬反応ある。
 だから、その辺は安心して大丈夫」
 ピノが、そう言うと亜金は安心したような顔を見せる。
「自信ないけど頑張ります」
 亜金が、そう言うとプレゲトンが言葉を放つ。
「頑張るのは、当たり前!
 実力をつけなさい!実力を!
 猫の手は要らないの。
 私たちが必要なのは神の手、猫は死んじゃう。
 能力を奪う能力者もいるからいっぱい戦って実力をつけなさい!」
「う、うん」
「大丈夫。
 亜金は、強くなれる」
 ピノが、そう言って小さく笑った。
「根拠は?」
「オールウェポンだけでも強力。
 亜金に必要なのは、経験と筋力」
「ふーん。
 アンタが認めるのって珍しいわね」
 プレゲトンが、そう言うとピノは少し考える。
「うーん。
 今のところ亜金は、フゴーカク」
 ピノは、そう言って笑った。
「え?」
 亜金が、ピノの方を見る。
「とりあえず、バルド班に合流してヘリで移動。
 移動中にミーティングをする予定。
 急ごう、きっと遅くなるとバルド怒る」
 ピノは、そう言ってドアを開け部屋を出た。
 亜金たちはそれに続いて部屋を出た。
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