芋洗THE係長の事件簿

はらぺこおねこ。

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06 王次の娘

王次の娘その4

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 娘の名前は、芋洗 桜。
 桜が咲く季節に産まれ、桜のように綺麗でいて欲しい。
 そう願って名づけた。
 僕にしてはいいネーミングセンスだと思う。
 そして、妻の名前は芋洗 百恵子。
 大学のダンスサークルで出逢い、僕が警察学校を卒業した辺りから付き合うようになり、僕からプロポーズして結婚した。
 そして、暫くして桜が産まれた。
 どこにでもいるどこにいてもいい幸せな家族だった。
 いや、家族になれるはずだった……
 桜が産まれて、半年ほどたった頃だろうか百恵子の様子がおかしくなったのは……
 百恵子は、毎晩泣いていた。
「百恵子どうしたんだい?」
 僕が、そう訪ねても百恵子は泣くばかりだった。
 桜が1歳を迎えようとした時だった。
「私、もうダメみたい……
 王次さんごめんなさい……」
 百恵子は、そう言ってマンションの屋上から飛び降りた。
 僕と桜の目の前で……
 百恵子は、遺書を残さずに命を捨てた。
 享年28歳。あまりにも若すぎる命だった。
 そして、その頃から僕は幽霊が見えるようになった。
 警察の特殊捜査班の検定により、僕は肉体強化と幽霊が見えるギフトを手に入れたことがわかった。
 僕は、そのギフトを使い必死で探した。
 必死になって霊体となった百恵子を……
 そして、百恵子の霊体を見つけたのは、それから半月後だった。
「百恵子!」
「王次さん……?」
 百恵子は、僕の方を見て目を丸くして驚く。
「探したよ、百恵子……」
「王次さん、私が見えるの……?」
「ああ、見えるよ。
 そういう力を手に入れたんだ」
「そう……」
 百恵子は、目を閉じ表情が沈む。
「どうして自殺なんかしたんだい?」
「それは……言えない……」
「どうしてだい……?」
「言えばきっと貴方は、怒るから……」
 百恵子は、つらそうな表情で僕を見た。
「もう怒ってるよ」
 僕は、そう言って苦笑いを浮かべた。
「幽霊発見!」
 突然の言葉に僕は驚く。
 僕が、振り向くとそこには似た顔の男2人が立っていた。
「君たちは……?」
 僕は、目を細めた。
 何故だかは、わからない。
 だけ、僕の本能が言っている。
 こいつらは、危険だと……
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