ANTIHERO-アンチ・ヒーロー-Χ

はらぺこおねこ。

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03 カチコチ

21 百道登場!

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 世界は暖かく。
 残酷だった。

 静なる世界。

 踏切の音だけが静かに静かに鳴り響く。

「おい。
 中房!テメェ誰に向かって口を利いている?」

 ブレザーを着た男子高生が、そう言って学ランを着た少年の顔を殴る。
 しかし、学ランを着た少年は微動だにしない。

「知らねぇよ!
 アンタ別の学校のヤツだろ?
 しかも高校のヤツの名前なんか把握してねぇよ」

 学ランを着た少年は、そう言ってブレザーを着た男子高生を睨みつける。

「お前……
 生意気なんだよ!」

 そう言ってブレザーを着た男子高生が再び学ランを着た少年の顔を殴る。

「効かねぇな」

「ああん?
 来いよ!お前も殴ってこいよ!」

「俺は自分より弱いヤツは殴らねぇ」

 学ランを着た少年が、そう言って誇らしげに笑う。

「百田!お前が俺より強いっていうのか?」

 百田と呼ばれる学ランを着た少年。
 名前を百田ももた百道ももち百道。

 ヒーローに憧れる中学生だ。

「ああ、お前なんてその気になれば一撃だぜ?」

 百道の目が鋭く光る。

「お前程度が……
 お前程度が俺に勝てるわけないだろうが!」

 この男子高生の名前は、つぼ壺 健太。
 17歳の高校生。
 ベテラン議員の父を持つエリートだ。
 健太は、百道のアゴに一撃拳をぶつけた。

「あぁ……
 今のは少し効いたかもな」

 百道が、ニッと笑う。

「何がおかしい?」

「いや……
 お前が滑稽に見えてな」

 百道がそう言ってため息をつく。

「……なんだと?」

 健太がもう一撃百道に拳を浴びせた。

「でも、やっぱ効かねぇや」

 百道が小さく笑う。

「糞が!?
 気に入らねぇんだよ!
 その自信どこから来てるんだ?」

 健太は何度も何度も百道の顔を殴った。
 百道の顔に痣ができる。
 ひとつ、ふたつ、みっつと増えていく。

 健太は、高速のメロディを聴いている。
 素早く動けるようになるメロディだ。
 健太は、腕にその高速の能力を使いものすごいスピードで百道の顔を襲った。

「効かねぇな」

 百道の目にはなにも光らない。
 なにも映らない。
 ただ、虚しさだけが百道を襲った。
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