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09 謳うものと唄われるもの

87 幻は現実に

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 ジルは笑う。
 ケラケラ笑う。

「女を抱くのって楽しいな!!」

「女触る。柔らかい。
 犯す。気持ちいい」

 ガイルも笑う。
 嬉しそうに楽しそうに笑う。

「はは!
 テメェはいいやつだ!
 お前は最高の友達だ」

「友達?」

「ああ、仲間だ」

 ガイルはニッコリと笑う。

「友達、俺とジルは友達。
 えへへ。友達」

 ガイルが笑う。
 ジルも笑う。

 女は泣き叫ぶ。

「さて、お前も友達を紹介しろ。
 紹介したら逃してやるよ」

「する!する!するから……」

「おう、かわいい女を頼むぞ」

「はい!」

 女はそう言って震えながらスマホをカバンから取り出す。

「もしもし……源さん!助けて!」

 女は電話の相手に助けを求めた。

「テメェ!なにをして――」

ジルは、その言葉を途中で止める。
なぜならそこには見知らぬ男が立っていたからだ。

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