3 / 51
03
しおりを挟む待ち合わせの時間は、朝の六時
大学一年の頃だっけ
朝、眠気眼の、深雪を無理矢理起して、この場所に呼び出して
そして、告白したのは
そう言えば、あの時も、怒ってたよな
『私、パジャマなのにいきなり告白なんて、ひどいよ~』
って
俺が余韻に浸っていると、ナイフを振り回している男性に、若い女性が襲われているのが、目の前に入って来た
俺は、何も考えず
その子を助けようと、その男に蹴りを入れると、男は、すぐに逃げて言った
「あの
ありがとうございます」
少女は、照れくさそうに、お礼を言ってくれた。
「いや
気にしなくていいよ
それより、危険だから帰った方がいいよ」
「あ、はい。
では、失礼します。」
少女が走る度に、ポニーテールが上下に揺れたので、印象に残った
俺は、振り替えり、彼女が来るのを待った
すると、川を挟んだ向こう側のベンチに座っている彼女の姿が目に映った
「やばい
向こう側だったのか」
俺は、走って彼女の元に走った
深雪は、俺の姿に気付くと、顔を膨らませながら
「もう、伸二が遅刻するなんて、信じられない」
と、言った。
「早く、早く♪」
と、俺にせがんだ。
無邪気な顔が、可愛くてとても愛しく感じた。
「深雪
俺は、収入面から、今はすぐに、君を幸せにする事は、出来ない
だけど、だけど」
深雪は、うん、うんと相槌を打ちながら、俺の話を聞いてくれた
「だから、三年後。
それまでに君を絶対に幸せにする事を、この指輪に誓います。」
彼女は、俺にもたれ掛かって来た。
俺は、それがOKのサインだと思っていた
だが
彼女の様子が少し、おかしかった
俺は、抱き締めた彼女の手を見ると
真っ赤だった
彼女の足下には、包丁が転がっており
そして、その先には、彼女の血がこびり付いていた
向こうの方で、男が取り押さえられていた
恐らく、先ほどの男だ
彼女は、弱々しい声でこう言った
「『受け取って下さい』は?」
俺は涙を流しながら
「指輪を受けってください」
と言うと
彼女は幸せそうに指を差し出した。
そして、俺は、震えながら、その指に指輪をはめた。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛
ラヴ KAZU
恋愛
村藤潤一郎
潤一郎は村藤コーポレーションの社長を就任したばかりの二十五歳。
大学卒業後、海外に留学した。
過去の恋愛にトラウマを抱えていた。
そんな時、気になる女性社員と巡り会う。
八神あやか
村藤コーポレーション社員の四十歳。
過去の恋愛にトラウマを抱えて、男性の言葉を信じられない。
恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。
そんな時、バッグを取られ、怪我をして潤一郎のマンションでお世話になる羽目に......
八神あやかは元恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。そんな矢先あやかの勤める村藤コーポレーション社長村藤潤一郎と巡り会う。ある日あやかはバッグを取られ、怪我をする。あやかを放っておけない潤一郎は自分のマンションへ誘った。あやかは優しい潤一郎に惹かれて行くが、会社が倒産の危機にあり、合併先のお嬢さんと婚約すると知る。潤一郎はあやかへの愛を貫こうとするが、あやかは潤一郎の前から姿を消すのであった。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
愛のかたち
凛子
恋愛
プライドが邪魔をして素直になれない夫(白藤翔)。しかし夫の気持ちはちゃんと妻(彩華)に伝わっていた。そんな夫婦に訪れた突然の別れ。
ある人物の粋な計らいによって再会を果たした二人は……
情けない男の不器用な愛。
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
嘘をつく唇に優しいキスを
松本ユミ
恋愛
いつだって私は本音を隠して嘘をつくーーー。
桜井麻里奈は優しい同期の新庄湊に恋をした。
だけど、湊には学生時代から付き合っている彼女がいることを知りショックを受ける。
麻里奈はこの恋心が叶わないなら自分の気持ちに嘘をつくからせめて同期として隣で笑い合うことだけは許してほしいと密かに思っていた。
そんなある日、湊が『結婚する』という話を聞いてしまい……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる