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彼女の体は、思った以上に冷たくなり
そして、硬かった

綺麗な、その体は温め直せば、

「も~!信じられな~い!」

と、膨れた顔で怒鳴り散らして来そうだった

だけど、もう動かない
何故ならもう
彼女は死んでいるのだから

彼女は、友人に見送られる中、葬儀が行われる中
俺は、彼女との思い出が走馬燈のように回り巡った

それは、深雪の父親も同じだったらしく

葬儀が、終わってから、深雪との思い出を話し合った

いつまで、おねしょをしていただとか

告白された。
チョコを作った

一人暮らしを始めると言った時、寂しかったとか

俺の知らない、深雪の一面を沢山知った

俺は、気付いた時
俺は眠ってしまっていた

それから、一週間
俺は、仕事を休み、ずっと家で眠っていた。

職場では、深雪が死んだ事がまるで嘘のように、仕事に励んだ

それから二年が過ぎた頃

一人の少女が、研究室にやってきた。

「あの
 私、春雨銘と言います!
 まだ、解らない事が沢山あると思いますが、よろしくおねがいします!」

何処かで見た事があると感じた

それは、向こうも同じらしく

「あ、あなたは、あの時の命の恩人さん!」

銘が、そう言った時、俺の頭に、あの事件の記憶が過ぎった

「あぁ
 あの時の
 ポニーテールの」

髪は、切ったのか、現在は、ショートカットだった。

命は繋がっていた

なぜだか、その時、俺はそう感じた

それからと言うもの、彼女は俺に懐き、ことある事に、俺にちょっかいを出して来た

やがて、俺の中で、深雪の存在が消えかけた、あの事件から四年後

俺は、銘と結婚した

皮肉にも
あの事件のあった場所で、プロポーズされて

それから、間もなくして子供が出来た

名前は、ユウタ。
悠久の悠に夕日の夕で、[悠夕]

子供ができると時間が経つのが早いのか
悠夕は、小学生になった
丁度、その頃、世の中に[タイムマシン]が出来た

俺は、ふと深雪がこれで救う事が出来るのではないかと

しかし、金額は400億
とても、買える金額じゃなかった

研究員の仲間の誰かが言った。
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