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しおりを挟むその商品には、値段が書かれてはいなかった。
一流のレストランの商品には、値段が書かれていないと言う
【深雪スペシャル】
それも、それと同じく高価なモノなのだろうか?
目の前に出て来たもの
それは、チャーハンだった。
「これは?」
「チャーハン♪」
深雪が、満面な笑みで答えた。
「チャーハン?」
「『深雪スペシャル』は、前に私が頼んだモノが出るんだよー」
なんで、そんな意味不明な商品をここは、置いているのだ?
「ごちそうさま」
深雪は、そう言うと手を合わせた。
深雪は、もう自分の分を完食したらしい。
「慌てなくて良いからね
ゆっくり食べてね♪」
そう言いながら、深雪はじっと俺の食べる様子を見つめていた。
休みの日には、一緒に遊び。
仕事でも、ほぼいつも一緒に過ごしていた。
俺が未来から来た事すら、忘れた頃。
その日がやって来た。
深雪の指輪を買った日
ジュエリーショップの店員が俺に話しかけて来た。
「プレゼントですか?」
「はい」
店員は、ニッコリ笑いながら、色々質問をしてきた。
「歳は幾つくらい?」
「指の太さは?」
「お仕事は?」
「肌の色は?」
「誕生日は?」
この質問は、今も鮮明に覚えている。
俺は、一呼吸入れて質問に答えた
「婚約者指輪なのですが」
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