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しおりを挟む俺達が、奥に入るとじっと座り込んで居る子供が居た。
俺は、視線をその子に合わせるように小さくしゃがんだ。
「こんにちは」
男の子は、口の先を少しだけ上に上げると、コクリと頷いた。
深雪も同じく視線を合わせながら、その子に話しかけた。
「某やお名前は、なんと言うのかな?
あ、私は深雪で、このお兄さんは、伸二って言うの」
その子は困った顔をして俺の方を見た。
俺は、その子の顔をじっと見つめてからこう言った。
「伸二だ。よろしくな」
そして、手を出すとその子は、可愛らしい声でこう言った。
「美穂です。」
美穂
男の子だと思っていたが、女の子だったのか。
「君、もしかして女の子?」
深雪が、驚いた口調でそう言うと、美穂ちゃんは苦笑いを浮かべながら笑った。
髪は短く、帽子を被り、ズボンをはいていた為、男の子だと思っていた。
だけど、女の子だったらしい。
深雪は、自分の鞄のポケットからからリボンを取り出した。
そして、美穂ちゃんが被っていた帽子を深雪は取った。
そして、美穂ちゃんの髪をそのリボンで結い始めた。
美穂ちゃんは、頬を赤くしながら、しきりに近くにある鏡の方を気にしていた。
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