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Scene08 ワインレッドの心
181 しあわせのかぜ
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「なぁ、お前……
子供ができない体になったって本当か?」
菜花は男子に声をかけられる。
「な……」
男子は菜花が見たくもない存在だ。
「本当か?答えろ」
「お前には関係ないだろ?」
菜花は強い口調で言った。
「よかった。
だったら好き放題中に出していいよな」
菜花の顔が青ざめる。
思い出したくもない過去が菜花の頭を巡る。
中学二年生。
毎日死ねと書かれた手紙が机の中に届き。
そして毎日強姦される日々。
いじめと言われればそれで終わる。
終わらないはずなのにいじめで片付けられる。
そんな世界にいつなったのか。
そうじゃない世界があったのか。
菜花にはわからない。
その日はお腹の調子が悪かった。
「おいおい。
今日も中出ししちゃったのか?」
男子生徒が一人そういった。
「大丈夫、避妊するから」
男子はそう言って菜花のお腹を蹴る。
「ひっでーやつ」
そう笑いながら。
ケラケラとポテトチップスを食べながら菜花の下腹部を見る。
「おいおい。
血で出るぞ?」
「は?」
男の顔が青ざめる。
「やば。蹴りすぎた?」
「もう一回セックスしてから逃げるか?」
男がそう言ってケラケラ笑う。
「まぁ、血まみれのコイツの中に入れるきはしねぇわ」
そういって男たちはその場から離れた。
そんな菜花にホームレスの男が近づく。
「あ……」
自分はこのホームレスにも犯されるんだ。
菜花はそう思った。
ホームレスはスマートフォンでその様子を撮っていたからだ。
ああ、この動画を売られるんだ。
菜花には絶望しかない。
ホームレスが小さく舌打ちをしたところで菜花の意識は途切れた。
菜花が目を覚ました時。
白い天井が目に映る。
「あ……」
菜花の腕には点滴が繋がれていた。
「もう大丈夫だよ」
そういったのは医師の白鳥一真だ。
「……私は?」
「君、妊娠してたんだね……」
「……え?」
菜花の頭が真っ白になる。
「気づかなかったのかい?」
「ごめんなさい」
菜花は謝る。
誰に謝ったのか。
誰に対する謝罪なのかわからない。
「……」
一真は黙る。
「赤ちゃんは?」
「もういないよ」
菜花の頭が真っ白になる。
絶望と悲しみと恐怖。
全てが消える。
「そしてもう子供は――」
一真はそう言いかけてそれ以上菜花を追い込むことはしなかった。
菜花の絶望はまだ終わらない。
この噂はあっというまに広まった。
売りをやっていた中学生が妊娠したと。
ネジ曲がった噂。
菜花がいくら言っても誰も信じない。
レイプされて妊娠して殴られ流産した。
子供ができない体になった。
世間の言葉は冷たく。
自業自得だと言われた。
菜花が言えば言うほど。
弟の油菜はいじめられるようになった。
元々刺々しい言葉を持った油菜。
菜花を守ろうとすればするほど油菜は責められるようになった。
菜花は申し訳なくて申し訳なくて。
もう死ぬしかないと思った。
「私はレイプされました。
それで子供は流産し。
そして子供ができない体になりました」
菜花はYou Tubeにそう言って自殺配信をした。
菜花は学校という世界に復讐すべく。
窓から飛び降りようとした。
怖い。
でも、死ぬしかない。
死ぬしか世界は許してくれない。
「私が死ねば油菜はいじめられなくなる。
動け私の足、でろよ勇気!」
震える足にあふれる涙。
菜花は大量の睡眠薬を飲み。
そのまま眠りについた。
「死ぬ方法なんて関係ない。
死ねば同じなんだ」
そう言い残して。
次の菜花が目を覚ました時。
やっぱり病院のベッドの上だった。
子供ができない体になったって本当か?」
菜花は男子に声をかけられる。
「な……」
男子は菜花が見たくもない存在だ。
「本当か?答えろ」
「お前には関係ないだろ?」
菜花は強い口調で言った。
「よかった。
だったら好き放題中に出していいよな」
菜花の顔が青ざめる。
思い出したくもない過去が菜花の頭を巡る。
中学二年生。
毎日死ねと書かれた手紙が机の中に届き。
そして毎日強姦される日々。
いじめと言われればそれで終わる。
終わらないはずなのにいじめで片付けられる。
そんな世界にいつなったのか。
そうじゃない世界があったのか。
菜花にはわからない。
その日はお腹の調子が悪かった。
「おいおい。
今日も中出ししちゃったのか?」
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「大丈夫、避妊するから」
男子はそう言って菜花のお腹を蹴る。
「ひっでーやつ」
そう笑いながら。
ケラケラとポテトチップスを食べながら菜花の下腹部を見る。
「おいおい。
血で出るぞ?」
「は?」
男の顔が青ざめる。
「やば。蹴りすぎた?」
「もう一回セックスしてから逃げるか?」
男がそう言ってケラケラ笑う。
「まぁ、血まみれのコイツの中に入れるきはしねぇわ」
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「あ……」
自分はこのホームレスにも犯されるんだ。
菜花はそう思った。
ホームレスはスマートフォンでその様子を撮っていたからだ。
ああ、この動画を売られるんだ。
菜花には絶望しかない。
ホームレスが小さく舌打ちをしたところで菜花の意識は途切れた。
菜花が目を覚ました時。
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「あ……」
菜花の腕には点滴が繋がれていた。
「もう大丈夫だよ」
そういったのは医師の白鳥一真だ。
「……私は?」
「君、妊娠してたんだね……」
「……え?」
菜花の頭が真っ白になる。
「気づかなかったのかい?」
「ごめんなさい」
菜花は謝る。
誰に謝ったのか。
誰に対する謝罪なのかわからない。
「……」
一真は黙る。
「赤ちゃんは?」
「もういないよ」
菜花の頭が真っ白になる。
絶望と悲しみと恐怖。
全てが消える。
「そしてもう子供は――」
一真はそう言いかけてそれ以上菜花を追い込むことはしなかった。
菜花の絶望はまだ終わらない。
この噂はあっというまに広まった。
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菜花がいくら言っても誰も信じない。
レイプされて妊娠して殴られ流産した。
子供ができない体になった。
世間の言葉は冷たく。
自業自得だと言われた。
菜花が言えば言うほど。
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