不老に剣士

はらぺこおねこ。

文字の大きさ
上 下
82 / 223
Scene04 あなたへ

83 帰りたくない我が家

しおりを挟む
「異なる世界の精霊かー」

丹歌は悩みます。
丹歌は何より誰かとの交流は苦手です。

「そういえばプレさんは元気かな……」

丹歌は空を見上げます。
そして丹歌は考えます。

「ナナシさんって異世界の住人かな?
ってその前に精霊じゃないか」

丹歌はあのときの感覚を思い出します。

「そうだ。この感覚」

すると世界が変わります。

「驚いたな、まさか君の方から歩み寄ってくるとは」

「ナナシさんって精霊ですか?」

「結論から言うと違うね。
僕は誰でもなく。
何にもなれなかったものさ」

「そうなのですか?」

「契約精霊が必要なんだね?」

「はい」

「異世界……というか自分の母国に戻ってみるかい?」

「クールポコ王国ですね」

それは丹歌がいた世界の王国の名前です。

「そうです。あの国では精霊の製造がわんさかなので1匹くらい貰ってもバレませんよ」

丹歌は少し複雑な顔をします。
ですが背に腹は代えられません。

「でも異世界の精霊ではないですよね?」

「クールポコは、召喚魔法も得意なので沢山いるよ」

丹歌は迷いなく答えました。

「行ってみます」

「ではではクールポコまでワープだね。
1名様ご案内!」

丹歌の意識は遠くなります。
丹歌は小さな小さな夢を見ます。
昔の夢を……
しおりを挟む

処理中です...