不老に剣士

はらぺこおねこ。

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Scene04 あなたへ

82 友だち

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誰もいない世界。
そこにはかつて友人がたくさんいました。
でも今は誰もいません。
まあるい世界。
まんまるい世界。
ずっと歩いてたまに泣いて。
そっと歩いてたまに笑って。
何も変わらない世界で。
その生命は一生懸命生きていました。

その星をぐるぐる歩きまわって3000年。
ずっとそっと探し回りました。

『帰ってくる』と約束を交わした友だちを……

でも、3000年待ってもその友だちは戻ってきませんでした。

友だちを探すその生命は。

異世界へと旅立つ決意をしました。

空間を歪ませ。

命ある世界へ旅立つ決意をしました。
迷って悩んで苦しんで。
100年くらい悩みました。
待つことを……
去ることを……
旅立つことを。
生きるということは苦しむこと。
苦しむことは笑顔へとつながる。

「バイバイ」

生命はそう言い残すと軽くジャンプしました。

その世界から全ての生命が消えた。
ただそれだけです。
星はその直後。
小さくなり散り散りにバラバラになり。
音も立てずに消えていきました。

その生命は友だちを探すため。
新しい友だちを作るため。
旅立つ決意をしたのです。

この世界には生命はありません。
それに気づいてもなおその生命は待ったのです。

長い長い道を。
光など存在しない道を。
その生命は前へと進みます。
3日ほど休みなく歩いたら。

新しい光を見つけ。
その生命はそこに歩き付きます。

「ワオ――――ン」

獣の鳴き声が響きます。

その声に同調した獣たちはその生命に飛びかかります。

生命はその獣たちを見ます。
ただそれだけで獣たちは動けなくなります。

「犬かな?」

生命はそう言ってそのまま歩きます。
ピタピタと音を鳴らして……

獣たちは動けません。
息もできません。

強大すぎる力に。
負けたのです。

「殺さないよ。
大丈夫」

生命はそういうと獣たちは息の仕方を思い出し一目散に去っていきました。

「貴方はなに?」

少女がそういってその生命の前に立ちます。

「君は?」

生命がそう言うと少女が言います。

「鈴って言います」

「鈴か……」

「よかったら貴方の名前を教えてくれませんか?」

「ない」

「え?」

「私に名前はない」

「そうなのですか」

鈴は小さくうつむきます。

「そんなに気にすることではない」

生命はそういって少女を見上げます。

「貴方の魔力、この世界のものじゃないですよね?
もしかして異世界からきたとかじゃないですよね?」

鈴は課題である異世界精霊との交流が出来るのではないかと思いました。

「私は別の世界から来ている。
そういう意味では異世界なのだろうね」

「そうなのですか?もしかして精霊とかだったりします?」

「私はかつて『もわ大明神』と崇められていた」

「精霊じゃないのですか……」

「精霊じゃないとダメなのか……」

生命は少し落ち込みます。

「いえ、そんなことはありません!
よかったらお友だちになってくれませんか?」

「友だち……」

生命の目から涙が溢れます。

「ダメですか?」

「そうではないんだよ、鈴さん。
私は久しぶりの会話に感涙しているんだ」

生命はそう言って
ワンワンと涙を流しました。
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