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01 目覚める力

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「どうやって殺すんだい?」

 13が小さく笑う。

「それもそうだね」

「いや死ぬときは死ぬんじゃないのか?」

 ヒデの言葉にヒラノも笑う。

「死ねない苦しみもあるんだよ」

「そうなのか?」

 ヤスが不思議そうな顔でヒラノの方を見る。

「……」

 ヒラノは何も答えない。

「クククク」

 犬が笑い声とともに現れる。

「犬?」

 ヒラノが首を傾げる。

「さっきの犬?」

「そうだ。
 我が名はアースベルガー!
 この村の雌を全て犯し我が力の糧にしてもよいとフィサフィー様から許可を頂いている……
 お前ら男どもは全て殺す!それこそ我の楽しみ!」

「ゲスいね」

 ヒラノがそういって拳を構える。

「あの犬……アースベルガーは恐ろしい犬だぞ!
 ああ見えてギフテッド!祝福されしものだ!
 魔力もずば抜けて高い!テオスの幹部クラスだ!」

 ヤスがそこまでいうと剣を構える。

「それでもやらなければやられる!」

 ヒデが斧を構える。

「勝てるとでも思っているのか?
 お前ら程度の魔力で!」

 アースベルガーが牙を剥く。

 ――プスン

 銃声が響く。

 13が銃を放った。

「な……?」

 アースベルガーが驚く。

「戦闘が始まる前に攻撃したら勝てるよね?」

 13が笑う。

「なるほど……!面白いな!」

 アースベルガーがそういって姿を消した。

「逃げたの?」

 ヒラノが首を傾げる。

「いや……どうだろうね。
 死んではないだろうけど……」

「……まぁいいや。
 とりあえず強制主従契約は解除するね。
 へいへいほー」

 ヒラノがそういうとオークの村のオークたちの主従契約を解除した。

「あっというまだね」

 13が小さく笑う。

「まぁね。
 そんなもんだよ」

「そっか……」

 13はそれ以上深く聞かないことにした。
 たいして興味がなかったから……

「じゃ、僕は帰るよ。
 ヤスさんとヒデさんは、なんかあったら協力してね」

 ヒラノがそういって手を振った。

「いや、ならせめて馬車で送らせてくれ」

「いいよ馬車は僕にも扱える」

 ヒラノはそういって笑うと馬車の方まで歩いた。
 13は、ヒラノが馬車に乗り村を出るのを見守った。
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