ゾンビキラーヒラノ~なんの才能もなかったヒラノがゾンビだらけの世界でヒーラーとしての才能が芽生えた話

はらぺこおねこ。

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02 目覚める者たち

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「玉藻、もういいよ」

 玉藻は、ゆっくりと目を開けた。

「この氷の塊……
 亜金がやったのか?」

「反転魔法で、自滅してもらった」

「そうなのか?」

「うん。
 さぁ、帰ろう。
 火恋さんが、心配している」

「わかった……」

「どうしたの?」

 ピクリとも動かない玉藻に対して亜金は尋ねた。

「腰が抜けて体が動かないんだ……」

「仕方がないなぁ……
 じゃ、ウイングの魔法で……」

「おんぶがいい」

「え?」

「おんぶして欲しい」

「……わかったよ」

 亜金は、そう言うと玉藻をゆっくりと背負った。

「なぁ、亜金……」

「うん?」

「助けに来てくれてありがとう」

「気にしなくていいよ」

「服がボロボロだ……」

「うん。
 剣でいっぱい斬られたから……」

「怪我してないか?」

「うん。
 大丈夫。
 俺の皮膚は、メタルゴーレムより硬いから」

「そうか……」

「でも、アストラル・ソードなら、斬れるんだろ?」

「うん。
 でも、その前にウィル・ウィンドで、弾き飛ばしたよ」

「無茶な事を……」

「玉藻が無事なら俺は、どうなってもいいよ」

「そんな事は口にしない方がいい」

「え?どうして?」

「勘違いしたら、どうするんだ?」

「あははは……
 こんな事で、玉藻を口説き落とせるとか思ってないよ」

 玉藻は、頬を赤らめ静かに亜金の背中に顔を埋めた。

「亜金……」

「ん?」

「怖かった……」

 玉藻は、亜金の背中でガクガクと震えた。

「うん」

「乱暴されるかと思った……」

「間に合ってよかった」

「うん……
 ありがとう……
 本当にありがとう」

「うん。
 玉藻って意外と胸ある?」

「馬鹿!
 そんな事言ってないでさっさと歩け!」

 玉藻は、耳元で怒鳴った。

「耳元で怒鳴らないでそ」

「じゃ、息をかけてやる!
 ふーだ。ふー!」

 玉藻は、そう言うと亜金の耳に息を吹きかけた。

 その姿を温かい目で見る女がいた。
 その女の名前は、ティコ。

「この場で私が出るのは、お邪魔虫だよね」

 ティコは、そう呟くと静かにウイングの魔法で飛び去った。

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