if~みらいのきみへ

はらぺこおねこ。

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02 僕の生きた証

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「ありがとうございます」

 その言葉を出すのに長い年月が必要になった気がする。
 でも、それは一瞬で出せた。

「気にしなくていい。
 俺はアンタには世話になった」

 一さんがそういった。
 僕は世話をしたつもりはないんだけど。
 前世であったのかな?

 今の一さんの歳はいくつなんだろう?
 30年前は子どもだよね。

 そう思うとそんな子どもの世話をしたことがない。
 なにかの勘違いかな?
 だったら気を悪くするかもしれない。

「僕、一さんにお世話した記憶がないんだけど」

「そうだろうな。
 だが勘違いでもなければ嘘でもない。
 これは運命なんだ」

 一さんがそういって僕の頭をくしゃっと撫でた。

 なにがなんだかわからない。
 でも、一さんがそれでいいのならもういいや。
 考えるのはやめだ。

 なんだろう。
 死ぬ直前のことを考えると頭がもやもやする。
 頭が痛い。
 これも考えるのをやめよう。

「あー、一さんだー。
 パパー、一さんがいるよー」

 そういって幼い女の子が駆け寄ってきた。
 僕はそこで運命の出会いをする。

「自由。
 走ったらダメだぞ?」

「はーい」

 30代前半くらいの男性がそういって自由って呼ばれる女の子の頭を撫でる。

「……えっと」

 僕は戸惑う。

「あ、そうか。
 十三さんに頼めばいいんだ」

 一さんがそういってその男の人を見る。

「うん?」

 男の人が不思議そうに首を傾げる。

「この人の名前は、久留里 十三さん。
 高校の教師もやっている凄い科学者なんだ」

 突然紹介された十三さんという男性のこと。
 僕にはなにがなんだかわからない。

「一さん、めー!なの!
 レディを先に紹介するの!」

 そして怒っている自由って女の子。
 女の子は頬を膨らませて怒っている。

「レディ?」

 僕は首をかしげる。

「私の名前は、久留里 自由!
 貴方の名前は?」

「僕の名前は、小間 綾人だよ」

 自己紹介をしてみた。

「綾人!仲良くしてね!」

 自由さんが嬉しそうに笑う。

「自由、自己紹介がちゃんと出来たね!偉いね!」

 そして、十三さんが嬉しそうに笑う。

「あの十三さん、綾人くんの話を聞いてくれませんか?」

 一さんがそういうと十三さんがうなずく。

「なんだい?僕に出来ることなら力になるよ」

 十三さんが優しく笑う。
 そして、このあと僕は急展開を迎える。
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