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02 僕の生きた証

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 僕は話した。
 僕の前世の話を。
 すると十三さんがうなずいた。

「んー、じゃ軽く調べてみようか?」

「調べるってなにを?」

 僕がそう尋ねると十三さんが笑った。
 悪いことを考えていそうな顔だ。

「水樹 七緒さんの個人データをね」

「え?」

 僕は耳を疑った。
 そんなの教師が出来るわけない。
 それとも今の時代は出来るのかな?

「じゃ、アンバランサー。
 水樹七緒さんの情報をちょちょくらささーいと集めてくださいな」

 一さんがそういうと一さんの眼鏡がピコンと光った。
 そして、音声が流れる。

「水樹七緒さんの情報を検索します」

「って、あれ?
 そんなの同姓同名の人何人いると思っているの?
 結構いるんじゃないの?」

 僕がそういうと十三さんが得意げに笑う。

「先ほど見せてもらったメールアドレスと水樹さんの生年月日やシンガポールへと渡航履歴を調べれば、かなり特定出来ると思うよ」

 なんだろう。
 ストーカーもびっくりなことを言っている気がする。

「……検索完了しました」

 アンバランサーがそういった。

「早い!」

 僕は驚いた。

「現在、ひらかた市民病院に入院しています」

 アンバランサーの言葉に僕は再び驚いた。

「入院?なんで?」

「ご要望とあれば、病院システムにハッキングして調べますがよろしいですか?」

「ダメです」

 僕は即答した。
 それは個人情報だ。
 調べるのはダメだ。
 そう思った。

「ひらかた市民病院か近いな」

 一さんがそういってうなずいた。

「そうだね」

 正三さんもうなずく。

「明日、面会に行ってみるか?」

 一さんがそう言ってくれた。

「でも、いいのかな?」

「ダメなのかい?」

「だって前世では知り合いだけど。
 この姿では……」

「そんなの関係ないと思うよ。
 友だちはずっと友だちだろう?」

 正三さんの言葉が優しく暖かかった。

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