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03 lemon
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――翌日
僕は会いに行った。
水樹 七緒さんに……
酸素ボンベをつけて苦しそうな顔をしている。
そして、僕の方を見た。
医師の話では、もう長くないらしい。
目もよく見えていない。
「あら?久しぶりの人が迎えに来てくれたのね」
「え?」
水樹さんの目に色が戻った。
「鈴鹿くんだよね?」
水樹さんの声が優しい。
「僕のことわかるの?」
「わかるよ。
だって友だちだもの」
その声に、言葉に救われた。
「ありがとう」
なぜかその言葉が出た。
「でも、すっかり小さくなったのね」
「うん」
「あのね、あの……」
僕は話した。
僕の前世が鈴鹿隼人であることを。
そして、最近転生して記憶が戻ったことを……
全て話した。
「そうなのね……
それで、会いに来てくれたの?」
「うん」
「そっか。ありがとう」
水樹さんの温かい声。
懐かしい感じがする。
そっか30年ぶりになるんだもんね。
懐かしいよね。
「変な話ね」
「え?」
「ただでさえ歳下だったのに差が開いちゃった」
「あ、うん」
「ホント、不思議な話」
「そうだね」
水樹さんの声が明るい。
「あのね」
僕は気持ちを伝えたかった。
あのとき言えなかった言葉を。
今伝えるべきだと思った。
「どうしたのかしら?小さな鈴鹿くん」
「あのね、好きでした」
僕は伝えれた。
人生何度目かの告白。
勝率ゼロ%の告白。
そして水樹さんがいう。
「もうダメね、私はすっかりおばあさんだもの」
そう勝率ゼロ%なのは転生しても変わらない。
そう変わらないんだ。
僕は会いに行った。
水樹 七緒さんに……
酸素ボンベをつけて苦しそうな顔をしている。
そして、僕の方を見た。
医師の話では、もう長くないらしい。
目もよく見えていない。
「あら?久しぶりの人が迎えに来てくれたのね」
「え?」
水樹さんの目に色が戻った。
「鈴鹿くんだよね?」
水樹さんの声が優しい。
「僕のことわかるの?」
「わかるよ。
だって友だちだもの」
その声に、言葉に救われた。
「ありがとう」
なぜかその言葉が出た。
「でも、すっかり小さくなったのね」
「うん」
「あのね、あの……」
僕は話した。
僕の前世が鈴鹿隼人であることを。
そして、最近転生して記憶が戻ったことを……
全て話した。
「そうなのね……
それで、会いに来てくれたの?」
「うん」
「そっか。ありがとう」
水樹さんの温かい声。
懐かしい感じがする。
そっか30年ぶりになるんだもんね。
懐かしいよね。
「変な話ね」
「え?」
「ただでさえ歳下だったのに差が開いちゃった」
「あ、うん」
「ホント、不思議な話」
「そうだね」
水樹さんの声が明るい。
「あのね」
僕は気持ちを伝えたかった。
あのとき言えなかった言葉を。
今伝えるべきだと思った。
「どうしたのかしら?小さな鈴鹿くん」
「あのね、好きでした」
僕は伝えれた。
人生何度目かの告白。
勝率ゼロ%の告白。
そして水樹さんがいう。
「もうダメね、私はすっかりおばあさんだもの」
そう勝率ゼロ%なのは転生しても変わらない。
そう変わらないんだ。
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