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私は静かな環境が好きなのだが、小学生の息子二人もいると、それはちょっと無理な話。

毎日毎日厭きもせず、ケンカをしては

「おがぁーざーん(泣)」

となる。

ケンカするぐらいなら、くっつかなきゃいいのに、と思うのだが、どちらのご家庭でも同じ様な状況らしいので、これは致し方ないのだろう。

やれ宿題だ、明日の用意だ、お風呂だ、ごはんだ、独身時代には、考えられない程、らんぼうで、大きな声を張り上げ、子供達と戦い、自分自身で静かな環境をぶち壊す日々。

こんな私じゃなかったのになぁ~(悲)

その上、私の場合旦那の両親と同居なので、家の中に一人きりと言う状況がほとんど皆無に等しい。
家の中には、なにかしらの人の気配と、音が発生。

ある日の早朝の事、

「ざぁー・・・ざらざらざぁー」

と言う、日頃聞きなれない音で目が覚めた。

何の音?と二階から覗くと、義母の姿。
梅酒用に使う、氷砂糖を計りで計っているのだ。
なんで、こんな朝から作業してるんだか・・・。
背中をまるめ、薄明りの中、電気もつけず作業する後ろ姿を見て、んー何かに似てるなぁ、何だっけと心の片隅に、しばらくひっかかっていたのだが・・・。

後日、妖怪「あずき洗い」だと思い当たる(笑)
すいません義母さん。

ちなみに・・・小豆を洗う妖怪で

「小豆とぎましょ、しゃかしゃかしゃか、人とって食いましょ、しゃかしゃかしゃか・・・」
と歌う、かわいい名前とはうらはらな物騒な妖怪です。

しかし、お年寄りというのは、何故か早起きである。私の毎朝は、目覚ましで起きるというより、階下から聞こえる、がさがさと動く人の気配で目覚める。休日だろうが同じこと。

なまじ吹き抜けなんぞあるから、いろんな音があがってくるのだ。

たま~に、一人きりの状況が発生すると、心底ほっとしている自分に気が付く。
同居というのは、十年近く一緒に住んでいても、じわりじわりとストレスが溜まるもんです。

あぁ、二世帯住宅、別々のリビング憧れる・・・。

いつだったか、下の息子と二人きりと言う、めったに無い夜がありました。

めぼしいテレビ番組もないので、それぞれ本を読んでいたのだが、何故か息子が、神妙な顔つきでじわりじわりとそばへ寄ってくる。はて?と思っていると、

彼は真顔でこう言った

「おかあさん、シーンって聞こえる!」

あーなるほど。
  
音のある事が当たり前の環境に育った息子には、静かすぎて怖くなった様です。 
君たちキャンプなんかいけないかもね(笑)
  
そう言えば、私も田舎からこっちに出てきた時、逆に車の音がうるさすぎて、眠れない日々を過ごした事もあったなぁーと、ふと思いだしました。
   
実家のすぐ裏を走る電車の音は平気なのに、車の音はダメって・・・。

人間って本当に不思議な生き物だなぁと、思わずにいられません。


    
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