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現役妖怪ポスト

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夜彦先輩に連れられ、やってきました生徒会室。
姫が生徒会長、環ちゃんが副会長だそうだ。どんな闇ギルドだよ、学校で暗躍しているとしか思えない。あー怖いわぁ。

「あのー・・夜彦先輩あれって・・。」

生徒会室の入り口脇には、まごうことなきゲゲゲの鬼○郎の妖怪ポストが廊下の床から生えていた。
しかも屋根の部分に目玉のお○じを乗せたカラスがとまってるよ。
作り物だとは分かるけど、クォリティーが高すぎる。

「あぁ、これか?生徒会宛ての投書箱だ。美術部が洒落で作った割にはいい出来だろう?」

はぁ、美術部渾身の作、妖怪ポスト。
うん・・・この学園の場合間違っちゃいないか・・。

「初めまして、書記の安倍です。よろしくお願いしまーす。」

にこやかに挨拶して来た安倍先輩は、垂れ目がきゅるんと可愛い男子で、安倍先生の分家筋だそう。

「会長、今日の投書には呪物は入っていなさそうですよ。見分済みの分は、明日でいいので確認して下さい。とりあえずこっちの山がラブレターで、こっ
ちが意見書でーす。」

待て待て、今さらっと物騒なワード入ってたぞぉ。

封書を置きながら柏手を打つ安倍先輩。
・・注連縄が幾重にも張られた重厚な祭壇がある生徒会室ってどう思います?

あー、しかも仕分け済みの分に、勝手に触れない様に、がっちり封印札が貼ってある―。
安倍先輩もお札掛けるんですね。
安倍って、もしかして高名なあの安倍さん一族ですかー?

「うぇぇ?呪われるって・・?」

呪物なの?ねぇ呪物なの?
それ、ラブレターなんだよね。

「はい、催淫系は本気で洒落にならないので。おまじない程度なら可愛いもんなんですけどねぇ。」

ひょっ!R18系のやつだったー!
そんなの校内で仕掛けてくるのがいるんだ。
駄目駄目!皆さん学生さんでしょう!
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