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お茶会のお誘い
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「パンがやわらかい・・果実の程よい酸味がとても美味いです。」
「パンも僕が作ったんですよ。今いろいろ試行錯誤中で。このお茶も作ってみました。口がさっぱりしますよ。」
緑茶を進めると、とても驚かれた。
ヒガさんは、口いっぱいにほおばって、お茶より食べるのに夢中だ。
美味しそうに食べているのを見ていると、気分がほっこりしてくるよ。
「ご歓談の中、失礼いたします。」
藪の中とは思えないほど優雅な動きで、プラチナブロンドの美しい少女が現れた。
ありえない非現実的な事態に、ヒガとシキは食事中の姿勢のまま、動きが止まった。
(何故、どうして、こんな場所に王女と侍女達が現れるのだ。)二人の心の声が重なった。
「初めまして、黒の賢者様。アゼリア国王女アイディーカと申します。先日は素敵なお祝いの品ありがとうございました。こちらで、賢者様達がお茶を嗜まれていると侍女から伺いまして、ご挨拶に参りました。」
ここが舞踏会場かと錯覚をおこす程の見事なカーテシー。
が、実際はヒガの憩いのサボり場。
そう ―藪の中― だ。
(侍女から伺ったって、おい!なんで知ってるんだ!そこの侍女ズ。)
あらら、ヒガさんの尻尾ブワッとふくれちゃった、びっくりしたんだね。
変な気配するなと思って様子を見てたんだけど、まさかの姫様登場とは。
ヒガさんもシキさんも気づいてなかったのかな?
僕は、てっきり護衛とは別に、監視でもついてるのかと思ってたのに。
「これはご丁寧に。こちらこそご挨拶がおくれました。夜空と申します。オルゴールは、気に入っていただけましたか?」
すごくきれいな子だ。これで7才、しっかりしてる。
こんな所までやってくるなんて、見た目と違って行動的な子だね。
後ろに控えてる侍女達も、よくもまぁ、こんな所に姫様連れてこようと思ったね。
「はい、とても!母や兄たちにも自慢いたしました。あの様な美しく繊細な物をお作りの『黒』の賢者様に是非ともお会いしたく、侍女達に無理をいいました。・・先触れもなく無作法な真似をいたしました。お許し下さい。」
始めは堂々としてたのに、だんだん声が小さくなっていく。
ん?後ろの侍女がカンペ出してた来たよ。え?こっちの世界にもカンペあるの?
【夜空様 姫様もお茶に誘って下さい】
【姫様 お友達募集中です】
【姫様 頑張ってる!お願い】
僕はあっけにとられる。
カンペでお願いって・・。
ヒガさんとシキさんをみれば、盛大に顔が引きつっていた。
かなり癖の強い、面白い侍女達に囲まれているんですね姫様、これは毎日楽しそう。
後ろのカンペに気づかない姫様は困惑気味だ。
「あー姫様。ここまで出向いてもらって申し訳ないので、よかったら一緒に召し上がっていかれますか?もちろん後ろの侍女さん達もご一緒に。但し、ここはヒガさんの秘密の場所ですから、他の人には秘密ですよ。」
姫様達の緑茶を用意しなくちゃ。
「よろしいのですか?」
姫様の顔がパアァっとほころんだ。
侍女達は目にも止まらぬ速さでカンペを片付け、姫様の席を流れる様に整えだす。うーん優秀。
「若草色の美しいお茶ですこと。風味もさわやかですわ。」
「お口にあって良かったです。緑茶と言います。茶葉は紅茶と同じ物です。緑茶は、紅茶を作る前の、加工段階のものなんですよ。」
「まぁ、これは紅茶と同じものですか!夜空様は博識でいらっしゃるのね。」
「夜空様、大変おいしいです。レシピをお教えください。」
「このお茶まわしていただけます?」
「ヒガ様すねないで。別のいい場所教えますから。」
・・・自由だね、侍女ズ。
和気あいあいとお茶を楽しみ、姫様からは次回のお茶の招待を受けた。
「では、お待ちしております。」
しずしずと藪の中に姫様達が帰っていく、うーんシュールだね。
結果、食事どころではなくなったヒガさんとシキさんには、お持ち帰りを渡しました。
又、差し入れするから、くじけないで!
「パンも僕が作ったんですよ。今いろいろ試行錯誤中で。このお茶も作ってみました。口がさっぱりしますよ。」
緑茶を進めると、とても驚かれた。
ヒガさんは、口いっぱいにほおばって、お茶より食べるのに夢中だ。
美味しそうに食べているのを見ていると、気分がほっこりしてくるよ。
「ご歓談の中、失礼いたします。」
藪の中とは思えないほど優雅な動きで、プラチナブロンドの美しい少女が現れた。
ありえない非現実的な事態に、ヒガとシキは食事中の姿勢のまま、動きが止まった。
(何故、どうして、こんな場所に王女と侍女達が現れるのだ。)二人の心の声が重なった。
「初めまして、黒の賢者様。アゼリア国王女アイディーカと申します。先日は素敵なお祝いの品ありがとうございました。こちらで、賢者様達がお茶を嗜まれていると侍女から伺いまして、ご挨拶に参りました。」
ここが舞踏会場かと錯覚をおこす程の見事なカーテシー。
が、実際はヒガの憩いのサボり場。
そう ―藪の中― だ。
(侍女から伺ったって、おい!なんで知ってるんだ!そこの侍女ズ。)
あらら、ヒガさんの尻尾ブワッとふくれちゃった、びっくりしたんだね。
変な気配するなと思って様子を見てたんだけど、まさかの姫様登場とは。
ヒガさんもシキさんも気づいてなかったのかな?
僕は、てっきり護衛とは別に、監視でもついてるのかと思ってたのに。
「これはご丁寧に。こちらこそご挨拶がおくれました。夜空と申します。オルゴールは、気に入っていただけましたか?」
すごくきれいな子だ。これで7才、しっかりしてる。
こんな所までやってくるなんて、見た目と違って行動的な子だね。
後ろに控えてる侍女達も、よくもまぁ、こんな所に姫様連れてこようと思ったね。
「はい、とても!母や兄たちにも自慢いたしました。あの様な美しく繊細な物をお作りの『黒』の賢者様に是非ともお会いしたく、侍女達に無理をいいました。・・先触れもなく無作法な真似をいたしました。お許し下さい。」
始めは堂々としてたのに、だんだん声が小さくなっていく。
ん?後ろの侍女がカンペ出してた来たよ。え?こっちの世界にもカンペあるの?
【夜空様 姫様もお茶に誘って下さい】
【姫様 お友達募集中です】
【姫様 頑張ってる!お願い】
僕はあっけにとられる。
カンペでお願いって・・。
ヒガさんとシキさんをみれば、盛大に顔が引きつっていた。
かなり癖の強い、面白い侍女達に囲まれているんですね姫様、これは毎日楽しそう。
後ろのカンペに気づかない姫様は困惑気味だ。
「あー姫様。ここまで出向いてもらって申し訳ないので、よかったら一緒に召し上がっていかれますか?もちろん後ろの侍女さん達もご一緒に。但し、ここはヒガさんの秘密の場所ですから、他の人には秘密ですよ。」
姫様達の緑茶を用意しなくちゃ。
「よろしいのですか?」
姫様の顔がパアァっとほころんだ。
侍女達は目にも止まらぬ速さでカンペを片付け、姫様の席を流れる様に整えだす。うーん優秀。
「若草色の美しいお茶ですこと。風味もさわやかですわ。」
「お口にあって良かったです。緑茶と言います。茶葉は紅茶と同じ物です。緑茶は、紅茶を作る前の、加工段階のものなんですよ。」
「まぁ、これは紅茶と同じものですか!夜空様は博識でいらっしゃるのね。」
「夜空様、大変おいしいです。レシピをお教えください。」
「このお茶まわしていただけます?」
「ヒガ様すねないで。別のいい場所教えますから。」
・・・自由だね、侍女ズ。
和気あいあいとお茶を楽しみ、姫様からは次回のお茶の招待を受けた。
「では、お待ちしております。」
しずしずと藪の中に姫様達が帰っていく、うーんシュールだね。
結果、食事どころではなくなったヒガさんとシキさんには、お持ち帰りを渡しました。
又、差し入れするから、くじけないで!
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