現実世界でスキルに目覚めた僕の日常は日常でした。

1話

「まさか現実世界でスキルに目覚めるなんて！」

僕は普通の高校生、何を持って普通と言ったらいいのかはわからないけど、まぁ特に親がお金持ちだとか、武闘家の親を持ち子供の頃から鍛えられていたとか、実は忍者や陰陽師と言った特殊な家系に生まれたわけでもないが、僕が普通の高校生だったのはさっきまでだ。たった今、僕は普通の高校生ではなくなってしまったのだ。

「まさか現実世界でスキルに目覚めるなんて！」

なぜ僕が普通の高校生ではなくなってしまったのかそれは、先程から僕が壊れたカセットテープのように繰り返して言っているようにスキルに目覚めてしまったからだ。ゲームの話や厨二病の設定とかでは決してない。まさにリアルでスキルに目覚めてしまったのだ。

「はっ！もしかしてこれは夢ッッ！」

ここで僕はある可能性が残っていることに気がついた。それは夢オチである。なので僕はこれが夢の中なのかを試すためにほっぺを抓ってみたり息を止めてみたりしてこれが夢の中なのかをそれとも現実なのかを確かめてみた。

「うん、痛いし、しんどい」

これは僕の持論なんで正しいのかあっているのかなどは分からないけど感情が高まった時に人は夢から覚めると思っている。そのためほっぺを抓ってみたり息を止めたりして感情を高めさせることによってもし夢の中にいたとしたら夢から覚めることが出来ると考えているのだ。これは怖い夢を見た時に試したことがあってその時は夢から覚めることが出来た僕の実体験からくる持論だ。

「うん、よし、これは現実での出来事だな」

そうして僕は本当にこの出来事を現実世界での出来事だと認めることが出来た。

「ふぅ～なんか疲れてるし少し落ちつこっと」

なんだが体がだるく感じたので一息つくために布団に転がることにした。そして何も考えずぼぉーっとして一息つくことにした。これが僕にとって1番休むことが出来る状態だ。誰にでも出来そうだがこよ何も考えずぼぉーっとするのが意外と難しい。

「うん、なんか落ち着いたな」

ぼぉーっとすること1時間が経ちようやく意識を取り戻した。ぼぉーっとしていたら時間の感覚とか分からなくなり気がついたら1時間と言うのはざらにあったりする。

「僕が目覚めたスキルは『ガラドボルグ』か、かっこいいな」

ぼぉーっとすることで気付かないうちに興奮していた心も落ち着き、冷静になることが出来た。そして僕は目覚めたスキルについて調べてみることにした。何かこう念じるだけで目覚めたスキルについて詳しく知ることが出来るのだ。理由はもちろん不明だ。

そうして念じることによって分かったことをノートに書き写しまとめてみることにした。


スキル名：『ガラドボルグ』

能力：《聖剣召喚》《雷纏》《遠雷》《瞬雷》


《聖剣召喚》：聖剣『ガラドボルグ』を召喚することが出来る

《雷纏》：雷を纏うことができる

《遠雷》：雷を落とすことができる

《瞬雷》：自身を雷とすることで素早く移動できる


これが今僕が知ることのできる全てだ。

「うん、なんとなく予想はできるな」

スキル『ガラドボルグ』には四つの能力が備わっていた。まぁどれも分かりやすい名前でなんとなく予想は出来る。なんだって僕は厨二病真っ盛りなんだから。こういった能力が使えたらと言う時に一度は思い浮かべた時がありもう予習済みだ。

「早速試しに行ってみるか？」

能力がどんなものなのかは予想できるが威力や能力を使用できる回数など試して見なくては分からないことがたくさんあった。まぁこれが日常の中で使う機会はおそらくないだろう。だからと言って試さないと言う選択肢は僕にはなかった。なぜなら僕は厨二病なんだから！

「人目がつかないところあったかなー？」

能力を試すに当たって僕は人目のないところを探すことから始めた。誰かに見られてしまうとめんどくさいからである。確かに誰かに自慢したいと言う欲求はなくにもない、だがそれ以上に人に騒がれるのが苦手で嫌いなのだ。もし僕が得たスキルは大人になると誰もが獲得するもので大人にになるまで秘密にされてきたとかなら別に人の目を機にする必要もないのかもしれないが、おそらくそれはなさそうだ。だから僕が得たスキルが珍しいもの、もしくは僕だけが得たものだとしたら、おそらくいや、確実に騒ぎになるだからこそ人目がないところを探す必要があった。

「いざ探してみると意外と見当たらないもんだな～」

僕は人目のつかないところを考えて見た。アニメや漫画のように近くに森なんてないし、路地裏と言うのもあるちゃあるのだが人目につかないかどうかといわれれば怪しいものだ。こうしてどこかないかと探して見たがやっぱりどこも思いつかなかった。

「仕方ない、少し歩きながら探してみるか」

こうやって考えていてもどこも思いつかなかったので少しこの家周辺を歩いてどこかないかと探してみることにした。もしかしたら人目のつかないところが僕が知らない、もしくは思いつかないだけなのかもしれないとそう思ったからだ。

「そうと決まれば早速着替えるか」

このパジャマの格好ではさすがに外に出るのは寒いと判断したので着替えてから家の外へと出ることにした。