灰燼戦記

天緒amao

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鳥の章

花弁に溺れる

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 不幸の兆し運ぶはとりの定めかな



ーー幻滅しました?…そうですよね。…こんな醜い人間、関わるのも嫌でしょう?

 何度も何度も反芻はんすうする。

ーー箱入り娘のあなたは、素晴らしい人ばかりと関わっているのでしょうから。

 俺は、吐いた言葉の全てにひどく後悔していた。彼女を遠ざけるだけで良かったのに、不用意に傷付けて、怖がらせて……、仄暗く染まりゆく茜色の空が、俺を睨みつけるかのように重かった。
 俺と王女はたった十日しか関わっていない。その一日も、数刻程度しか喋っていないのに。
俺はあなたを心から愛していた。愛してしまっていた。

 …ああ、今日だ。きっと今日なのだ。
そうでしょう?
今日死んでしまおう。
 地獄で父上に会ったら何と言い訳をしよう。敵国の王女に恋をし、振られてしまったので死にました?…なんて無様な男なんだ。死ぬ時までも格好がつけられない。

あの時、…ニトラド戦争で旗手として先陣を切ったとき、
花居はなのい事変で初めて人を殺したとき、
フラウ大戦で狙撃されたとき、
あの時、あの時、あの時、あの時、
…………オーレノルム占領の決定を下したとき、死んでおけば良かった。

 どんどん重くなっていく足を引き摺りながら、そのまま近くの森の河へ向かった。…ロゼリアの河は、烏の国の……というより、帝都辺りの都会の川よりずっと澄んでいる。勾配は険しく、岩は多い。
 …あの澄んだところ、この地形だ…深いな。しかし、この辺りの植生は面白い。烏の国とは違う。人の手の加わらぬ自然の、何と美しいことか。
 …違う、そんなことを考えていては、また死ぬのが怖くなる。耳を澄ませば川の流れる音が戻った。こんな距離の音すら聞こえなくなるほど、俺の心はここに無いのか。あの時戻ったと思っていたのは、勘違いだったのだろう。
 いや、心など元より……。
 浅瀬に踏み込み数歩、歩みを進める。足がさらに重くなった。小さく息を吐く。

「…入水じゅすいなさるのですか。素敵でございますね、牡丹様。葵もご一緒致します。」
 声に驚いて振り返る。葵だ。そして息を吸う間も無く、葵は走って川に飛び込んだ。すると、どぷんと音を立ててその華奢な身体は深く沈み込む。

「葵ッッ!!!!」
 急いで浅瀬を走り、流れる葵より五歩先を目掛けて飛び込んだ。そして、抱え込むように強く抱きしめる。思いの外水圧が強く、上に浮かび上がることすら叶わない。あちこちに体をぶつける。痛い。身投げというものはこんなに痛いのか。なぜ葵がここにいる。なぜ俺より先に飛び込んだ。死ぬな。なんであなたが身を投げるんだ。死ぬな、俺の我儘のために死なないでくれ!

 ああ、この河はどこへ向かうのだろう。もし叶うのなら、どうか彼女だけは生かしてくれまいか。






「痛ッ………」
「牡丹!!」
 目が覚めた。ここは地獄ではなさそうだ。まだ生きているのか?無理やり体を起こすと、目の前には楓がいた。
「楓……少佐。」
「……身を投げる葵ちゃんを守ろうと、お前も飛び込んだらしいな」

 ………………今。何て。

………身を投げる葵を守ろうと?…俺がか?

「…その話は誰に………!」
 さらに身を楓に寄せようとすると、楓はやっぱりかと呆れたような顔をした。
「じゃ無いよな。逆だろ。お前が先に身投げしようとしたんだ。そのお前が何で葵ちゃん抱いてっか知らないけど。」
 全身から血の気が引いていくのを感じた。おそらく葵が話したのだろう。無事なのか?…だって、それ以外にこの顛末を知る者はいない。証拠もないのだから立証のしようもない。葵がそう言えば、俺が起きるまではそうなのだ。…俺のせいで、世間からの彼女の認識は『鐵大尉の足を引っ張る許婚』なのだから、信憑性も高かろう。
 全部俺が悪いのに

「…人払いしてくる。の間にお前は葵ちゃんと話せ。」
 ぱたんと音がして、気がつけば楓が外に出ていた。
 …彼女は生きている。そして、話せる状態なのだ。良かった。いや何が良いものか。お前のせいで死にかけたんだ。
 死んで詫びなければ。…死んで詫びる?それじゃ、俺の望み通りだ。でも永らえたって何の罰にもならない。俺はそのうち全て忘れて、幸せに生きようとしてしまう。どうすれば……

 そんなことを考えている内に、扉の開く音がした。葵だ。生きている。良かっーー………
 しっかりと顔を見て気がついた。…頬に、傷がついている。鼻の横から頬骨あたりにかけて、斜めに傷がついている。決してそこまで大きくもないが、小さくはない。遠くてもきっと目立つ。
 『男の傷は勲章、女の傷は欠点』…。真っ先に頭に浮かんだ。俺の嫌いな価値観だ。男も女も傷など付かずに済むなら無い方がいいし、かと言って傷が付いたくらいで人の価値は下がらない。そもそも、女性、いや、人間の価値は顔ではない。
 しかし、傷のある女性が生きづらいのは事実だ。烏の国の、それこそ帝都の人間たちは、その歪んだ価値観に侵されている。俺はどのみちこの戦で死ぬ予定だったというのに、どうすればいい。
 この後独り身に戻る彼女に、傷をつけてしまった。きっと、誰か他に愛する人がいるであろう彼女に。

「……俺は……なんて事を…………!」
 自分の我儘に巻き込んで命を危険に晒したどころか、彼女の顔に傷まで付けてしまった。格好がつかないどころではない。どう償えばいい、どれだけあなたに迷惑をかければいいんだ俺は!!
「……頰の傷のことでございましょうが、そんな事はどうでもようございます。顔や傷やらを気にするような方は、元より好きにはなれません。」
 口を開いた葵の声は、いつもより優しく、かつ力強く……そして、怒っていた。
「…なぜ身投げなどという考えに至ったのです。何が、牡丹さまをあの場所へ導いたのです。」
「……そんなことは…」
「そんなことではありません!!」
 葵は声を張り上げた。見上げると、その瞳には涙が溜まっている。また震えながら息を吸い、
「…わたしはずっと、一番近くで牡丹さまのことを見て参りました。誰よりも優しく、誰よりも他人を想う牡丹さまのことを見て参りました!!…牡丹さまがもし、自ら死をお選びになるとするのなら、……きっとそれもまた、誰かを想って…誰かのために、償いだとでも言うかのように死んでしまうのだと、ずっと思っておりました」
そう淋しそうに言った。
「…私はそんなに前から、死にそうでしたか」
 ぽつりと私が返すと、
「牡丹さまは、誰よりも命の価値を分かっていらっしゃいますから…」
…葵も力なく返した。
「……私がずっと、敵国の女性に恋をしていて……、…隠していた浅ましい部分を知られてしまったからだと言ったら、…くだらないと嗤いますか。…ふざけるなと怒ってくれますか。」
「…嗤いませんとも。…あなたを責めたりもしません。」
 微笑んでくれた彼女を心の底から愛しいと思った。これが恋であったら、どれだけ丸く収まることかと、また少し哀しくなった。

「……あなたに恋をすれば良かった。…敵国の、ましてや…あの人に恋などしたのが悪かったのでしょうね。…私には、立場をなげうってまで人を愛する器量も、その権利もないのに…」
「大尉ともあろうお方が自死をなさるのは、立場をなげうってはいらっしゃらないと?」
 …葵は、俺を大尉などと持ち上げる言い方はあまりしない。いつもと雰囲気の違う言い回し。
「……やっぱり、怒っておられませんか」
「…少しは。わたしに相談もして下さらず、挙句一人で死のうとなさったのですから。」
 ふわりと悪戯っぽく笑った彼女に何も言い返すことができず、ここまで頭のいい女性がどうして俺を庇うのかますます不思議に思った。
「助かったのは本当に、運がようございました。」
 そうだ、運が良かっただけなのだ。それこそ何の訓練もしていない葵が、もし一人で流されていたら。
「……なぜあの時、私よりも先に飛び込んだんですか。秋の河で、ましてあの勾配で、命の保障など……!」
 俺が声を上げると、葵はくすっと笑ってから言った。
「そうでもしなければ言い訳が立ちません。それに、わたしの命が危うくなれば、牡丹さまは自分の願いよりもわたしの命を優先なさるでしょう。生きたいという希望を持った人間の方が、生き残る確率が上がるという迷信がございまして。」
 …あの局面で、そんなことまで考えて。…葵は恐ろしい。誰よりも頭が良く、他人のために命をかけることができ、…他人を心から信用することができ、…俺を立てつつ守ることまで考えられる。慎重で堅実だが大胆で挑戦的。こんなに出来た女性が、俺如きのために命をかけてくれる。この幸福をもっと有り難がらねばならない。
 俺が死のうとすれば、葵は何の躊躇いもなく自分の命を天秤に乗せる。ならば、俺はどう生きればいいのだろう。
「…俺は、俺はどうするべきだったのでしょう。」
 不意に口をついたその言葉。縋るような気持ちもあったかもしれない。彼女なら最適解をくれるのではないか。そんな期待を持っていた。
「今からの話でございますが、逃げてしまえば良いのではないでしょうか。…牡丹さまは、鐵牡丹大尉としてのご自分をさぞお嫌いなことでしょう。ならば、ここに留まる必要などのうございます。戦乱に乗じて、その方とお逃げになってはいかがでしょう。オルガンシア王国などは亡命に適していると思いますよ。ここ千年、一度も戦争のない国です。」

 先を読んでか説明してくれたその国は、軍で幾度か聞いたことがある。…オルガンシア王国。我が国との同盟を拒み、敗戦国や平和主義国家のみと関わっている。世界最強とすら謳われる戦力を持ちながらも、その軍を国防にしか動かさない。正に善を体現したような国。この国とは対極の存在にある。
 確かに、亡命には適していると思う。広大な土地ゆえに、郊外の警備や関所などは殆ど無く、税制も言ってしまえば緩い。居着くことができれば、その地で永らえることは簡単であろう。
…しかしだ。
「…彼女が応じてくれるとは思えません。」
「そんな訳がございません。」

「私を平気な顔で許すな!!我儘にあなたの命すら危険に晒し、自らの立場も弁えず亡命など企てる愚か者を!!たとえあなたが許しても、俺が絶対に許さない!!まるで希望があるかのように、まるで俺にも救いがあるかのように物を語るな!!」
 堰を切って出た言葉は、溜めていた本音は、留まることを知らずに流れ出続けた。
「俺は彼女を突き離したんだ!!彼女の純真さが好きだったのに、全部台無しにするみたいにっ…包み隠さず全部言ったんです!!最後まで歩み寄ろうと、頑張って笑顔でいようとしてくれた彼女の心を踏み躙ったんです!!それを、彼女が理解して許してくれるかのような……そんな優しい言葉で、俺を…………」
 葵の優しさが辛かった。葵の強さが怖かった。最後まで諦めるなとでも言うような、そんな考えが大好きで痛かった。何度も救ってくれたその言葉を、俺はまた遠ざけようとしてしまう。あなたが信じてくれた俺を、俺は信じられないのです。
 今にも泣き崩れてしまいそうだった。その俺の手を、葵がゆっくりと取って近づけた。
「ならばもう一度、包み隠さずお話なさいませ。葵は牡丹さまのお味方です。たとえその方と添い遂げることが叶わずとも、あなたがここから、からすの国から逃げ出したいのなら、幾らでも助力いたしましょう。」
 王女と添い遂げることが叶わずとも。俺がここから逃げ出したいのなら。

「…どうしてそこまで、して下さるんです…」
 ぽたぽたと無機質な床に涙が落ちた。母以外の女性に縋って泣くのは初めてのことだった。
「わたしたちは、…恋仲ではございませんが、ずっと二人で生活してきましたのですから。親しい人の力になりたいと思うのは、当然の感情にございましょうに。」
 秋の風が吹きつけた。ベルタの風は、からすの国より柔らかくて冷たい。でも、ロゼリアのー……あのフォルテフィアの平原の、潮風の混ざった淡くて優しい風とは違う。揺れる医務室のカーテンが、俺を慰めるかのように思えた。

「…ありがとう、……でもまだ勇気は出ません。」
「良いんですよ。ゆっくりお考え下さい。葵は部屋に戻りますので、上官方ともちゃんとお話なさいませ。…あくまで入水じゅすいを図ったのは葵だとお通し下さいね。」

 また音がして葵が部屋から出ていった。俺は床に零れた涙を隠すように靴を置き直して、再びベッドに寝転んだ。





 いつもより袴が重い気がしてならない。河に入った時の方が、確実に水を吸って重かったと言うのに。
右の頬に手を触れる。傷は治りかけが一番痒い。瘡蓋かさぶたの端に指を引っ掛けて、やめた。『女の傷は欠点』らしい、治らなくもないだろうが、瘡蓋かさぶたを弄ると黒ずんで痕が残る。きっとお父様は怒るだろうな。わたしにも牡丹さまにも。四年来の許婚が亡命だなんて、怒り狂って暴れてしまうかもしれない。どうしようか。
 扉を開けて入れば、また飾り気のない部屋。普通の歩兵隊舎よりは幾許いくばく広いが、二人の部屋には普通くらいか。誰の視線もないと思うと、すぐに目頭が熱くなって、一筋、涙が溢れ出た。

「………あぁ……わたしが一番、…愛しているのに。」
 きっと醜い思い上がりであろう。頭では理解していようとも、心では受け入れられずいつだって言い訳として使ってしまう。『なぜ牡丹さまがわたしを愛してくれないのか』?…明白だろう、わたしが『他人を恋愛的な意味で好きになれたことが無い』と最初に言ったからだ。…変えたのはあなたなのに、なんて言い訳は使い物にもならない。

 素で他人に好かれる人間が嫌いだった。わたしがそうではないからだ。嫌いというより、単なる嫉妬。きっとそうなのだろうが。だから綺麗で慎ましやかな同級生達がどうにも好きになれなくて、女学校でも本当の意味で馴染むことはできなかった。何も隠さずとも生きていける、誰かに愛されることができる人間が心底腹立たしかった。だからわたしは、人一倍他人に優しくして、学業にも励み、誰かに囲まれて生活できるように気を配った。何もかも好きでも得意でも無いくせに、完璧を目指していたのだ。
 わたしは幸い、頭が悪いと言うほどでもなかった。母上に似て、心を圧し殺すことも苦手でなかった。だから、殿方に声をかけられることもあった。
 …でも、全員気持ち悪くて関わりたくなくなった。…透けて見えるような下心。自分なら、という下卑たプライド。女を、わたしを下に見るような言動。その無駄に大きい体のどこに、物を考える器官があるの?全員わたしより頭が悪くて、のくせに歪んだ性格を隠す努力もせず、言葉を選ぼうという意思すら感じられない。こんな生き物に、どう期待しろと言うのだろう。だから、あまり他人が、男も女も好きじゃなかった。

 牡丹さまだけは違った。常に自分に非があるものとして物を考え、自分の歪みを恥じ、包み隠そうとし、相手を傷付けることを嫌がり仲の悪い相手すら遠ざけられない。最初は愚かだと思った。偽善者ぶっているのでは無いかと思った。でも共に生活しているうちに、誰よりもわたしを思い遣ってくれることに気付いたんだ。
もはや嘘でもよかった。そういう優しい嘘を吐こうと思える人が、私は好きだったから。

 この先一生を賭けて誰かを立てるなら、この人がいいと思った。この人のためにと、少し寛容になった。他の人達も好きになれるようになった、本当の意味で優しくしたいと思えるようになった。友達が欲しいと思った。
 わたしが一番この人を理解できて、わたしが一番この人を許して、愛せると思っていた。

 でも、わたしは、牡丹さまを一番幸せにできる人じゃなかった。

 溢れる涙が机に落ちた。それがじわっと染みてさらに辛くなった。
頑張って声を殺して泣いていると、扉が開く音がした。

「やっほー、葵ちゃん。」
「楓さま……」
「…牡丹に新しい好きな子出来ちゃったんだってね。…大丈夫かなと思って、来た」
 楓さまがわたしの肩に手を触れた。
「触らないで下さいまし。…わたしが、慰めて下さったからと言って、あなたさまを好きになるようなことはございません。」
 下心は感じていなかった。強がりで言っただけだった。楓さまが不快そうな顔ひとつしないのに無性に苛立って、さらに言葉を続けようとした。
「葵は、牡丹さまのー……」
 牡丹さまの。…牡丹さまのなんだ。体裁上の許婚なだけだ。わたしは、あの人を幸せにも出来なければ、愛して頂くことも、全てを理解することさえもできていなかった。わたしは、牡丹さまの何なんだ。
 虚しくなってさらに泣いた。
「……俺はね、弱った葵ちゃんの心につけ込もうなんて思ってないよ。…牡丹のこと嫌いにならないでって言いに来ただけ。……俺が好きなのは、牡丹のことが好きな葵ちゃんだから。」
 …だまれ、だまれ黙れ黙れ。そんなことは言われなくても分かっている。わたしは牡丹さまのことを嫌いになんてならない。なれない。だから辛いんだ。…ただ、羨ましかっただけなんだ。あの人を、牡丹さまを幸せにする方法を知っているその方が、心の底から妬ましかっただけなんだ。
 牡丹さまが幸せになるならその方がいいと思っている自分に、腹が立つのと、褒めてあげたいのと、もっと沢山の気持ちがぐちゃぐちゃになって泣いているだけなんだ。
 この終わりの見えない涙が全て洗い流してくれたなら、どんなに楽なことだろう。自分で選んで言ったはずの言葉の全てが、刺し傷のように痛む。押さえても痛みは止まない。痛い、痛い…痛いんだ。

 ーーああ、善い人になりたい。
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