灰燼戦記

天緒amao

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鳥の章

息、賭し、生けるもの

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「失った信用の取り戻し方、知ってるか」
「いや知ってるわけねーじゃん…取り戻すも何も誰からも信用されたことないし。なんで俺に聞くんだよ。」
 そうだよな、お前はそう言う奴だった。深くため息を吐く。昨日…いや、昨日じゃないんだった。そうだ、今日は木曜日だ。俺は二日間寝ていて、昨日を経て今日だ。もう体に大したダメージはない。が、ローゼンテ侵攻までの俺の役目は、代わりに皇大佐がやってくれるらしい。
「そもそも誰から信用失ったんだよ。身投げするぐらい思い詰めるって相当だろ?えーと…………女?」
「お前、その勘の良さをなんで良い方向に使えないんだよ…」
 信用というのは、積み上げるのは難しいくせに、崩れる時は呆気のないものだ。本当にあっという間。言い回し一つで全てを失う時さえある。恐ろしい。この前あれだけ怖がらせておいて、一週間置いた程度で元に戻る訳がない。そもそも、次会うときに彼女が俺と言葉を交わしてくれるかもわからない、いや、会えるかすらわからないというのに。あの時はあれが最善だと思っていたんだ、信じて欲しい。…誰に言い訳をしているんだ、つくづく俺は中途半端な男だ。
 一ヶ月後にローゼンテヘ攻め入る。その言葉の重さに、今の今気が付いた。脅しじゃないんだ、本当に攻め入らなければならない。俺がもし上に掛け合って、戦争を止めることができるならば、彼女は俺を許してくれるだろうか。…そんなわけはない。脅しとして戦を使った男だ、許されるものか。
 『私』が俺に言った言葉を思い出す。

 …捕虜にでもすれば、全てが平和に終わったのではないか。

 そんな。俺が間違えたから今の現状がある、それは間違いない。でも俺に王女を傷つけることなど。いや、いっそ王女に全て話して協力してもらうか?
 …だから、なんで俺は毎度彼女が許してくれるかのように考える。馬鹿なのか?希望はないんだ。少したりとも。一寸の光もない。愚かだ、お前は脆い、たった二ヶ月半だぞ。そんな人に……そんな人を、ここまで俺は信じている。縋ろうとしている。本当に惨めな男。彼女と話していた時だってずっとそうだ。ずっと、『貴方は善人だ』と言って貰おうとしていたじゃないか。まるで餌を強請る犬のように、ずっとずっとずっと。気持ち悪い。自分に吐き気がする。

 突然、息が詰まった。なんだ、肺が酸素を取り入れるのを拒んでいる。喉が閉まる。息を吸え、息を吸え、吸えっ、これは駄目だ、肺がどんどん空になる。
 楓が俺を抱き寄せた。俺の片耳が心臓付近に来るように。鼓動は聞こえない。そんなに冷静じゃない。
「落ち着け、俺がいる。俺の音聞いて。」
 頑張って聴覚に集中する。微かに心臓の音が聞こえる。
「…そう、背中叩くから呼吸合わせて」
 とん、とん、と一定のリズムで背中に小さく衝撃を感じる。できるだけゆっくり息を吸う。吐く。そうそう、上手、と声をかけられる。すう、はあ、少しずつ息が落ち着いてくる。まだ浅い。ゆっくり、深く。
「………すまん」
「お前さぁ、いつか一人で死ぬんじゃないの?」
「…独りで死ねたら、幸せだよ」
 誰にも知られず、ひっそりと、ゆっくりと、海辺の砂になっていく。そんな死が欲しい。
「葵ちゃんがいるくせに」
 ……それは、俺が一番思っている。


 限りある選択肢の中で、俺が選んだものは、彼女にはもう二度と合わないことだった。簡単だ、あれだけ傷つけて、実際今からさらに踏み躙ろうとしているのだ。会わないほうがいい。今度こそ、これが最善だ。そもそも俺は、この戦場で死ぬのだから。
 …もし戦いの最中彼女に出会ったら、俺は踵を返して逃げ戻り、そして誰か、そう、からすの国を愛する真っ当な者に殺してもらう。出会わなければ、戦争が終結した瞬間に自害を。普段は使わないが、俺は念の為にピストルを常備している。刀で腹を切るのも頸動脈に一筋切れ込みを入れるのも痛いだろう。長いだろう。もしかしたら助かってしまうかもしれない。だが、頭蓋に二発弾丸が入れば別だ。かなり高い確実で死ぬことができる。理想の死とは程遠いが、どの口がそのようなことを申せようか。
 そしてもし、もしも。ロゼリアが勝ったなら。俺は自死など卑怯な真似はせず、牢の中で刑を待とう。軍人の恥だと罵られるだろうな、それも構わない。悪くない。俺を殺すのはあなただといい。いや、俺の死に目など視線の端にも入れてくれなくともいい。王女としてしたたかに生き続けてくれれば、それでいいのです。変でしょうか。これでもあなたの幸せを願っているつもりなのです。生まれる国が違えば俺は幸せに生きられたのでしょうか。答えないで。
 …諦めきれない。どう足掻いても醜い男。その使えない頭を必死に絞って、出した答え。日曜日でなければ、彼女もきっと平原には来ないだろう。土曜の朝、一瞬だけ、少しだけならば、一人で感傷に浸っても罰は当たるまい。会う気はないんだ。出会うわけがない。いつもは日曜の三時位から会っていたんだから。曜日も時間も違うんだから会うわけがない。それこそ期待のしすぎだ。そうだろう?
 彼女に会いに行くわけじゃないのだから、流石に誰かが許してくれる。
 きっとそう。…ほんとうに?





 こんなに静かで、穏やかな場所だっただろうか。ここは。素晴らしい場所だと言うのは間違いない。この静けさが好きだったはずなのに。ただ、幸せで暖かなイメージを持ちすぎている。最初から何も得てはいなかったというのに、ひどく喪失感を感じる。この場所に一人いないと言うだけで、こんなにも胸が締め付けられる。悲鳴を上げたいのは彼女の方だろうに。騙されたのだから当然だ。可哀想に。俺だって騙す気はなかったけれど。でもそんなことは関係なかった。
 痛い、許して、ごめんなさい、騙すつもりなんてなかったんです。あなたと喋るのが楽しくて。この幸せを捨てる勇気が出なかっただけなんです。愛してる、生まれた国なんて関係ない、あなたといられて幸せだったんです。………そう言って泣きつくべきだったのかもしれない。どんな言葉を紡いだって結局それは全てが言い訳で、彼女の善性を利用した俺の自己満足にしかならない。やはり、喋らないことが最善だったのだ。
 冷たい風が目を覚まさせてくれる。寒い時期特有の、透明な明かりが俺を刺す。踏みしめる地面はいつもより硬く感じる。ふわふわになっていた俺自身のことを強く再認識させられたからだろうか。
 記憶。追憶。追悼。…誰が死んだ。俺が二人死んだ。完璧だった鐵牡丹大尉も、優しい旅行者牡丹ももういない。俺はなんだ。俺は何なのだろう。何もない。後悔しか持っていない。こんなに強く後悔しているのに、お前は戦争を放棄しようともせず、また先頭に立って人を殺すのだろう?
 頬を冷たい情熱が伝った。また俺から何かが減っていく。苦しい。本気のつもりだったのに。確かに俺は彼女を想っていたのに。
「…どの口が、彼女を想っていたなどとほざく……」
 心と頭と喉がそれぞれ違うことを考える。引き裂かれるような。俺はその場に膝をついた。肺に流れる空気に酸素が含まれているか怪しい。確かに息を吸っているのに、どんどん喉が閉まっていく。苦しいが、物理的なものじゃない。うう、と声が溢れる。涙は拭うほどに流れ出た。
 ああ、陽の光が痛いよ。自然だけは俺を肯定してくれると思っていたのに。全ての生が俺を否定しても、静かにそこにいてくれると思っていたのに。こんなに眩しい。王女と同じくらい。ああ、痛い、痛い、痛い!誰か赦してくれよ。全部俺が悪かったけど、また間違えてしまったけど、こんな状況でもまだ彼女が好きで仕方がないけど、それでも俺を赦してくれよ。少しくらい報われてくれてもいいじゃないか。悪かったから、謝るから、お願いだから赦してくれよ!!
 枯れかけの草が踏まれる音がする。四足ではない。人だ。

   ーーー牡丹様。

 聞き覚えのある声で名を呼ばれた。顔を上げると王女がいる。……そんなわけがない。しかし幻にも見えない。震える喉で名前を呼ぶ。現実であれ。現実であれ!!

「…シャルルロッテ王女………」

 世界から、かけらも残さず色が消えた。その全ての彩りを彼女が占めている。金の髪が陽の光に捉えられて煌めく。あの日のように揺れている。そう、あの日のように。なぜ、いるのだろう。今日はまだ土曜日なのに。彼女は少し微笑んでいる。そしてゆっくりと膝をつき、俺の目の前に座った。彼女と向き合って座るのは、思えば初めてのことだった。
「……なぜ、………私は…、私が言ったことは、全て本当の、違うんです、私は、俺、あなたの…………」
 考えていることの全てが、断片的に喉から溢れた。何を言っているんだろう。喋りたいのに。
 膝が触れ合った。優しく引き寄せられ、抱きしめられる。ぎゅうと音が出るくらいにだ。さして強くはない力、けれど確かに、強く抱きしめられているとわかるくらいの力。涙がさらに押し寄せて、ぼろぼろとこぼれ落ちる。彼女のワンピースにいくつか染みができてしまった。ごめんなさいと、独り言くらいに口走ったのを皮切りに、何度もごめんなさいと言葉が流れ出た。俺も彼女を強く抱きしめた。痛いでしょう。ごめんなさい。でも今だけは受け止めて。今だけで、今だけでいいから。
 はっとして、ゆっくりと彼女を引き離す。腕に彼女の温かさがかすかに残っている。
「…やめてください…、私は、敵の軍人です…!」
「私だって、敵国の王女ですわ。私に最初に優しくしてくださったのは、牡丹様でしょう。」
 優しくしたんじゃない。俺は俺のために、ただ保身の一心で、あなたと関わっていたんです。なんであなたまで俺に優しくするんですか。
「私を愛していたとあんな顔で言う人を見捨てるだなんてできません。私も、牡丹様を愛したい。」

 俺はこんなに泣くのか。涙脆くなったのか、そうじゃない。葵に泣きついたあの時に気づいてしまった。誰かに縋りたい。認めてほしい。醜い部分も全部、全部含めて俺なんだ。矮小で脆い、その俺を愛してほしい。強く思った。
 溢れたそばから拭う。拭っては溢れる。視界が揺れる、滲む。頭が痛い。
「諦めたくて来たんです。でも謝りたくて来たんです。あなたの純粋さに惹かれていたのに、その全てを貶して、やっぱり俺はあなたと関わるべきじゃないんです。穢してしまう、あなたを完璧に愛することなどできません、俺は絶対に間違えるから!!」
 擦り切れた耳介が捉えたのは、紛れもない自分の声だった。
 もっと上手に誰かを愛せたなら、こうはなっていなかったのだろうか。いや、もしそうでも結局俺はどこかで間違えただろうな。あぁ、羨ましい。健全に誰かを愛することができるあなたが。恵まれた誰かをきっと祝福することができるあなたが。こんな醜い人間に情けをかけようと思うことができるあなたが。羨ましい。俺にはないものを全て持っている。
 そして彼女は少しだけ重そうに口を開ける。
「私だって間違えました。…だから今、こんなに貴方を苦しめているのでございましょう。」
 彼女は涙を流していた。
「……あなたのせいじゃない。…私の苦しみは、いつだって私のせいです。」
 泣かせてしまった。全ては俺のせいだというのに。彼女の善性は恐ろしい、なんで全てを自分のせいにしたがる。ごめんなさいと呟くと、なぜ牡丹様が謝るのですかと彼女はさらに泣いた。
 俺たちはしばらく泣いていた。それぞれの年にして見合わないコミュニケーションを続けていた。


 気づけば時は、そろそろ真昼間に届こうとしていた。俺は地面に横たわっている。涙はもう出ない。寒さと、泣き腫らしたせいで頭が痛い。子供の頃より泣いたな。十七で父の訃報を聞いた時よりも。
「…どうすればいいですか……」
「何をでございましょう。」
「本当は……いつか会った普通の人としてあなたに忘れられたかった…」
 今考えると卑怯にも程がある。善人のまま消えようだなんて、そんなことは最初からきっと無理だったはずなのに。
「…傷つけようだなんて思っていなかったんです…私は、本当にあなたのことが好きで………、…遠ざけることができれば、それで良かったはずなんです。」
ゆっくりと起き上がり、すでに見慣れた平原を見渡す。
「話に応じず、もう休みが終わるとでも言えばよかったのに。あなたに聞かれて何故か答えてしまいました」
 ため息。
 その場凌ぎの言葉で良かったんだ。あぁ、また間違えた。ゆっくりと、俺が彼女の、彼女が俺の日常から消えていけばそれで良かったはず。あんなに怖がらせるはずじゃなかったというのに。
「私も、過剰に怖がってしまいましたわ。無理矢理聞き出そうとしたのは私の方だというのに、あんな反応をしてしまって、…本当に、申し訳ないと思っています。」
「あなたが謝ることではありません」
 言って目が合う。と、王女は少しだけ目を見開き、逸らした。必死に恐怖が顔に出るのを押さえているのがわかる。それもそうだ。彼女の傷は癒えていないのだろう。あれだけ言ったのだから当然だ。…なのに、少しだけ淋しい。俺の好意まで全て否定されてしまうようで。
「私のことは、…まだ、怖いですよね。」
 俺の言葉に、それはと強く返した彼女が愛しい。どこまでも俺に優しい。その彼女を傷つけた事実が、今更ながらどんどん痛む。
「……それは、牡丹様のことを、まだよく知らないから」
 悩んだ末に彼女は言った。
「私の話は沢山したけれど、牡丹様のお話は全然お聞きしていないから…」
「俺の、話……」
 俺が自分の話をしなかった理由。それは、あなたにこの醜い俺の全てを知ってほしくなかったから。
 話せば分かってくれますか。俺を憐んでくれるのですか?今度こそ本当に戻れない。俺はあなたを忘れ、戦場に限々ぎりぎりででもいいから立っていられるようにとここへ来たのに。今度こそ、あなたに本気で希望を抱いてしまう。絶望させてばかりの俺が、希望してばかりでいいのか?
「まだ、牡丹様のことは少しだけ怖いです。きっと事情もあって、私のことも考えてくださっているのだとは思います。…それでも、どうしても怖いのです…。…ですから…お話をするなら、…牡丹様の話をお聞きしたいのです」
 ふわりと笑いかけられた。あの日と同じ、自分の恐怖心を押し殺し、俺に笑顔を見せてくれようとしている。そんな顔はさせたくなかった。でも、そうしてくれることが心から嬉しい。もう手遅れ。
「…はい、喜んで。」
 俺の話。では何をしよう。誰かに自分のことを語るのは久々だ。だって皆、語らずとも俺のことを知っているのだから。あの国は気持ち悪い。生まれた日から学生時代の成績の数字まで知られている悍ましさ。彼女にはわかるだろうか。知られたくないところまで知られているあの感覚を。
 一息ついて話し始める。

「私は生まれも育ちもからすの国で、代々軍人の家系だったんです。」
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