4 / 19
いざ、開店!
しおりを挟む
しばらくすると、ベルがいくつかの荷物を抱えて戻って来た。
その量はあまりにも少なく小柄なベルでも一度に持てるほどの量だった。
…楽々と言った感じではないが。
「荷物ってそれで全部? 」
「はい。必要なのといっても着替えくらいしかなかったので」
どうやらベルは私物などはあまり持っていないようだった。
年頃の女の子なのでもっと可愛いぬいぐるみとか服とかを持っているものかと思ったのだが。
「じゃあ部屋まで持っていくね」
「わざわざすみません。ありがとうございます」
少なそうではあったが辛そうな顔だったので、ベルの代わりに荷物を持っていく。
持ってみると少しよろけてしまうほど重たかった。日頃の運動不足も相まって二階まで持っていく時は腕がもげるかと思った。
その後は特にすることもなかったので、いつもより早めに夕食を作り始めようとしてそこで気付く。
今日からはベルがいるので、一人分ではなく二人分作らなければと。いつもなら自分が食べるのだからと言って見た目などは気にせず作っていたが、ベルも食べるからには多少は良くする必要があるだろう。
「ベルって嫌いな食べ物とかある?今日はミートソーススパゲッティにしようと思うんだけど」
「えーと、特にないので大丈夫です」
好き嫌いはどうかと聞いてみたところ、どうやらベルには嫌いな食べ物がないらしい。
嫌いな食べ物があると気を遣う必要がありそれがわりと面倒だったので、好き嫌いがないことはアイクとしては喜ばしかった。
二人分のスパゲッティをいつもより丁寧に作り上げ、食卓に並べていく。
丁寧といっても魔道具を使っているので手間はたいしてかからない。こういった時に魔道具を使えるのはなかなか便利である。
並べ終えたのでベルを呼ぶ。いつもより味付けもちゃんとやって見た目にも気を付けたがどうだろうか。
二人で夕食をとるのは新鮮な感覚だった。以前はそもそもゆったり食事をする暇などはなかったのだが。
ベルが気に入ってくれるかどうかが心配だったが、どうやらお気に召したらしく、頬にソースがついていることに気付かないくらい夢中で食べている。
「アイクさん、これすごくおいしいです! 」
「それはよかった。わりと料理は得意だから食べたいやつがあったら言ってね」
アイクは昔から料理が得意で魔道具に頼らずともそこそこのものをつくることができる。
魔道具を使っているのは単なる時短のためだ。
「私これが好きなので今度また出してください」
「わかった。今度はもう少し多めに作っておくね」
思いの外たくさん食べてくれた。小柄な見た目からは想像していなかったので意外だった。
食後は早めにふとんに入る。
何せ明日はオープン初日なのだ。
さすがのアイクも初日から寝坊するつもりはない。
前の職場で初日に遅刻して一日でクビになってるやつもいたな、などと思いつつアイクは眠りについた。
次の日、ベルと二人で朝食をとり、開店準備を進めていく。
準備といっても魔道具を商品棚に並べるくらいだ。
前に考えた魔道具の他にも、様々な種類の魔道具を並べていく。
(オートフライパン→登録した料理を自動で作ってくれるぞ!)
(音声辞書→知りたい言葉を言うとその言葉の意味を教えてくれるぞ!)
(収納バッグ→見た目からの五倍くらいの物を入れられるぞ!)
(虫除けウェア→虫が一切近寄らなくなるぞ!)
(スピードシューズ→足が速くなってモテモテに!)
(強化手袋→力持ちになれるぞ!)
アイクが昨日使っていたのはこの『オートフライパン』というもので主婦達に人気の商品…となる予定だ。
開店数分前、さすがのアイクも少し緊張していた。心臓の音がかつてないほど鮮明に聞こえる。昔クソ上司、もといグリースに連れられて国王に謁見したときにもこんなに緊張はしなかった。
ベルはというとカウンターの回りをうろちょろしていて緊張した様子だ。…小動物みたいでちょっと可愛い。
午前九時。ついに開店時間になった。
しばらくして数人のお客さんが入ってきた。とりあえずお客さんが一人も来ないという事態は免れたようだ。
「いらっしゃいませ」
アイクとベルは順々に対応をしていく。練習したとはいえ初接客なので二人ともガチガチだった。
「浄水コップを三つくださいな」
「はい。三つで900エンになります」
「あら~安いのね」
などと会話がなされていく。
記念すべきオープン初日。なんと昼休憩まで客足が絶えることはなかった。
「思った以上にお客さん来ましたね」
「そうだな、想像以上だ。午後もこの調子で頑張っていこう! 」
「はいっ! 」
休憩時間が終わると、午前中ほどではないが、それでも何人かお客さんが入って来た。
入って来た人の中でもなかなかゴツい体格のおじさんはしばらく商品棚を眺めた後、アイクに声をかけてきた。見た目は完全にそこら辺のチンピラだった。
「なあ兄ちゃん。ここでは魔法剣は売ってねえのか?」
どうやらチンピラっぽいゴツいおじさんは魔法剣を欲しがっているようだった。
魔法剣とは普通の剣と違って特別な効果が付与されている剣のことだ。
例えば炎魔法が付与されたものや、使用者の身体能力を強化する強化魔法が付与されたものなどがある。
「実は材料が足りなくて作れていないんですよ。材料が手に入り次第、取り扱う予定です」
「そうか。材料ってのはなんなんだ?」
「どんな魔法剣かにもよりますけど、炎魔法のものならサラマンダーのうろこ、強化魔法のものならミノタウロスの角とかです」
「じゃあ兄ちゃんの店で素材の買い取りをやってみればいいんじゃねえか?大体の魔道具店はやってるし、魔物の素材もすぐ手に入れられる上、ギルドから仕入れるより安く済むぞ」
チンピラおじさんから意外な提案をされた。確かに考えてみると良いことづくめだ。
…もしかしたらなかなか知的なチンピラなのかもしれない。
「確かに良さそうですね。準備ができ次第始めてみます」
仕入れの価格は今よりも安く済むし、冒険者が来るとなれば売り上げも上がるだろう。
チンピラおじさんに感謝を伝えると、おじさんは満足そうに帰っていった。
その後も閉店時間まで客をさばき?続けた。
一日中慣れないことをしたのでアイクもベルもくたくただった。
ベルは立っていられないほど疲れたのか、床に座り込んでいる。アイクも耐えきれず床に座り込む。
「ベル、お疲れさま。大変だったでしょ」
「お疲れさまですアイクさん。お客さんがずーっと来てて大変でした」
「初日からこんなに来てくれるとは思わなかったよね。とりあえずご飯食べよっか」
アイクはよろよろと立ち上がり二階に這うようにして上がる。端から見たらゾンビみたいな感じだろう。
あらかじめ作っておいた夕食を並べ席に着く。しばらくするとベルもやってきた。恐らく階段を這って上ってきたのだろう。服が少し汚れていた。
二人揃って夕食を食べ始める。アイクが夕食のチャーハンを食べていると、ベルが話しかけてきた。
「アイクさん、今日お客さんが冒険者用の魔道具はないのかって言ってたんですけど、うちでは売らないんですか?」
冒険者用の魔道具は例を挙げるとポーションや魔法剣なんかがある。
「俺もそれ今日言われたんだよね。とりあえず魔法剣は売ろうかなって思ってるんだけどそれ以外はリクエストがあったらかな」
「魔法剣ってかっこいいですよね。私も使ってみたいなって思うことありますもん」
「じゃあ今度休みの日に魔物討伐でもやってみる?」
「はい!やってみたいです」
そんな気軽なノリで誘うようなことではないと思いつつも魔物討伐に誘うと予想以上に食い付いてきた。
やっぱり子供はかっこいいものに惹かれるのだろうか? アイクも子供の頃は魔法剣をたずさえて魔物を颯爽と倒す姿を妄想したこともあったが、今となってはただの黒歴史だ。大人になってからはクソ上司を成敗する妄想にシフトした。…今はもうしていないが。
その後も今日の出来事に関して会話を続けていく。
食後に今日の売り上げを見てアイクは一人小躍りした。
その量はあまりにも少なく小柄なベルでも一度に持てるほどの量だった。
…楽々と言った感じではないが。
「荷物ってそれで全部? 」
「はい。必要なのといっても着替えくらいしかなかったので」
どうやらベルは私物などはあまり持っていないようだった。
年頃の女の子なのでもっと可愛いぬいぐるみとか服とかを持っているものかと思ったのだが。
「じゃあ部屋まで持っていくね」
「わざわざすみません。ありがとうございます」
少なそうではあったが辛そうな顔だったので、ベルの代わりに荷物を持っていく。
持ってみると少しよろけてしまうほど重たかった。日頃の運動不足も相まって二階まで持っていく時は腕がもげるかと思った。
その後は特にすることもなかったので、いつもより早めに夕食を作り始めようとしてそこで気付く。
今日からはベルがいるので、一人分ではなく二人分作らなければと。いつもなら自分が食べるのだからと言って見た目などは気にせず作っていたが、ベルも食べるからには多少は良くする必要があるだろう。
「ベルって嫌いな食べ物とかある?今日はミートソーススパゲッティにしようと思うんだけど」
「えーと、特にないので大丈夫です」
好き嫌いはどうかと聞いてみたところ、どうやらベルには嫌いな食べ物がないらしい。
嫌いな食べ物があると気を遣う必要がありそれがわりと面倒だったので、好き嫌いがないことはアイクとしては喜ばしかった。
二人分のスパゲッティをいつもより丁寧に作り上げ、食卓に並べていく。
丁寧といっても魔道具を使っているので手間はたいしてかからない。こういった時に魔道具を使えるのはなかなか便利である。
並べ終えたのでベルを呼ぶ。いつもより味付けもちゃんとやって見た目にも気を付けたがどうだろうか。
二人で夕食をとるのは新鮮な感覚だった。以前はそもそもゆったり食事をする暇などはなかったのだが。
ベルが気に入ってくれるかどうかが心配だったが、どうやらお気に召したらしく、頬にソースがついていることに気付かないくらい夢中で食べている。
「アイクさん、これすごくおいしいです! 」
「それはよかった。わりと料理は得意だから食べたいやつがあったら言ってね」
アイクは昔から料理が得意で魔道具に頼らずともそこそこのものをつくることができる。
魔道具を使っているのは単なる時短のためだ。
「私これが好きなので今度また出してください」
「わかった。今度はもう少し多めに作っておくね」
思いの外たくさん食べてくれた。小柄な見た目からは想像していなかったので意外だった。
食後は早めにふとんに入る。
何せ明日はオープン初日なのだ。
さすがのアイクも初日から寝坊するつもりはない。
前の職場で初日に遅刻して一日でクビになってるやつもいたな、などと思いつつアイクは眠りについた。
次の日、ベルと二人で朝食をとり、開店準備を進めていく。
準備といっても魔道具を商品棚に並べるくらいだ。
前に考えた魔道具の他にも、様々な種類の魔道具を並べていく。
(オートフライパン→登録した料理を自動で作ってくれるぞ!)
(音声辞書→知りたい言葉を言うとその言葉の意味を教えてくれるぞ!)
(収納バッグ→見た目からの五倍くらいの物を入れられるぞ!)
(虫除けウェア→虫が一切近寄らなくなるぞ!)
(スピードシューズ→足が速くなってモテモテに!)
(強化手袋→力持ちになれるぞ!)
アイクが昨日使っていたのはこの『オートフライパン』というもので主婦達に人気の商品…となる予定だ。
開店数分前、さすがのアイクも少し緊張していた。心臓の音がかつてないほど鮮明に聞こえる。昔クソ上司、もといグリースに連れられて国王に謁見したときにもこんなに緊張はしなかった。
ベルはというとカウンターの回りをうろちょろしていて緊張した様子だ。…小動物みたいでちょっと可愛い。
午前九時。ついに開店時間になった。
しばらくして数人のお客さんが入ってきた。とりあえずお客さんが一人も来ないという事態は免れたようだ。
「いらっしゃいませ」
アイクとベルは順々に対応をしていく。練習したとはいえ初接客なので二人ともガチガチだった。
「浄水コップを三つくださいな」
「はい。三つで900エンになります」
「あら~安いのね」
などと会話がなされていく。
記念すべきオープン初日。なんと昼休憩まで客足が絶えることはなかった。
「思った以上にお客さん来ましたね」
「そうだな、想像以上だ。午後もこの調子で頑張っていこう! 」
「はいっ! 」
休憩時間が終わると、午前中ほどではないが、それでも何人かお客さんが入って来た。
入って来た人の中でもなかなかゴツい体格のおじさんはしばらく商品棚を眺めた後、アイクに声をかけてきた。見た目は完全にそこら辺のチンピラだった。
「なあ兄ちゃん。ここでは魔法剣は売ってねえのか?」
どうやらチンピラっぽいゴツいおじさんは魔法剣を欲しがっているようだった。
魔法剣とは普通の剣と違って特別な効果が付与されている剣のことだ。
例えば炎魔法が付与されたものや、使用者の身体能力を強化する強化魔法が付与されたものなどがある。
「実は材料が足りなくて作れていないんですよ。材料が手に入り次第、取り扱う予定です」
「そうか。材料ってのはなんなんだ?」
「どんな魔法剣かにもよりますけど、炎魔法のものならサラマンダーのうろこ、強化魔法のものならミノタウロスの角とかです」
「じゃあ兄ちゃんの店で素材の買い取りをやってみればいいんじゃねえか?大体の魔道具店はやってるし、魔物の素材もすぐ手に入れられる上、ギルドから仕入れるより安く済むぞ」
チンピラおじさんから意外な提案をされた。確かに考えてみると良いことづくめだ。
…もしかしたらなかなか知的なチンピラなのかもしれない。
「確かに良さそうですね。準備ができ次第始めてみます」
仕入れの価格は今よりも安く済むし、冒険者が来るとなれば売り上げも上がるだろう。
チンピラおじさんに感謝を伝えると、おじさんは満足そうに帰っていった。
その後も閉店時間まで客をさばき?続けた。
一日中慣れないことをしたのでアイクもベルもくたくただった。
ベルは立っていられないほど疲れたのか、床に座り込んでいる。アイクも耐えきれず床に座り込む。
「ベル、お疲れさま。大変だったでしょ」
「お疲れさまですアイクさん。お客さんがずーっと来てて大変でした」
「初日からこんなに来てくれるとは思わなかったよね。とりあえずご飯食べよっか」
アイクはよろよろと立ち上がり二階に這うようにして上がる。端から見たらゾンビみたいな感じだろう。
あらかじめ作っておいた夕食を並べ席に着く。しばらくするとベルもやってきた。恐らく階段を這って上ってきたのだろう。服が少し汚れていた。
二人揃って夕食を食べ始める。アイクが夕食のチャーハンを食べていると、ベルが話しかけてきた。
「アイクさん、今日お客さんが冒険者用の魔道具はないのかって言ってたんですけど、うちでは売らないんですか?」
冒険者用の魔道具は例を挙げるとポーションや魔法剣なんかがある。
「俺もそれ今日言われたんだよね。とりあえず魔法剣は売ろうかなって思ってるんだけどそれ以外はリクエストがあったらかな」
「魔法剣ってかっこいいですよね。私も使ってみたいなって思うことありますもん」
「じゃあ今度休みの日に魔物討伐でもやってみる?」
「はい!やってみたいです」
そんな気軽なノリで誘うようなことではないと思いつつも魔物討伐に誘うと予想以上に食い付いてきた。
やっぱり子供はかっこいいものに惹かれるのだろうか? アイクも子供の頃は魔法剣をたずさえて魔物を颯爽と倒す姿を妄想したこともあったが、今となってはただの黒歴史だ。大人になってからはクソ上司を成敗する妄想にシフトした。…今はもうしていないが。
その後も今日の出来事に関して会話を続けていく。
食後に今日の売り上げを見てアイクは一人小躍りした。
2
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる