藤崎さんに告白したら藤崎くんに告白してた件

三宅スズ

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5.だって恋人だもんね?

よし、落ち着いて状況を一旦整理してみよう。

俺はこの後、図書館にレポートをやりに行こうと思ったところ、なんと、藤崎さんから一緒にレポート作業をやらないかという提案が!
そして、一緒に図書館に行こうと思ったそのタイミングで講義室の扉から、イケメン藤崎登場。

最悪やんけ!!!


イケメン藤崎が俺に近づいてくるや否や、

「純、どうしたの? 早く行こ?」

すぐさま俺は、イケメン藤崎の耳元に小声で

「お前、なんちゅうタイミングで来てくれてんだよ…… 今から藤崎さんと一緒にレポートやるから、頼む、今は見逃してくれ!」

「そうなんだ、じゃあその子も一緒でいいよ。」

「いや、違う違う! そうじゃないんだ! お前が、お前の存在がだな……邪魔というか……だな!?」

「なるほどね。オッケー純、邪魔しないから。」

そう言うと、イケメン藤崎はあっさりと立ち去ってしまった。

「……え? なんでこんな物分かりがいいんだあいつ?」

あっさりしすぎていて拍子抜けだった。
バイト終わりに、頼んでもないのに車で迎えに来るようなやつだぞ……?
こんなあっさり引くのか…?


「鈴原くん? お友達?行っちゃったけどいいの?」

「あぁ、だ、大丈夫! なんか、俺に聞きたいことあっただけみたいだから!」

「今のって藤崎遥人くんだよね? 鈴原くんと藤崎くんって友達だったんだ!意外~!」

「そ、そうだね、まぁ友達というか…… うん、いろいろ繋がりがあってさ……!」

まさか、イケメン藤崎と2回もキスしてる(一方的)関係ですなんて口が裂けても言えない。とりあえず、イケメン藤崎も空気読んで立ち去ってくれた?ようだから、気を取り直して藤崎さんと一緒にレポート作業だっ!
ここからは、癒しの時間だ!

俺と藤崎さんは、学内の図書館へ向かうのであった。

ーーーーーーーーーーーー

で、図書館に来たわけですが……

来たわけですが…………


「あの、鈴原くん、藤崎くんもこっちで一緒にやってもらう……?」

「いや、いいよ。あー、藤崎さん先にレポート始めてて!」

そして俺はイケメン藤崎の元へと駆け寄る。

「おい、お前なんで図書館にいるんだよ!? 邪魔しないって言ってたじゃん!?」

「うん、だから、邪魔してないよ。それに今は純の方から話しかけてきてるしね。」

「あっ、確かにそうだな……じゃああれか、お前は別に話しかけてくることはないわけだな!」

「そうそう、この席から純のこと見てるから。気にしないで、あの子とレポート作業進めなよ。」

「オッケイ! それならいいか! じゃねーよ!?!?」

「あれ、ダメだった?」

「ダメに決まってんだろ!!」

「とりあえず席に戻った方がいいんじゃない? 純、あまり女の子を待たせると、嫌われちゃうよ?」

「お前がいるから、こうなってんだよぉ!?!?お分かり!? とりあえず、絶対こっちには来んなよ!?」

「大丈夫。約束するよ。二人の邪魔はしないからさ。」


とりあえず今はこいつの言うことを信じるとしよう……せっかくの藤崎さんとの時間を邪魔されたくない…!!

そして15分後。

今の状況は……

俺と藤崎さんが一緒にレポートをやっている席の、3席くらい間を挟んだ斜め後ろにイケメン藤崎が、こっちをじっと見つめるように座っている。

「あぁ、鈴原くん! ここのところ、どうやって表現して書いたらいいかなぁ?」

「う、うん…… そこのところは……ごめん藤崎さん、ちょっと待ってて」

俺は再び、じっと見つめてくるイケメン藤崎の元へ行く。

「おい、だから、じっと見つめてくるのやめてな!?」

「純、見てるだけで邪魔はしてないよ?」

「うん、確かにそうだ。だが、その見てるだけなのが邪魔になっちゃってんのね!? なぁ、頼むから邪魔はしないでって……」

「うーん、邪魔してないんだけどなぁ? あっそうだ。」

「お、おい、いきなり立ち上がってなんだ!?」

イケメン藤崎が立ち上がり、藤崎葵の元へと行く。



「あっ、藤崎くん…?」

「そこの表現は、こうだよ。こうすれば読み手にも伝わりやすい文章表現になるし、課題の本の解釈とも一致してる。俺も去年、その講義取ってたから。」

「なるほど~! えぇ凄い! 藤崎くんの説明分かりやすい~!ありがと♪」

「他に分からないところある?」

「うん! えっとね、ここと、ここと、あとこの辺りの表現が分からなくて(涙)(涙)」

「オッケ。順番に解説していくから聞いといて。」

「えぇ!ありがとう~♪助かるなぁ~♪」

イケメン藤崎が、藤崎葵を教えてあげる形で、レポートが進み始めた。

……………はい?


なんか………なんで俺が空気になってんのぉ…!?

「鈴原くん! 鈴原くんもこっちで藤崎くんに教えてもらった方がいいよ~!(>_<) 説明も分かりやすくて、すぐ理解出来るよ♪」


「う、うん……」


「純。純はどこの部分でつまづいてるの?」

「ここの部分だけど……」

「なるほどね、難しくはないよ、ここは、こんな感じで書いてみればいいから。」

「おぉ、なるほど! お前、説明が分かりやすいな! ついでにここも教えてくれ!」

イケメン藤崎に場を乗っ取られてしまっているにも拘わらず、思わず俺は、藤崎遥人の頭の良さに感心してしまっていた。


「よし、レポート出来た~♪ 藤崎くんも、鈴原くんも、ありがとうね! おかげさまで、レポート完成しました(>_<) さっそく提出してくるね! じゃあまたね~!」

「あっ、藤崎さん……あぁ……」

藤崎葵は行ってしまった。

残されたのは、俺と、イケメン藤崎……

「なぁ藤崎……レポートを手伝ってくれたのはありがとうなんだけどさ……その……俺は、藤崎葵さんとの時間を楽しみたかったんだよ…!」

「なんで?」

「ちょ、何でって、そりゃだって……」

「あの子がつまづいた時、純一人じゃ助けてあげられなかったんじゃない?」

「そ、そんなことはない!ぞ……多分……」

「純も見た感じ、あんまりレポート得意そうじゃないからね。だから、純の代わりに教えてあげようと思って。」

「そ、そんな余計なことしなくていいのに!!」

「余計かな? 恋人を困らせてる女を対処しただけだけど。」

「うわぁ出たああ、お前と俺は恋人じゃないし、このやり取りも何回目だよ!?っか、対処って……」

「ねぇ、純。」

「な、なんだよ…?」

イケメン藤崎がまた顔を近づけてくる。

「お、おい!!その手にはもう乗らないぞ!?」

「いいからじっとしてて。」

「えっ……」

イケメン藤崎が俺の顔へと手を伸ばしてくる……!

「はい、取れた。顔にゴミがついてたから。」

「あっ、なんだ……っておいいい!!」

「何?顔についてるゴミくらい取ってあげるでしょ、だって俺と純は、恋人だもんね?」

結局、藤崎葵との二人だけの時間は邪魔をされ、こいつは未だに恋人だとか言ってくるし、本当に散々である。
でも、イケメン藤崎は頭も良いし、一番めんどくさかったレポートも、イケメン藤崎が手伝ってくれたおかげで、すぐレポートも片付いた。本当に、こいつには感謝だ!!

はぁ……

感情がぐちゃぐちゃだよぉ!?!?

ぐちゃぐちゃの感情のまま、俺は午後の講義へ向かうのであった。


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