身代わりの恋人関係

6

飲み会の前の夜、自分を嫌っているであろう片思いの相手、進藤陸斗に処女を捧げることになる緊張感の為、ほとんど眠れなかった。

その為、激しい行為によって絶頂し、くたくたになり、朝まで眠ってしまった。
目が覚めて「主任？」と隣を見るが、既に起きてどこかへ行っているようだ。「今何時かしら？」とスマホを探そうと起き上がる。視線を下に移すと、身体中に鬱血の痕が残されているものの、なんだかさっぱりとして清拭されているようだ。
  洋服は…と見ると、昨日剥ぎ取られた筈の下着も洋服もない。
「どうして？」と声にして枕を抱きしめるようにしてバッグを探していると、ガチャリと音が聞こえた後に陸斗が入ってきた。

「おはよう」

「おはようございます…あの」

「お昼を買ってきた」

「…お昼？」渡された私のバッグの中のスマホを取り出し、驚愕した。
「12時？！すみません、私…」

「いいんだ、土曜日だし、部屋も延長してあるから」

恥ずかしくて赤くなり、「主任の予定を狂わせてしまってごめんなさい…」と謝った。

「いいって言っただろ？予定なんかないから、飯食おう。」と、２人掛けの椅子のついたテーブルにレジ袋を置いた。

もじもじと、「私の下着と洋服が見つからなくて…あの…。」と助けを求めるように陸斗を見つめた。

「ランドリーに出した」と買ってきたものをテーブルに広げ、笑っている。

「は？」

「なんか予定でもあったのか？」

「予定なんて何もないです！」

「じゃあ食おう」となんだか楽しそうだ。

「私、裸ですよ？」

「誘ってんの？」

「っ主任！」

仕方なしにシーツを巻きつけて椅子に座った。

・・・

ランチの後、私は切り出した。