身代わりの恋人関係

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「昨日は急にあんなお願いをしてしまって…抱いてくれてありがとうございました」恥ずかしくて、きっと顔は赤くなっているだろうと思いながら続ける。
「その…、きちんと避妊もしてくれましたし、昨夜のことは忘れてくれて構いません。」

「…。ゆうべは一度きりのつもりだったってことか？」

「主任、好きな人いるって言ってましたし…。万が一、職場の人に知られたら困るじゃないですか」

「職場の奴に俺達がこうなったって言うって言ったら？」

「やめてください！！」

「なんで？俺は言いたい」

「だって…！」主任は知らないんだ、自分がどんなにモテているか。今まで誰とも噂になったこともない主任。それに対して私は他人のものを欲しがる悪女だと思われてる。

「本当にやめてください…皆には言わないで。」

少し考える素振りをした後、こう言った。
「だったら内緒にしてやる。そのかわり、毎週金曜の夜から日曜まで俺の恋人として過ごせ」

「恋人…？そうしたら皆には内緒にしてくれるんですか。」

「約束する」

皆には絶対に知られたくない。嘘の嫌いな主任のことだ、約束は守るだろう。心を決めて、陸斗の目をまっすぐ見て返事をした。

「私…、主任の週末の恋人になります。」

「良かった。今は週末だから『陸斗』な。」

破壊力のある陸斗の笑顔に、私は更に顔が熱くなり両手で頬をおさえた。