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異世界転移

6.欲望

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服装に一悶着あったものの零も炯も異世界転移に前向きになってくれたので話を進めようと神はポーズを取りながらまた喋ろうとした。

《そうか...それじゃ2人に新しい世界で使える能力を授けy..》

「「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」」

《っ!!!》

だが神の台詞が言い終わる前に零と炯が発狂してテンション爆上がりした為、神はこの日1番ビクッと身体を震わせた。

【要望】
身体能力上げたい。
剣技使えるようになりたい。
魔法使えるようになりたい。
自己回復能力欲しい。
毒耐性欲しい。
魔法耐性欲しい。
病気耐性欲しい。
感知能力欲しい
体温調節機能欲しい。
怪我しても無痛にして欲しい。
MAP機能欲しい。
翻訳スキル欲しい。
鑑定スキル欲しい。
修繕スキル欲しい。
鍛治スキル欲しい。
生活スキル欲しい。
盗賊スキル欲しい。
無限にアイテムが入るBOXが欲しい。
生き返りスキル欲しい。
それならいっそ不老不死のがよくない?
可愛い奴隷欲しい。
もふもふモンスターペットにしたい。
金くれ。
家くれ。
................etc
あー!わかるわかるー!!それな!!!

神の存在をガン無視して零と炯は異世界ものあるあるのテンプレに興奮しすぎて2人の世界に没頭し色々注文付けようとしていたら2人の背後で神がプルプルと震えだした

《っ...テメェらいい加減にしろ!!!俺の話を聞け!!!》

「「...あ。忘れてた。」」

つい口調が荒くなってしまい、神の声にハッと意識を取り戻した瞬間の2人の言葉にプッツンときた神は親指を立てて下へと向け地獄へ落ちろとポーズを取った。
その瞬間2人の足下がやけに軽くなった。
それもその筈だ。2人の足下にポッカリと大きな穴が開き、2人は穴に落ちていき穴の出口から空中に身を投げ出されたからだ。

「「ギャー!!!!!」」

「ちょっ!待って待って!!いくら何でもいきなりすぎるでしょ!」

零は慌てて手を振るが空中でジタバタもがいても掴む所がある訳が無く怖くて顔が引き攣っている。

「まじなんなん!!こんなの聞いてないし!!てかこれ死ねる死ねる!!!」

パラシュート無しのスカイダイビングってこんなものかー...なんて考える余裕がある筈もなく、叫ばずにはいられなかった。


「「序盤から死にたくないってばー!!!!」」

2人の叫び声が空に響き渡った。
そして2人の異世界生活は始まって間もなく地面に落ちた衝撃で呆気ない最後を迎えた。

ーFinー

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