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探索活動

16.実験

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「ねぇ、零?ちょっと試したい事あるけどいい??このアイテムBOXって時間経過とかどうなるんだろうって思って...」

「あー確かに。炯よろしく」

そういうと炯は零の作ってくれた槍を足元へ置いて、目の前で燃やしてた薪を1本手にしてアイテムBOXへ1度入れて少し時間を置いた。時間経過していれば出した際に鎮火していて、時間経過していなければ燃えたままであろうと思ったからだ。

「時間経過しないタイプのアイテムBOXだったら火種残したり出来るし、食べ物とか腐らないし、便利だよねー。」

火に枝をくべながらアイテムBOXの性能がどの程度のものか期待に胸を膨らませワクワクとした表情で語れば

「異世界ものあるあるだよね!もし時間経過するタイプならクレープ生地休ませたりとか、肉に下味付けて寝かせるのにいいかもしれないし...」

炯も興奮し、美味しい料理作れないかと頭をよぎれば空腹なのも相まって2人のお腹からグゥ...っと鳴り響き

「どっちに転んでも使い方次第だね。」

「「それな」」

2人で想像を膨らませて話が盛り上がっていると時間が経つのも早いもので...

「そろそろかな....よし。いくよ....っ!」

「んー。りょうかい」

先程入れた薪をもう一度出そうとした。
だが...

「うおっ!」

火の点いたままの薪がちゃんと出たのはいいものの、上手く手持ち部分を掴めず足元に出てしまい慌てて避けたので最悪の事態は免れたが1歩間違えれば火傷じゃ済まなかったであろう。

「ちょ、炯ってば何してるの!?」

目の前で暴れる炯を目撃して思わず爆笑してしまった。

「いや掴もうとして熱かったからさ...思わず手を引っ込めたら落ちちゃった」

零に笑われて顔を真っ赤にしたが照れ隠しのようにテヘッとして誤魔化した。これで分かったことは時間経過はしないことだ。これなら火種を残しといて後日使えそうだなと思い、石器で焚き火の中から炭を幾つか取ってアイテムBOXへ収納した。

「あ!この蜥蜴(トカゲ)っぽいのも入るか試してみよっか?....あれ?入らないっぽいね?」

笑ってた零の足元で蜥蜴のような生物がウロウロしていたので尻尾を掴んでアイテムBOXに入れようとしたが、どうやら生き物は入らないようだ。
「まぁ時間経過しないのが分かっただけいいんじゃないかな?」

「そうだね。」
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