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第1章 学園編〜天然王子とその護衛(クラスメイト)たち
参観日でざまぁする ③
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【今回の学習】
1人目のざまぁ完了
—————————————————————
「えーとここの公式は……」
授業は俺が居てのか、先生も親御さんも子供もソワソワしていた。
よく見渡すと、このクラスには男子が居なかった。
「はいでは、この答えがわかる人」
先生がそう質問するとみんな「はいはーい!」と勢いよく手を挙げた。
「じゃあ~花咲さん」
おっ、向葵ちゃんが当てられた!
俺は立って発表する向葵ちゃんに注目する。
「5です」
「正解です。皆さん拍手しましょう」
パチパチとみんな拍手する。もちろん俺も感動しながらパチパチと拍手しまくった。
「授業参観に参加する親の気持ちがわかった気がする……」
子供の時は授業参観に親が来るのって結構恥ずかしいと思っていたけど、親側に立つと感動するものがある。
「確かに……。子供の成長みたいなものを感じるわ」
朱莉の言葉にウンウンと頷く。
向葵ちゃんとは過ごした時間が短いが、それでもこみ上げてくるものがある。カメラ持ってくれば良かったなー。
すると、席に着いた向葵ちゃんがコッソリこちらを向き、ピースしてくれた。
その可愛い行動にキュンとしながら俺もお返しにピースを送った。
その後、無事に授業が終わった。
◇◇◇
休み時間になり、子供たちは親のところに行っている時。
「向葵ちゃん、お疲れ様」
向葵ちゃんの身長に合わせて屈み、ハイタッチをする。
「朱莉お姉ちゃん、にぃにちゃんと見てた?」
「おう。バッチリ見てたぜ」
「ちゃんと発表出来てて偉い偉い」
朱莉が向葵ちゃんの頭をなでなでする。本人は嬉しそうにしている。
(そろそろ実行するか……)
(うん。向葵のことは私に任せて)
朱莉とアイコンタクトを取り、いよいよ作戦を実行することにした。
「向葵、私が撫でたから髪がボサボサになっちゃた。トイレで綺麗にしてあげるからおいで」
「うん。にぃにまた後でね」
連れて行かれる向葵ちゃんに手を振る。
さてと……
「君、石川優子ちゃんだよね?」
俺は早速、ターゲットである石川優子に接近する。本人は急に話しかけられて動揺していた。
「初めまして。花咲向葵の従兄弟の碧月と言います」
「は、は、初めまして……!石川優子と言います……!」
「知ってるよ。いつも向葵がお世話になっているそうだからね」
少し声を低くして言う。すると、石川優子ちゃんは何か察したようだ。
「あ、あの……」
「俺が君に話しかけたのはコレの件で聞きたいことがあって……」
そう言い、カバンからあのボロボロの筆箱を取り出し、見せる。
「そ、それは……」
やはり心当たりがあるのか、顔がみるみる青ざめていく。
「これ、君がやったの?」
「わ、私もやりましたけど……他の子も……」
「他の子はどうでもいいから。君がやったんだだよね?」
子供相手に少しやり過ぎかなと思ったが、容赦なく圧をかける。
「は、はい……」
石川優子ちゃんは涙目になりながら頷く。
「俺は外部の人間だがら、何で君が向葵ちゃんをイジメ始めた理由とかは分からないけど、こんなくだらないこと、今すぐやめてね?」
俺の言葉にコクコクと頷く石川優子ちゃん。
たが、話はこれで終わりじゃない。
「そうそう。林田桜ちゃんのイジメもやめてね?」
俺がそう言うと、まるで「何で知ってるの……?」という表情になった。
林田桜ちゃんというのは向葵ちゃんの友達で、最初のイジメの被害者だ。
朱莉が林田桜ちゃんの名前が載ったボロボロの鉛筆を向葵ちゃんのランドセルから見つけたことで、向葵ちゃんが林田桜ちゃんをイジメから庇ってるんじゃないかという疑惑が出てきた。
どうやら向葵ちゃんをイジメていた理由は可愛さに嫉妬したのとイジメを庇ったという2つにありそうだ。
「というか金輪際、誰かをイジメるようなことをしたら俺が学校に乗り込んで君をイジメるから」
イジメは体験しないとその辛さは分からない。
俺が冷たくそう言うと、涙目でコクコクと頷いた。
「君だってイジメられたら怖いでしょ?やり直しが効くのは今だけだからちゃんと2人に謝るんだよ?」
最後の言葉は優しめに言った。
誰にでも公正するチャンスはある。大事なのは悪い行いをやめ、真っ当に生きようとすることだ。
「本当にすいませんでした……」
ぺこぺこと頭を下げる石川優子ちゃん。
「うん。その調子で2人にもしっかり謝ってね」
用が済んだので離れる。
丁度そのタイミングで朱莉と向葵ちゃんが帰ってきた。
「向葵ちゃん、優子ちゃんが何が言いたいみたいだよ」
「そうなの?分かったー」
向葵ちゃんが石川優子ちゃんのところに行くと、彼女は先程のようにペコペコ頭を下げて謝っていた。
この調子で林田桜ちゃんにも謝ってくれるだろう。
そして、一緒にイジメていた子にも謝らせてくれて、イジメも無くなると思う。
「お疲れ様。随分とアッサリだったわね」
「おう。多分、根は優しい子だと思う」
キツく注意されたらちゃんと言うこと聞く子だから、もしかしたら止めてくれる人を探してたのかもな。
「さて、次は豪田茂くんかぁ……。クラスに乗り込むか?」
「いや。ここは少し泳がせるわ」
ニヤリと笑う朱莉。
何やらまた別な作戦がありそうだ。
1人目のざまぁ完了
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「えーとここの公式は……」
授業は俺が居てのか、先生も親御さんも子供もソワソワしていた。
よく見渡すと、このクラスには男子が居なかった。
「はいでは、この答えがわかる人」
先生がそう質問するとみんな「はいはーい!」と勢いよく手を挙げた。
「じゃあ~花咲さん」
おっ、向葵ちゃんが当てられた!
俺は立って発表する向葵ちゃんに注目する。
「5です」
「正解です。皆さん拍手しましょう」
パチパチとみんな拍手する。もちろん俺も感動しながらパチパチと拍手しまくった。
「授業参観に参加する親の気持ちがわかった気がする……」
子供の時は授業参観に親が来るのって結構恥ずかしいと思っていたけど、親側に立つと感動するものがある。
「確かに……。子供の成長みたいなものを感じるわ」
朱莉の言葉にウンウンと頷く。
向葵ちゃんとは過ごした時間が短いが、それでもこみ上げてくるものがある。カメラ持ってくれば良かったなー。
すると、席に着いた向葵ちゃんがコッソリこちらを向き、ピースしてくれた。
その可愛い行動にキュンとしながら俺もお返しにピースを送った。
その後、無事に授業が終わった。
◇◇◇
休み時間になり、子供たちは親のところに行っている時。
「向葵ちゃん、お疲れ様」
向葵ちゃんの身長に合わせて屈み、ハイタッチをする。
「朱莉お姉ちゃん、にぃにちゃんと見てた?」
「おう。バッチリ見てたぜ」
「ちゃんと発表出来てて偉い偉い」
朱莉が向葵ちゃんの頭をなでなでする。本人は嬉しそうにしている。
(そろそろ実行するか……)
(うん。向葵のことは私に任せて)
朱莉とアイコンタクトを取り、いよいよ作戦を実行することにした。
「向葵、私が撫でたから髪がボサボサになっちゃた。トイレで綺麗にしてあげるからおいで」
「うん。にぃにまた後でね」
連れて行かれる向葵ちゃんに手を振る。
さてと……
「君、石川優子ちゃんだよね?」
俺は早速、ターゲットである石川優子に接近する。本人は急に話しかけられて動揺していた。
「初めまして。花咲向葵の従兄弟の碧月と言います」
「は、は、初めまして……!石川優子と言います……!」
「知ってるよ。いつも向葵がお世話になっているそうだからね」
少し声を低くして言う。すると、石川優子ちゃんは何か察したようだ。
「あ、あの……」
「俺が君に話しかけたのはコレの件で聞きたいことがあって……」
そう言い、カバンからあのボロボロの筆箱を取り出し、見せる。
「そ、それは……」
やはり心当たりがあるのか、顔がみるみる青ざめていく。
「これ、君がやったの?」
「わ、私もやりましたけど……他の子も……」
「他の子はどうでもいいから。君がやったんだだよね?」
子供相手に少しやり過ぎかなと思ったが、容赦なく圧をかける。
「は、はい……」
石川優子ちゃんは涙目になりながら頷く。
「俺は外部の人間だがら、何で君が向葵ちゃんをイジメ始めた理由とかは分からないけど、こんなくだらないこと、今すぐやめてね?」
俺の言葉にコクコクと頷く石川優子ちゃん。
たが、話はこれで終わりじゃない。
「そうそう。林田桜ちゃんのイジメもやめてね?」
俺がそう言うと、まるで「何で知ってるの……?」という表情になった。
林田桜ちゃんというのは向葵ちゃんの友達で、最初のイジメの被害者だ。
朱莉が林田桜ちゃんの名前が載ったボロボロの鉛筆を向葵ちゃんのランドセルから見つけたことで、向葵ちゃんが林田桜ちゃんをイジメから庇ってるんじゃないかという疑惑が出てきた。
どうやら向葵ちゃんをイジメていた理由は可愛さに嫉妬したのとイジメを庇ったという2つにありそうだ。
「というか金輪際、誰かをイジメるようなことをしたら俺が学校に乗り込んで君をイジメるから」
イジメは体験しないとその辛さは分からない。
俺が冷たくそう言うと、涙目でコクコクと頷いた。
「君だってイジメられたら怖いでしょ?やり直しが効くのは今だけだからちゃんと2人に謝るんだよ?」
最後の言葉は優しめに言った。
誰にでも公正するチャンスはある。大事なのは悪い行いをやめ、真っ当に生きようとすることだ。
「本当にすいませんでした……」
ぺこぺこと頭を下げる石川優子ちゃん。
「うん。その調子で2人にもしっかり謝ってね」
用が済んだので離れる。
丁度そのタイミングで朱莉と向葵ちゃんが帰ってきた。
「向葵ちゃん、優子ちゃんが何が言いたいみたいだよ」
「そうなの?分かったー」
向葵ちゃんが石川優子ちゃんのところに行くと、彼女は先程のようにペコペコ頭を下げて謝っていた。
この調子で林田桜ちゃんにも謝ってくれるだろう。
そして、一緒にイジメていた子にも謝らせてくれて、イジメも無くなると思う。
「お疲れ様。随分とアッサリだったわね」
「おう。多分、根は優しい子だと思う」
キツく注意されたらちゃんと言うこと聞く子だから、もしかしたら止めてくれる人を探してたのかもな。
「さて、次は豪田茂くんかぁ……。クラスに乗り込むか?」
「いや。ここは少し泳がせるわ」
ニヤリと笑う朱莉。
何やらまた別な作戦がありそうだ。
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