27 / 29
第1章 学園編〜天然王子とその護衛(クラスメイト)たち
ストーカーをざまぁする②
しおりを挟む
【今回の学習】
確保!
—————————————————————
その後、俺たちは近くのファミリーレストランに寄った。
もちろんあの親子も一緒に店内に入ってきた。
「モグモグ」
注文したカルボナーラを美味しそうに食べる向葵ちゃん。
時折、隣に座る朱莉が口についたソースを拭いているのが微笑ましい。
しかしまあ……
「ここまで渋といとわねぇー……」
頼んだハンバーグを口に入れ、不満を漏らす。
俺と朱莉が側にいるのにも関わらず、ストーカー行為を止めないとは……。
今日、授業参観に来ていたのが俺たちじゃなくて花織さんだった場合、危なかったかもな。
「これに向葵も気づいてないから余計厄介なのよねー」
確かに、先程から気にすることなくモグモグと食べている。
こんな純粋な子にストーカーをするなんて許せないな……。
「ねぇアツ。そのハンバーグ、一口頂戴」
「ん?いいぞ。ペッパーの方とチーズの方どっちがいい?」
「ペッパーで」
刺激が欲しいのか?
ハンバーグを切り分け、朱莉の口まで持っていくと、パクリと食べた。
「ん、美味しい。アタシのデミグラスオムライスも食べる」
「おう、食べる」
俺も朱莉にオムライスを食べさせてもらった。
うん。デミグラスオムライスも美味いな。今度来た時はこっちを頼もう。
「ねーあそこのカップル。あーんを平然としてるわ」
「というか新婚さんかしら?あの小さな子は子供?」
「動画に収めないと」
俺たちがストーカー親子に集中しすぎてこんなことを言われていたとは知らなかった。
「さてと……」
ご飯も食い終わったところで作戦を実行するか。
「向葵ちゃん、俺、トイレに行ってくるね」
「あっ、アタシも!向葵、少しだけお留守番できる?」
「うん。できるよ!早めに帰ってきてね」
俺たちは向葵ちゃんを1人残し席を立つ。
さて、動いてくれよ……。
◇◇◇
朱莉お姉ちゃんとにぃにが席を立って1人になった私。
メロンソーダをチュウチュ飲んでいると……
「き、君!1人なの?」
「ふぇ?」
おじさんが話しかけきた。
「えーと……」
ママや桜果お姉ちゃんや朱莉お姉ちゃんには、知らない人に話しかけられたら大声を出しなさいって言われてるけどどうしよう……
戸惑っているとその後ろから見覚えのある人が来た。
「ひ、ひ、向葵ちゃん!」
「えーと……確か隣のクラスの豪田茂くんだよね?」
「お、覚えていてくれたんだ!」
私の学校で男の子といえば豪田くんを含めた5人しかいないから覚えている。でも、豪田くんとはあまり話したことがない。
「ということはこの人は豪田くんのパパ?」
「うひよっ!パパ!」
おじさんはやら喜んでいる。
「違うんだ。お兄ちゃんなんだ」
「へ、へぇー」
おじさんだと思ってた……。
すると何やらおじさんが……お兄さんが顔を赤くし、はぁはぁ言い始めた。
だ、大丈夫かな……?
「そ、それにしても、こんなところで会うなんて偶然だね!」
まさかお昼ご飯を食べている場所が一緒だなんて偶然だ。
「そ、そ、そそうだね!」
「うん!」
お兄さんの方がちょっと心配になってきた……。
「お兄さん、大丈夫?」
「あ、ああうん。大丈夫だよ」
それならいいけど……
「今日は向葵ちゃんに伝えたいことがあるんだ」
いきなり豪田くんがそう言った。
「何かな?」
豪田くんは何やらモジモジしていたが、やがて話し始めた。
「俺と付き合って下さい!」
大声でそう言われる。
告白かな?
「ごめんさい。私、好きな人がいるの」
そう断ると、豪田くんはブルブル震え出した。
「も、も、もしかしてさっきの男……?」
「うん。にぃにが好きなの」
断られたのがよほどショックなのか落ち込む豪田くん。
可哀想だなと思ったが、付き合うならにぃにみたいな優しくて面白くてカッコいい人がいいから。
「そっか……じゃあ兄ちゃんお願い」
「うむ」
「えっ?」
そう疑問に思った後、私は突然、お兄さんに口を塞がれた。
「むぐむぐ?!」
いきなりで何が起こったのか分からないが、ひたすら怖いということしか考えられない。
「監禁すれば、告白なんて関係ないよね?」
見上げている豪田くんの顔は、幸せそうだった。
これって誘拐ってやつなのかな……?誘拐されたらママや桜果お姉ちゃんや朱莉お姉ちゃんやにぃにや梨月お姉ちゃんと会えなくなっちゃう……。
どうしよかと思っていた時……
「「確保ー!!」」
朱莉お姉ちゃんとにぃにの声がした。
確保!
—————————————————————
その後、俺たちは近くのファミリーレストランに寄った。
もちろんあの親子も一緒に店内に入ってきた。
「モグモグ」
注文したカルボナーラを美味しそうに食べる向葵ちゃん。
時折、隣に座る朱莉が口についたソースを拭いているのが微笑ましい。
しかしまあ……
「ここまで渋といとわねぇー……」
頼んだハンバーグを口に入れ、不満を漏らす。
俺と朱莉が側にいるのにも関わらず、ストーカー行為を止めないとは……。
今日、授業参観に来ていたのが俺たちじゃなくて花織さんだった場合、危なかったかもな。
「これに向葵も気づいてないから余計厄介なのよねー」
確かに、先程から気にすることなくモグモグと食べている。
こんな純粋な子にストーカーをするなんて許せないな……。
「ねぇアツ。そのハンバーグ、一口頂戴」
「ん?いいぞ。ペッパーの方とチーズの方どっちがいい?」
「ペッパーで」
刺激が欲しいのか?
ハンバーグを切り分け、朱莉の口まで持っていくと、パクリと食べた。
「ん、美味しい。アタシのデミグラスオムライスも食べる」
「おう、食べる」
俺も朱莉にオムライスを食べさせてもらった。
うん。デミグラスオムライスも美味いな。今度来た時はこっちを頼もう。
「ねーあそこのカップル。あーんを平然としてるわ」
「というか新婚さんかしら?あの小さな子は子供?」
「動画に収めないと」
俺たちがストーカー親子に集中しすぎてこんなことを言われていたとは知らなかった。
「さてと……」
ご飯も食い終わったところで作戦を実行するか。
「向葵ちゃん、俺、トイレに行ってくるね」
「あっ、アタシも!向葵、少しだけお留守番できる?」
「うん。できるよ!早めに帰ってきてね」
俺たちは向葵ちゃんを1人残し席を立つ。
さて、動いてくれよ……。
◇◇◇
朱莉お姉ちゃんとにぃにが席を立って1人になった私。
メロンソーダをチュウチュ飲んでいると……
「き、君!1人なの?」
「ふぇ?」
おじさんが話しかけきた。
「えーと……」
ママや桜果お姉ちゃんや朱莉お姉ちゃんには、知らない人に話しかけられたら大声を出しなさいって言われてるけどどうしよう……
戸惑っているとその後ろから見覚えのある人が来た。
「ひ、ひ、向葵ちゃん!」
「えーと……確か隣のクラスの豪田茂くんだよね?」
「お、覚えていてくれたんだ!」
私の学校で男の子といえば豪田くんを含めた5人しかいないから覚えている。でも、豪田くんとはあまり話したことがない。
「ということはこの人は豪田くんのパパ?」
「うひよっ!パパ!」
おじさんはやら喜んでいる。
「違うんだ。お兄ちゃんなんだ」
「へ、へぇー」
おじさんだと思ってた……。
すると何やらおじさんが……お兄さんが顔を赤くし、はぁはぁ言い始めた。
だ、大丈夫かな……?
「そ、それにしても、こんなところで会うなんて偶然だね!」
まさかお昼ご飯を食べている場所が一緒だなんて偶然だ。
「そ、そ、そそうだね!」
「うん!」
お兄さんの方がちょっと心配になってきた……。
「お兄さん、大丈夫?」
「あ、ああうん。大丈夫だよ」
それならいいけど……
「今日は向葵ちゃんに伝えたいことがあるんだ」
いきなり豪田くんがそう言った。
「何かな?」
豪田くんは何やらモジモジしていたが、やがて話し始めた。
「俺と付き合って下さい!」
大声でそう言われる。
告白かな?
「ごめんさい。私、好きな人がいるの」
そう断ると、豪田くんはブルブル震え出した。
「も、も、もしかしてさっきの男……?」
「うん。にぃにが好きなの」
断られたのがよほどショックなのか落ち込む豪田くん。
可哀想だなと思ったが、付き合うならにぃにみたいな優しくて面白くてカッコいい人がいいから。
「そっか……じゃあ兄ちゃんお願い」
「うむ」
「えっ?」
そう疑問に思った後、私は突然、お兄さんに口を塞がれた。
「むぐむぐ?!」
いきなりで何が起こったのか分からないが、ひたすら怖いということしか考えられない。
「監禁すれば、告白なんて関係ないよね?」
見上げている豪田くんの顔は、幸せそうだった。
これって誘拐ってやつなのかな……?誘拐されたらママや桜果お姉ちゃんや朱莉お姉ちゃんやにぃにや梨月お姉ちゃんと会えなくなっちゃう……。
どうしよかと思っていた時……
「「確保ー!!」」
朱莉お姉ちゃんとにぃにの声がした。
12
あなたにおすすめの小説
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら
普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。
そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる