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第一章 アーウェン幼少期
伯爵は友人を嗜める ②
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ルアン伯爵の私兵たちは皆冷静に、そして侮蔑を込めた目で鎖に繋がれる男を見つめた。
そして幼い頃から共に遊び、学び、成長してきた者たちはその連座となるべく行ってきたことを自覚し、青褪めて俯いている。
「……どうしてやったらいい?私にはもうお前たちを、お前たちがやってきたことを知って、お前たちが正しい者たちだとは思えん。だからといって、お前たちにも家族がある。お前たちがしがない庶民の志願兵だったとしても『国王に誓いを立てた兵』として訓練のために旅立ったことを、心から喜んでくれた家族が」
震える声を遮るものはなく、重い沈黙だけがログナスの言葉を受け止める。
「その者たちに、お前たちは貴族籍の赤ん坊とほとんど変わらぬような子供を、毬を蹴るかのごとくに扱い、命が消えようとも構わぬと嘲笑った……そのようなことを告げられるのか?私はそんなことさせるために、お前たちを町から送り出し、無事に帰還したことを喜び、そして町の平和を守る任に就けたわけではない!」
ログナスは肩を落として、自分の部下だった者たちを見回すが、誰も視線を合わせようとはしない。
ラウドは両者を見比べ、しかし何も言わなかった。
「取り返しはつかぬ……恥があるなら、今ここで自決しろと言いたいが……そのような覚悟があるならば、まず幼気な子供を甚振ることなどせぬだろう。逆にそのような者たちを諫めておるだろう。命を取られようとも、子供を護るだろう。お前たちのやったことを責められるのは、許せるのは、アーウェン殿だけだ。だが、私もターランド伯爵閣下も、アーウェン殿にお前たちを見せるつもりはない。ご一行が発たれるまで、お前たちにはこの牢屋が宿代わりだ。当時の事やその訓練に参加していた関係者などに関して、厳しく取り調べるからな!覚悟しておけ!」
ザッと誰かが石床を這いずったが、何か言う前に私兵のひとりが押さえつけた。
「……私自身も、何かしら責を取らねばならん。お前たちが心得違いをしたその責を。まずは町長を辞し、我が妻へ引き継がねば。もともとこの町は彼女の一族の物ゆえ」
「そっ……んな………」
ログナスの言葉に、口を開きかけた者たちは一様に顔つきを変えた。
まさか己が過去に起こした『遊び』が、思わぬ未来に繋がってしまったのを喜ぶ顔などひとつもない。
ラウドは結局一言も発せぬままアーウェンを傷つけた者たちを眺めると、牢の中で項垂れる姿を振り返ることなく、ログナスを促して本邸へと戻った。
そして幼い頃から共に遊び、学び、成長してきた者たちはその連座となるべく行ってきたことを自覚し、青褪めて俯いている。
「……どうしてやったらいい?私にはもうお前たちを、お前たちがやってきたことを知って、お前たちが正しい者たちだとは思えん。だからといって、お前たちにも家族がある。お前たちがしがない庶民の志願兵だったとしても『国王に誓いを立てた兵』として訓練のために旅立ったことを、心から喜んでくれた家族が」
震える声を遮るものはなく、重い沈黙だけがログナスの言葉を受け止める。
「その者たちに、お前たちは貴族籍の赤ん坊とほとんど変わらぬような子供を、毬を蹴るかのごとくに扱い、命が消えようとも構わぬと嘲笑った……そのようなことを告げられるのか?私はそんなことさせるために、お前たちを町から送り出し、無事に帰還したことを喜び、そして町の平和を守る任に就けたわけではない!」
ログナスは肩を落として、自分の部下だった者たちを見回すが、誰も視線を合わせようとはしない。
ラウドは両者を見比べ、しかし何も言わなかった。
「取り返しはつかぬ……恥があるなら、今ここで自決しろと言いたいが……そのような覚悟があるならば、まず幼気な子供を甚振ることなどせぬだろう。逆にそのような者たちを諫めておるだろう。命を取られようとも、子供を護るだろう。お前たちのやったことを責められるのは、許せるのは、アーウェン殿だけだ。だが、私もターランド伯爵閣下も、アーウェン殿にお前たちを見せるつもりはない。ご一行が発たれるまで、お前たちにはこの牢屋が宿代わりだ。当時の事やその訓練に参加していた関係者などに関して、厳しく取り調べるからな!覚悟しておけ!」
ザッと誰かが石床を這いずったが、何か言う前に私兵のひとりが押さえつけた。
「……私自身も、何かしら責を取らねばならん。お前たちが心得違いをしたその責を。まずは町長を辞し、我が妻へ引き継がねば。もともとこの町は彼女の一族の物ゆえ」
「そっ……んな………」
ログナスの言葉に、口を開きかけた者たちは一様に顔つきを変えた。
まさか己が過去に起こした『遊び』が、思わぬ未来に繋がってしまったのを喜ぶ顔などひとつもない。
ラウドは結局一言も発せぬままアーウェンを傷つけた者たちを眺めると、牢の中で項垂れる姿を振り返ることなく、ログナスを促して本邸へと戻った。
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