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第一章 アーウェン幼少期
家庭教師は少年の学び具合を知る ①
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まずは同じ形のものを並べさせる。
どの色の物も形も、それぞれ同数になるようにセッティングされていることをクレファーは知っていた。
全部で五色。
ひとつの形で同じ色の積み木が五個。
大きさが違う。
それらをどう揃えるのかを見たかった。
エレノアはただ見るだけでなく、同じぐらいの大きさの積み木を手に取って、形を合わせて見ることまでやって見せてくれる。
アーウェンはそんなエレノアのやり方を見て真似をするのだが、『なぜそうするのか』がいまいちわかっていないのか、大きさの違いに気が付くのは床に並べ置いた見た目で理解し、並べ替えていた。
エレノアは色を並べるのが好きらしく、赤を先頭にしておそらくクレヨンの並びか何かをちゃんと理解して丁寧に並べた。
アーウェンも真似をするが、自分で考えて理解したわけではないので、何度も義妹がやっていることを見ながらそぉっと並べる。
「できまちた!」
「で、できました……」
ぴっしりと並べられたエレノアの方の積み木は綺麗に並んでいるが、アーウェンの方は少し縒れたり隙間が開いていたりと頼りない。
「……なるほど。エレノア様は積み木に慣れていらっしゃる。こういった勉強は初めてではないみたいですね?」
そばで見守るラリティスに問いかけると、妹より少し年上だろうか──落ち着いたその少女はクレファーではなくロフェナの方へ顔を向けた。
「大丈夫です。旦那様がよりお許しが出ています。クレファー先生はアーウェン様の家庭教師ではあられますが、ご一緒の間はエレノア様へも教えていただけることになっていますから」
「はい」
ホッとしたように笑顔を浮かべるラリティスは、薄く頬を染めている。
軽々しく未婚女性が男性と話すなかれ──貴族としての躾なのか、使用人としての規則なのか、ラリティスはロフェナから許可をもらい、ようやくクレファーに対して直接返答を返した。
「ご質問へお答えいたしますと……クレファー先生のような方に教えていただいたわけではございません。今は王都の貴族学院にいらっしゃっておりますご長男のリグレ様がエレノア様と遊ばれる中、このように並べることなどをお教えなさっておられました」
「そ、そうですか……」
控えめに目を軽く伏せて答えるその姿に、クレファーは心なしか緊張した声を発した。
どの色の物も形も、それぞれ同数になるようにセッティングされていることをクレファーは知っていた。
全部で五色。
ひとつの形で同じ色の積み木が五個。
大きさが違う。
それらをどう揃えるのかを見たかった。
エレノアはただ見るだけでなく、同じぐらいの大きさの積み木を手に取って、形を合わせて見ることまでやって見せてくれる。
アーウェンはそんなエレノアのやり方を見て真似をするのだが、『なぜそうするのか』がいまいちわかっていないのか、大きさの違いに気が付くのは床に並べ置いた見た目で理解し、並べ替えていた。
エレノアは色を並べるのが好きらしく、赤を先頭にしておそらくクレヨンの並びか何かをちゃんと理解して丁寧に並べた。
アーウェンも真似をするが、自分で考えて理解したわけではないので、何度も義妹がやっていることを見ながらそぉっと並べる。
「できまちた!」
「で、できました……」
ぴっしりと並べられたエレノアの方の積み木は綺麗に並んでいるが、アーウェンの方は少し縒れたり隙間が開いていたりと頼りない。
「……なるほど。エレノア様は積み木に慣れていらっしゃる。こういった勉強は初めてではないみたいですね?」
そばで見守るラリティスに問いかけると、妹より少し年上だろうか──落ち着いたその少女はクレファーではなくロフェナの方へ顔を向けた。
「大丈夫です。旦那様がよりお許しが出ています。クレファー先生はアーウェン様の家庭教師ではあられますが、ご一緒の間はエレノア様へも教えていただけることになっていますから」
「はい」
ホッとしたように笑顔を浮かべるラリティスは、薄く頬を染めている。
軽々しく未婚女性が男性と話すなかれ──貴族としての躾なのか、使用人としての規則なのか、ラリティスはロフェナから許可をもらい、ようやくクレファーに対して直接返答を返した。
「ご質問へお答えいたしますと……クレファー先生のような方に教えていただいたわけではございません。今は王都の貴族学院にいらっしゃっておりますご長男のリグレ様がエレノア様と遊ばれる中、このように並べることなどをお教えなさっておられました」
「そ、そうですか……」
控えめに目を軽く伏せて答えるその姿に、クレファーは心なしか緊張した声を発した。
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