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不足な者。
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自分以外は『人間』という種族がいない『家族』の中で、獣人は『きょうだい』で精霊たちは『父母』だった。
そして『家族』の中で誰よりも非力で短命なバルトロメイを守るため、『家族』の皆が結界を張ったりすり抜けてやってくる魔物たちを排除していたことを、バルトロメイ自身は知らない。
そして聖ガイ・トゥーオン神殿に何らかの理由で飛ばされ、師匠であるバルトバーシュやマクロメイに保護されつつ廃墟と化していた結界すれすれの厩のあった敷地内では彼らに守られていたため、自ら魔物を手にかけたこともなかった。
そのためスライムの形状自体はしていてもそれらを手懐けるという意味が解らず、しかも使役する職業があるということすらわかっていない。
「お、お前さん……冒険者登録をした時に、ギルドカウンターでいろいろ説明されただろう?」
「えっと…………」
確かに、聞いた。
ランクを上げるためには経験値を積まないといけないこと。
経験値を上げるためには依頼を受けること。
主には冒険者ギルド内にある依頼書から自分のランクで受けられる内容のものを選ぶこと。
今回は『指名依頼』ということで、達成の報告がなされたらすぐに報酬が払われること。
ただし『届け物』ということで討伐依頼とは違うため、移動した距離や時間によって『体力』や『防御力』に多少の経験値が入るがランクアップにはならないだろうということ。
職業については登録のみなので、この『使命依頼』完了後に報告する予定の冒険者ギルドで鑑定を受けてもらいたいと言われたこと。
「……つまり、面倒なことは向こうのギルド支部に丸投げ……ってか」
登録された町のギルド情報を確認すれば、周囲はかなりのどかな普通の農畜産地で魔物の脅威も少ない。
冒険者になるよりも家業の農畜産に関わる家の他、それらを加工して商う商人協会が発展し、彼らを護衛する依頼が多いため、そこで冒険者依頼をするというよりは護衛して訪れる者たちの滞在記録や達成報告を受けるのが主な業務のようである。
めったに冒険者登録業務がないため、本当に必要最低限しか説明していないらしく、その後もバルトロメイがどんな説明をされたのかを確認しても、本当に登録するだけの事柄しか出てこない。
「あぁ~……えぇっとだな……まず…じゃねぇな……『冒険者』とひと口に言っても、職業的にいろんな名称がある」
「はぁ……」
まさか新人受付嬢やギルド職員に説明するような事を、わざわざ冒険者なりたての坊やに説明する羽目になるとは思わず、まるでギルドマスター試験でもおさらいしているかのような気分でエピルスはバルトロメイに説明した。
そして『家族』の中で誰よりも非力で短命なバルトロメイを守るため、『家族』の皆が結界を張ったりすり抜けてやってくる魔物たちを排除していたことを、バルトロメイ自身は知らない。
そして聖ガイ・トゥーオン神殿に何らかの理由で飛ばされ、師匠であるバルトバーシュやマクロメイに保護されつつ廃墟と化していた結界すれすれの厩のあった敷地内では彼らに守られていたため、自ら魔物を手にかけたこともなかった。
そのためスライムの形状自体はしていてもそれらを手懐けるという意味が解らず、しかも使役する職業があるということすらわかっていない。
「お、お前さん……冒険者登録をした時に、ギルドカウンターでいろいろ説明されただろう?」
「えっと…………」
確かに、聞いた。
ランクを上げるためには経験値を積まないといけないこと。
経験値を上げるためには依頼を受けること。
主には冒険者ギルド内にある依頼書から自分のランクで受けられる内容のものを選ぶこと。
今回は『指名依頼』ということで、達成の報告がなされたらすぐに報酬が払われること。
ただし『届け物』ということで討伐依頼とは違うため、移動した距離や時間によって『体力』や『防御力』に多少の経験値が入るがランクアップにはならないだろうということ。
職業については登録のみなので、この『使命依頼』完了後に報告する予定の冒険者ギルドで鑑定を受けてもらいたいと言われたこと。
「……つまり、面倒なことは向こうのギルド支部に丸投げ……ってか」
登録された町のギルド情報を確認すれば、周囲はかなりのどかな普通の農畜産地で魔物の脅威も少ない。
冒険者になるよりも家業の農畜産に関わる家の他、それらを加工して商う商人協会が発展し、彼らを護衛する依頼が多いため、そこで冒険者依頼をするというよりは護衛して訪れる者たちの滞在記録や達成報告を受けるのが主な業務のようである。
めったに冒険者登録業務がないため、本当に必要最低限しか説明していないらしく、その後もバルトロメイがどんな説明をされたのかを確認しても、本当に登録するだけの事柄しか出てこない。
「あぁ~……えぇっとだな……まず…じゃねぇな……『冒険者』とひと口に言っても、職業的にいろんな名称がある」
「はぁ……」
まさか新人受付嬢やギルド職員に説明するような事を、わざわざ冒険者なりたての坊やに説明する羽目になるとは思わず、まるでギルドマスター試験でもおさらいしているかのような気分でエピルスはバルトロメイに説明した。
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