TSUNAMIの龍〘 厨二病のこの俺が津波の龍から町を救う夢をみる〙

三毛猫69

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喧嘩のススメ

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 歳は二十歳過ぎ、体格もそこそこいい感じのゴロツキ風の柄シャツを着た男達三人が、俺たちに向かって近づいてくる。

 多分近くの海に、サーフィンか、水上バイクを行うために遊びにきた連中達だろう。

「そろそろ行こうか……」
「う、うん……」

 その人達と目を合わさないように気を使いながら叶芽の手を取り、立ち去ろうとした。
「待ちなよ。坊主」
 
 それを拒むかのように、俺たちの前に立ちはだかった。
「なんなんだ、あんたたちは……」
 
「おまえにようはねぇよ、俺たちはあんたの姉さんにようがあんだ!あんたは、早く家に帰ってオシメでも取り替えてもらいな……」
 
――俺の姉さん?俺に姉さんはいない……まさか叶芽のことか?確かに叶芽はスタイルもいいし、精神年齢か高く、大人びて見える。しかし彼女は、まだ中学生だぞ!
 
「この子のことか?」
「あぁ、そうだ……わかったら早くお家に帰んな」
――なんとかして叶芽だけでも逃がせる方法はないのか……
 どうすればいいかを考えている間に、三人組は俺たちを取り囲んでいた。
 
「いや……離して……」
 その一人が叶芽の腕をギュッと握り、いやらしい顔つきをして離さなかった。
「そんなに怖い顔するなよ。ちょっと楽しいことするだけだからさ……ほんとキミかわいいねぇ、お名前は……」
 
 いやらしい目つきが、叶芽を舐め回すように眺めている。俺の心にふつふつと怒りが込み上げてきた。
 
「その手、退けてもらえますか……」
「なんだとぉ……痛ててぇ……」
 俺はそいつを睨みつけ、腕をギュッと掴んだ。男は反射的に掴んだ手を離し、痛めた腕をかばいつつ俺を睨み返している。
「なんて握力だ」

 その隙に叶芽とともに逃げだそうとすると、強烈なパンチが顔面めがけて飛んできた。だが、タダでは食らってやらん。拳をかわして相手の腹に体当たりを食らわせると、男はぐったりと倒れた。
 
「先に逃げろ!」
「でも……」
「いいから早く……」
――俺のことはいいから、早く遠くへ逃げてくれ!
 
 そんな思いとは裏腹に俺のことが心配で逃げることを拒み、戸惑っていた彼女を別の男が捕えた。
「そうはさせねぇよ!」

――まずい……叶芽が捕らえられた。やはり大人相手に三対一じゃ勝ち目はない。だが、ここは俺がなんとかしなければ……せめて手頃な木の枝でもあれば、なんとかできるのに……

 こんな日に限って海岸沿いは、綺麗に清掃されており、枯葉ひとつなかった。もうダメなのか…………
 仕方なく俺は両手を上げて無条件降伏することにした。
 
「わかった。その子は離してやってくれ……その代わり、俺を煮るなり、焼くなり好きにすればいい」

 男の一人がポケットに手を入れ、ニヤニヤと気色の悪い笑を浮かべながら俺の元へやってくる。
 
「なに勘違いしてんだ。おまえ……英雄にでもなったつもりかぁ?」
 三人のうちの一人に彼女は捕らえられている。残りの二人が無抵抗な俺に殴りかかってきた。
 
「俺たちはおまえに、これっぽっちも興味はねぇんだよ……早く帰ってお寝んねしてろ!」
「グハッ……!」
 止めに腹に一発蹴りを入れられ、堤防に叩きつけられた。男たちは動かなくなった俺を置き去りにして彼女を連れて立ち去ろとしている。
 
「辞めて……辞めてください」
 朦朧とした意識の中で、俺は男の足にしがみついた。死んでも彼女は渡さない……
 
「えぇい、離せクソガキがぁ……」
「この手は絶対に離さない……」

 仲間の男が、しがみついた手や身体を痛めつけてきたが、それでもおれは必死に食らいついて離さなかった。
「あぁぁあ……」

 いたたまれなくなった叶芽は、捕まれていた手を振り払い、俺に覆い被さって男たちから護ろうとしてくれた。
「もう辞めてください……この子には関係ないはずです」
 
「大丈夫だよ……」
 俺は傷ついてフラつく身体を奮い立たせて、起き上がると血反吐をペッと吐き捨てた。
 「ヒーローってやつは……最後の最後まで諦めねぇもんだ……バイブス燃やすぜ!」

「いい気になるなよ!坊主……」
 男の一人が刃渡り二十センチほどのナイフを取り出し切りつけてきたが、その程度の速さでは俺を捉えることはできない。紙一重で、すべての攻撃をかわしてゆく。
「おおっと、それ以上動くなよ ……このお姉ちゃんのかわいい顔に傷が着くぜ!」
 
 するとまたもや叶芽を人質に取り、刃物を叶芽の顔に当てて脅してきた。
――やることが卑怯すぎるんだよ……


 パシュパシュ……パパパパパァ……
「痛っ誰だコノヤロー!」
 誰かが草むらの影からエアガンを使って狙撃してきた。

「うわぁぁぁなんだ、これ……」
 人質に取っていた男の顔面にペイント弾が炸裂、インクがべっとりと付着し、鮮やかな色に染めあげた。
「辞めろ……痛てててぇぇ……」
 
――誰が助けに来てくれたんだ?
 俺がそのエアガンに気を取られていた隙を狙って男が前からナイフで突き刺そうとしてきた。

 さらに後方からも、俺を狙い突き殺そうとする殺気と共に木刀が牙のように襲いかかってくる。俺は木刀をかわして、なにごともなかったかのように、木刀を掴んだ。俺はこの殺気の男を知っている。
 
 木刀の刃先は突っ込んで来ていた男の寸前でピタリと静止して止まった。目の前の刃先に驚き、腰を抜かして、その場にヘタり込んで、おしっこを漏らしていた。
 
 その座り込んでいる男の面を拝みながら、嫌味をぶちまけてやった。
「おじさん、こんなところでおしっこするなら介護用オムツをした方がいいんじゃないですか?」
 
「ひっひぇぇぇぇぇ」
 形勢が逆転したしてしまったことに、動揺した男が逃げ出した。
 
「うおりゃァ!」
 殺気を飛ばしてきた男が、逃げ出した男を投げ飛ばし気絶させてニタりと笑った。
 
 俺も受け取った木刀で自分の肩をトントンと叩いた。そして背後から近づきつつある、殺気の相手に対してニタりと笑うと、振り返りざまに、木刀をクルりと反転させ、握り手の部分を殺気の男に差し出した。
 
「危ないじゃないですか!……こんなの当たったら死んじゃいますよ」 
「おまえがこんなもので死ぬくらいなら、この前の決闘でワシが勝っとたわぁ……」

 ガツガツと近寄る殺気の男は差し出された木刀を受け取った。その聞き覚えがある声の主は福田先輩であった。そして持ってきた縄で、男達が縛りあげられてゆく。
 
――なんで縄なんか持っているんだ?しかも、なぜ襲われていることを知っていたんだ?
 
「これでヨシっと、全員捕まえたなぁ」
――いやまだだ!あと一人いたはず……

 ガサガサと茂みの中から、こちらに近づいてくるものがいた。おれは最後の一人だろうと思い戦おうとしていた。だが、そこに現れたのはエアガン片手に迷彩服を着た少年であった。
  
「なんとか上手く行きましたねぇ……先輩」 
「野田君じゃないか……」
 
 最後の一人は茂みの奥にある林の中で、ブービートラップに引っかかり、逆さ吊りの状態で泡を吹いていた。
 
「これって……野田君がやったの?」
「はい、上手く引っかかってくれました」
 にっこりと微笑み、獲物がワナにかけたことをグッジョブサインを高らかにかざして喜んでいた。

 野田君の趣味はサバイバル訓練で、よくエアガンの射撃訓練や罠を作って、動物を捕まえたりして遊んでいるらしい。将来の夢は、自衛隊になることだそうだ。
「よくやった野田、おまえの手柄じゃなぁ!」

 よくよく話を聞いて見ると、サバイバル訓練を楽しんでいたところ、どこかで聞いたことのある声を聞いてやってきた。すると大人の男達と揉めていた俺達を見つけ、すぐに福田先輩にNINEで報告したそうだ。

 その知らせを受けた福田先輩は自宅へ木刀を取りに帰り、ここへと駆けつけてくれたそうだ。
――なんて後輩思いのいい先輩なんだ!
 
「先に、その怪我をなんとかしましょうか」
 叶芽は濡らしてきたハンカチを使って、俺の傷ついた顔をきれいに洗い流してくれた。
「助けてくれて……ありがと」
「あぁ無事でよかった」
 軽くうなずきやさしく手当をしてくれた。その恥ずかしそうに照れる彼女の顔がとても愛おしく思えた。
「なにみてんの?」
「いや、別に……」
 急に顔を赤く染めると、手当が荒くなってきた。
「痛てっ……痛いって……」
「これくらい我慢しなさい。男の子でしょう?」
 
 そのあと野田君が緊急用に持ち歩いていたワセリンと養生テープを使い、傷の応急処置を施してくれた。
「はい……終わり」
 
「ありがとう……」
 俺は傷の痛みを堪えているところへ、福田先輩が心配そうな顔をして具合を聞きにきた。
「怪我の具合はどうじゃ?」
 
 図体のでかい先輩を、見上げて皮肉たっぷりにつぶやいた。
「もう大丈夫ですよ。もっと早く助けに来てくれれば、怪我しなくて済んだんですけどね……」
 
「ヒーローたるものは、常に遅れて登場するものなんだろう?」
 福田先輩は言い返してやったと自慢げな表情で満足すると生意気そうな俺を見ていた。
――俺のセリフは取らないで欲しいものだ。

「元気そうでなによりじゃ!」 
 俺の背中をバンバンと叩いてカツを入れると、大笑いをして腕組みをしていた。
 
 
「ねぇ、智君この人達どうしょうか?」
 
 叶芽が福田先輩にこの男達をどうするのかを相談するとうーんと悩んでいた。
「そうじゃのう……警察にでも、突き出すか!」

 野田君がすぐに警察に電話を入れると、すぐにパトカーが飛んできた。
 
 事情を説明した後、男達は誘拐未遂と傷害罪の容疑で御用となって連れて行かれた。これで事件は解決した。

 
 


 
 
 


 

 
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