6 / 10
チーズは亜種で
しおりを挟む
古びたペンションを改装したその図書館は、元々は地元の地主の所有物だったらしい。キャンプ場や湖周辺を見渡せ、夏の蒸し暑さを掻き消す様な涼しい風が吹く私たちの溜まり場になった。
蔵書数は少ないけれど、趣ある外観とベランダからの景色は見るものがある場所で、色先輩は良くこの場所で勉学に励んでいた。
一冊の小説を携えながら、私は色先輩が待つオープンテラスへと脚を進める。図書館では湿気対策の為に締め切り、クーラーが常に回っているけど、景色と自然の涼しさにはやはり勝てない。
鳴き続ける蝉の声が妙にうるさくて、それでも夏を意識してしまう事には歯痒いなとか思いた。
そんな中。私に気が付き、わざとらしく隣りを指す色先輩。
私が来るのを楽しみにしていたのか、その表情は晴れやかだ。
ルーズリーフに書き足しながら、受験勉強に励む色先輩は私が携えた本を見ると、興味ありげにその手を止める。
その視線の先にあったのは、図書館から持ち出した一冊の本だ。
「へぇ、長瀬後輩は短編集が好み、……と」
「勧めたのは先輩ですよ?」
「……そうだっけ?」
「憶えていないんですか?」
先週とは言わないけど、ここ最近の話だ。
かなりの読書家である色先輩は、様々な本に手を出しては私に紹介してきた。色先輩の好みは多岐にわたり、恋愛小説から推理物、ファンタジーに至るまでありとあらゆるジャンルを好む。
その中には伝記やら、あやしい短編集やら。一度色先輩の部屋にお邪魔させてもらった身としては、先輩は多種多様な本を好んでいるようだった。
かく言う私も、色先輩程ではないけど本を嗜む。
ジャンルに偏りがあるのは否めないが、読書家と自負できるくらいには様々な本を読んだ。
「……あ、思い出した。東星がケガしてたあの時でしょ。でも長瀬後輩。私は確かに、一度読んでみると良いとは言ったけど、あまりに独創的だと付け加えた筈だよ」
独創的。
挑戦的な作品という解釈としよう。
テラスを囲むように森林が日光を妨げ、本の日焼けを守るように手を伸ばす。木製の椅子に佇む色先輩は、此方を覗き込むように手を頬に沿える。
「その短編集は尚更お勧めしないね。うん、実に下らないと思うよ。
__それに、私が読む本はどれもこれもがそんな本ばかりだから、後輩にお勧めできる一品なんて存在しないって前から言っているだろ?真面目な話。庵の本棚の方が為になると思うけどな」
そんな事は無い。
私が学んだ大切な事を教えたのは、先輩が紹介した小説であり、彼女が私にこの趣味を教えてくれた。彼女が教えた小説が間違いなのなら、私の感動した感情さえも間違いだとでも言うのか?
その問いに、目の前の先輩はにこやかな表情を浮かべて何も言わない。真面目な話、彼女はそれをジョークとして言ったつもりだろう。それは私も理解している。
だけど、私にとっての先輩が特別であり。私が感動した書籍が特別である為に。私は、先輩の意見に対して言わなければならなかった。
私は、私の感動を否定されたくなかっただろう。
彼女は、私の目を覗きながら。何時も通りのセリフを吐く。
「……まぁ、隣の芝生は青く見えるモノだけどね」
先輩はそう言って、自身の席に広げていた勉強道具を仕舞った。
中学二年、受験シーズンが迫るなか勉学に余念がない先輩の志望校は、隣町にある普通科高校だ。先輩は私達の中でも成績が良く、元々の真面目な気質も相まって進学に対しては不安が無いらしい。
此処での勉学は自分がとても落ち着けるからと、精神面での意味合いが強いとこぼしたのはほかならぬ先輩だ。
落ち着いた所で考えを巡らせるのが、マイブームだと崩した言い方をしていた。
私は、先輩に読書の誘いを受けてここへ来た訳だけど、如何やら先輩は何時も通りお勧めの小説を重ねてはいなかったようで、短編集の話を二、三度話しかけた後、次のように世間話を挟む。
「それよりも、長瀬後輩。この前、東星と一緒に”B・ミーツ”へ行ったんだけどね。その時、私はチーズケーキを注文したんだが、東星の奴がチーズケーキをお菓子だと認めないって話をしてさ」
先輩曰く、下らない話題に出てきた人物。
この街の登山クラブで知り合った先輩、最上先輩は、色先輩と幼い頃からの友人。傍から見れば親密な関係だけど、そんな事は無い。
芝生を比べるまでも無く、釣り合いが取れる訳がないと思っているのは、私だけではなく本人曰くだ。
B・ミーツというケーキ屋は、私達とは湖を挟み対照的な集落にあるケーキ屋だ。林道を通る故に、あまり気軽にはいけないと思うのだけれど。
多芸多趣味なツーリング仲間として、そういう事もするのだろう。
「あの時、あいつはマンゴーケーキを注文していたんだけどさ。奴曰く、フルーツケーキや野菜ケーキが代表的な店で、そんなものを注文するもの好きは”君ぐらい”なんて迷い事を言っていたんだ。
心外だろ?酷いと思わないか?」
だから、私は言ったんだ。
なら、野菜ケーキだって総菜に違いないだろ?なのに、ケーキとして否定しない君は一体何なんだ?君が見ているマンゴーだって、ジャンル的には野菜と相違ないじゃないか。動物性か植物性かでどれほど変わるって言うんだ?
__等と。
最上先輩と色先輩は、そのような言い合いをしていたようで。傍目から見ればたわいもない世間話だというのに、熱心に話す先輩の表情は、何処かいつも以上に楽しそうだった。
その顔に、少し羨ましい気持ちが浮かぶ。
私の憧れは遠いというのに、あの先輩は。
隣の芝生は青く見える。先輩の口癖が過る。
「そう言えば、最上先輩はあの店がお気に入りでしたね」
「庵の誕生日ケーキをどうしようか迷ってさ。東星にアドバイスをもらったんだ。私の自信作でも構わないと言っていたけど、プロとアマチュアでは比べものにならないだろ?
技量を高めるのもいいけど、技量にはそれ相応の時間がかかる。私は何でも程々に出来るけど、程々しか出来ないからね。経験を積んだプロには負けてしまう。
君は自慢の後輩だから、其れを理解して毎回プレゼントを贈ってくれているけどさ。東星じゃ、そんな気遣いなんて出来ないからね」
程々に出来る先輩は、全部は出来ない。
色先輩の料理の腕は、私が見る限りでは素晴らしいと思っている。だけどもそれは、家庭で作るレベルでの話で、店を開く程ではないと彼女は語る。家庭の味は大切だけど、プロとは比較にならないと彼女は言った。
AはBになれないと彼女は言う。
どこか諦めた様子で、彼女は付け足した。
「先輩の心がこもった手作りなら、庵先輩も喜ぶのでは?」
「現物は、それなりの物しか出来ないだろ?
せっかくの誕生日だからさ。私は拘りたいんだよ。出来る限りを尽くすよりも、出来ない事を他人で補いたい。__私だって、完璧ではないから」
必要なのは、心よりもセンスだと色先輩は言った。
思い出は選べるのだと、付け加えた。
「ところで、長瀬後輩。この後は暇?」
「__受験生でもないので、暇ですね」
こうして読書へと誘ったのは貴方だろうに、如何やら本命は違うようで、彼女は私を一瞥した後に湖へと顔を向けた。
伸ばした手はある一点を指し示しているようで、私は自然とその方向へと顔を向ける。
「んじゃあ、少しハイキングをしないか?良い読書スペースを見つけたんだ」
「ハイキングですか?」
「ここよりもいい避暑地を見つけてね。生憎、誰も付き合ってくれないんだ。最上は相変わらずだし、庵だって付き合いが悪くて。私に付き合ってくれるのは長瀬後輩ぐらいしかいないんだよ。__お願い、聞いてくれるだろうか?」
__自宅からは離れている故に、登山の其れとは比べる程ではないにしろ今の格好は十分動ける恰好だった。成程、先輩は私の顔ではなく恰好を見ていたようだ。
陰湿な言葉を飲み込んで、先輩が望んでいるであろう優秀ちゃんな後輩として、私はわざとらしく頬をつきながら答える。
「いいですよ、先輩のご命令とあれば」
「私の後輩は、やっぱり優秀ちゃんだね。__後、もう一つお願いがあるんだけどさ。……聞いてほしいな」
晴天のような彼女は、私に折りたたまれた紙を渡した。
彩り豊かなその色は、私の心を染め上げてくれた。
そんな色に対して出来る事に、話相手以外の選択肢はなくて。
隣の芝生は青色で、私自身は空白だったけど。
それでも頼ってくれる蒼い色彩の言葉に、私は想像以上に救われていた。
これが延々ではないと分かっていた。
けれども、もっと長く続くと思っていた。
色彩は、晴れやかに其処にあったから。
「どうか、私の手を繋いでほしい」
青く眩しい色彩は、何時だって遠くて。
私は、尊敬を込めてその蒼を愛していた。
困ったような顔をする色先輩。
その青色は、それでも笑っていた。
蔵書数は少ないけれど、趣ある外観とベランダからの景色は見るものがある場所で、色先輩は良くこの場所で勉学に励んでいた。
一冊の小説を携えながら、私は色先輩が待つオープンテラスへと脚を進める。図書館では湿気対策の為に締め切り、クーラーが常に回っているけど、景色と自然の涼しさにはやはり勝てない。
鳴き続ける蝉の声が妙にうるさくて、それでも夏を意識してしまう事には歯痒いなとか思いた。
そんな中。私に気が付き、わざとらしく隣りを指す色先輩。
私が来るのを楽しみにしていたのか、その表情は晴れやかだ。
ルーズリーフに書き足しながら、受験勉強に励む色先輩は私が携えた本を見ると、興味ありげにその手を止める。
その視線の先にあったのは、図書館から持ち出した一冊の本だ。
「へぇ、長瀬後輩は短編集が好み、……と」
「勧めたのは先輩ですよ?」
「……そうだっけ?」
「憶えていないんですか?」
先週とは言わないけど、ここ最近の話だ。
かなりの読書家である色先輩は、様々な本に手を出しては私に紹介してきた。色先輩の好みは多岐にわたり、恋愛小説から推理物、ファンタジーに至るまでありとあらゆるジャンルを好む。
その中には伝記やら、あやしい短編集やら。一度色先輩の部屋にお邪魔させてもらった身としては、先輩は多種多様な本を好んでいるようだった。
かく言う私も、色先輩程ではないけど本を嗜む。
ジャンルに偏りがあるのは否めないが、読書家と自負できるくらいには様々な本を読んだ。
「……あ、思い出した。東星がケガしてたあの時でしょ。でも長瀬後輩。私は確かに、一度読んでみると良いとは言ったけど、あまりに独創的だと付け加えた筈だよ」
独創的。
挑戦的な作品という解釈としよう。
テラスを囲むように森林が日光を妨げ、本の日焼けを守るように手を伸ばす。木製の椅子に佇む色先輩は、此方を覗き込むように手を頬に沿える。
「その短編集は尚更お勧めしないね。うん、実に下らないと思うよ。
__それに、私が読む本はどれもこれもがそんな本ばかりだから、後輩にお勧めできる一品なんて存在しないって前から言っているだろ?真面目な話。庵の本棚の方が為になると思うけどな」
そんな事は無い。
私が学んだ大切な事を教えたのは、先輩が紹介した小説であり、彼女が私にこの趣味を教えてくれた。彼女が教えた小説が間違いなのなら、私の感動した感情さえも間違いだとでも言うのか?
その問いに、目の前の先輩はにこやかな表情を浮かべて何も言わない。真面目な話、彼女はそれをジョークとして言ったつもりだろう。それは私も理解している。
だけど、私にとっての先輩が特別であり。私が感動した書籍が特別である為に。私は、先輩の意見に対して言わなければならなかった。
私は、私の感動を否定されたくなかっただろう。
彼女は、私の目を覗きながら。何時も通りのセリフを吐く。
「……まぁ、隣の芝生は青く見えるモノだけどね」
先輩はそう言って、自身の席に広げていた勉強道具を仕舞った。
中学二年、受験シーズンが迫るなか勉学に余念がない先輩の志望校は、隣町にある普通科高校だ。先輩は私達の中でも成績が良く、元々の真面目な気質も相まって進学に対しては不安が無いらしい。
此処での勉学は自分がとても落ち着けるからと、精神面での意味合いが強いとこぼしたのはほかならぬ先輩だ。
落ち着いた所で考えを巡らせるのが、マイブームだと崩した言い方をしていた。
私は、先輩に読書の誘いを受けてここへ来た訳だけど、如何やら先輩は何時も通りお勧めの小説を重ねてはいなかったようで、短編集の話を二、三度話しかけた後、次のように世間話を挟む。
「それよりも、長瀬後輩。この前、東星と一緒に”B・ミーツ”へ行ったんだけどね。その時、私はチーズケーキを注文したんだが、東星の奴がチーズケーキをお菓子だと認めないって話をしてさ」
先輩曰く、下らない話題に出てきた人物。
この街の登山クラブで知り合った先輩、最上先輩は、色先輩と幼い頃からの友人。傍から見れば親密な関係だけど、そんな事は無い。
芝生を比べるまでも無く、釣り合いが取れる訳がないと思っているのは、私だけではなく本人曰くだ。
B・ミーツというケーキ屋は、私達とは湖を挟み対照的な集落にあるケーキ屋だ。林道を通る故に、あまり気軽にはいけないと思うのだけれど。
多芸多趣味なツーリング仲間として、そういう事もするのだろう。
「あの時、あいつはマンゴーケーキを注文していたんだけどさ。奴曰く、フルーツケーキや野菜ケーキが代表的な店で、そんなものを注文するもの好きは”君ぐらい”なんて迷い事を言っていたんだ。
心外だろ?酷いと思わないか?」
だから、私は言ったんだ。
なら、野菜ケーキだって総菜に違いないだろ?なのに、ケーキとして否定しない君は一体何なんだ?君が見ているマンゴーだって、ジャンル的には野菜と相違ないじゃないか。動物性か植物性かでどれほど変わるって言うんだ?
__等と。
最上先輩と色先輩は、そのような言い合いをしていたようで。傍目から見ればたわいもない世間話だというのに、熱心に話す先輩の表情は、何処かいつも以上に楽しそうだった。
その顔に、少し羨ましい気持ちが浮かぶ。
私の憧れは遠いというのに、あの先輩は。
隣の芝生は青く見える。先輩の口癖が過る。
「そう言えば、最上先輩はあの店がお気に入りでしたね」
「庵の誕生日ケーキをどうしようか迷ってさ。東星にアドバイスをもらったんだ。私の自信作でも構わないと言っていたけど、プロとアマチュアでは比べものにならないだろ?
技量を高めるのもいいけど、技量にはそれ相応の時間がかかる。私は何でも程々に出来るけど、程々しか出来ないからね。経験を積んだプロには負けてしまう。
君は自慢の後輩だから、其れを理解して毎回プレゼントを贈ってくれているけどさ。東星じゃ、そんな気遣いなんて出来ないからね」
程々に出来る先輩は、全部は出来ない。
色先輩の料理の腕は、私が見る限りでは素晴らしいと思っている。だけどもそれは、家庭で作るレベルでの話で、店を開く程ではないと彼女は語る。家庭の味は大切だけど、プロとは比較にならないと彼女は言った。
AはBになれないと彼女は言う。
どこか諦めた様子で、彼女は付け足した。
「先輩の心がこもった手作りなら、庵先輩も喜ぶのでは?」
「現物は、それなりの物しか出来ないだろ?
せっかくの誕生日だからさ。私は拘りたいんだよ。出来る限りを尽くすよりも、出来ない事を他人で補いたい。__私だって、完璧ではないから」
必要なのは、心よりもセンスだと色先輩は言った。
思い出は選べるのだと、付け加えた。
「ところで、長瀬後輩。この後は暇?」
「__受験生でもないので、暇ですね」
こうして読書へと誘ったのは貴方だろうに、如何やら本命は違うようで、彼女は私を一瞥した後に湖へと顔を向けた。
伸ばした手はある一点を指し示しているようで、私は自然とその方向へと顔を向ける。
「んじゃあ、少しハイキングをしないか?良い読書スペースを見つけたんだ」
「ハイキングですか?」
「ここよりもいい避暑地を見つけてね。生憎、誰も付き合ってくれないんだ。最上は相変わらずだし、庵だって付き合いが悪くて。私に付き合ってくれるのは長瀬後輩ぐらいしかいないんだよ。__お願い、聞いてくれるだろうか?」
__自宅からは離れている故に、登山の其れとは比べる程ではないにしろ今の格好は十分動ける恰好だった。成程、先輩は私の顔ではなく恰好を見ていたようだ。
陰湿な言葉を飲み込んで、先輩が望んでいるであろう優秀ちゃんな後輩として、私はわざとらしく頬をつきながら答える。
「いいですよ、先輩のご命令とあれば」
「私の後輩は、やっぱり優秀ちゃんだね。__後、もう一つお願いがあるんだけどさ。……聞いてほしいな」
晴天のような彼女は、私に折りたたまれた紙を渡した。
彩り豊かなその色は、私の心を染め上げてくれた。
そんな色に対して出来る事に、話相手以外の選択肢はなくて。
隣の芝生は青色で、私自身は空白だったけど。
それでも頼ってくれる蒼い色彩の言葉に、私は想像以上に救われていた。
これが延々ではないと分かっていた。
けれども、もっと長く続くと思っていた。
色彩は、晴れやかに其処にあったから。
「どうか、私の手を繋いでほしい」
青く眩しい色彩は、何時だって遠くて。
私は、尊敬を込めてその蒼を愛していた。
困ったような顔をする色先輩。
その青色は、それでも笑っていた。
0
あなたにおすすめの小説
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる