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①⑤
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給食が月、火とないのはどこも共通らしいが、月曜日が休校か否かはそこの学校によるらしい。長男の学校は午前授業だが、隣の小学校は休校だということだ。長男には弁当を持たせ、学童に通常の下校時刻まで居て、それから習い事に行くように話した。なるべく一人にならないように、出掛けている時に余震が来て例えば停電になったら、信号が点かないからものすごく気をつけて帰るように。二つある習い事のうち、くもんは同じ学区の子供ばかりのためか教室があるが、バスケットボールは休講とのことだった。隣の小学校が休校なので、あり得る結果だ。そうなるとくもんが終わってから私が帰宅するまでの間、長男は一人ということになる。余震が来ないことを祈るしかなかったが、何事もなく一日は過ぎた。例の「二日後に本震がくる」という噂の当日をやり過ごしたため、そして新しい一週間が始まったため、世間も完全に地震に対して油断している印象だった。スーパーも月曜日は機能をほぼ取り戻し、牛乳も復活してきているとの情報もあった。しかし、まだ風呂に貯めた水は抜けないな、と私は思っていた。一週間我慢しよう。一週間は家族全員で寝るし、水は確保しておこう。長男は極力学童に行かせ、一人にしないようにしよう。
大きな余震がないまま火曜日に。私は仕事が忙しいからかもしれないが、日中はまったく揺れを感じなかった。
長男には弁当を持たせた。学童に五時までいるように言うと、三時半に帰る友達がいるから一緒に遊びたいと言い出した。長男の学童はいわゆるミニ児童会館といって、学校の中の教室を借りて運営されている。というわけで体育館で遊べるわけでもなく、狭い部屋に低学年を中心とした児童達がすし詰めにされて時間が過ぎるのを待つのだ。あまりいい環境とは言えず、自分で鍵をかけて遊びに行けるようになったら別に利用しなくてもいいかなと思う。
「みんな地震だからいるんじゃないの?」
「わかんない。でもいつも三時半に帰る友達がいるからさ」
……友達と一緒ならいいだろうか。いいか。私はまたここで地震モードから少し卒業した。
「友達が五時までいるって言ったら五時までいなさい。もし遊びに行くなら誰と遊ぶかメールして」
大きな余震がないまま火曜日に。私は仕事が忙しいからかもしれないが、日中はまったく揺れを感じなかった。
長男には弁当を持たせた。学童に五時までいるように言うと、三時半に帰る友達がいるから一緒に遊びたいと言い出した。長男の学童はいわゆるミニ児童会館といって、学校の中の教室を借りて運営されている。というわけで体育館で遊べるわけでもなく、狭い部屋に低学年を中心とした児童達がすし詰めにされて時間が過ぎるのを待つのだ。あまりいい環境とは言えず、自分で鍵をかけて遊びに行けるようになったら別に利用しなくてもいいかなと思う。
「みんな地震だからいるんじゃないの?」
「わかんない。でもいつも三時半に帰る友達がいるからさ」
……友達と一緒ならいいだろうか。いいか。私はまたここで地震モードから少し卒業した。
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