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妹の、物語!!
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後悔しても意味が無い、次へ進め
後悔したところで、過去へは戻れない、未来へ進め
後悔しても失敗は失敗だ、成功するために進め
時には戻れ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
笠沙彩奈
それが私の名前です
最近はずっと兄貴のこと嫌ってる感じだけど、別にそんなことはないです
好きでもないですが
じゃあなんで嫌ってるような態度をとってるのか、そのきっかけというのはちょっとだけ覚えてます
少し遡ってみましょう
「陽向ちゃん…………ずっと兄貴と遊んでない?」
「好きだからいいじゃん!あ!もしかして嫉妬?私が知也お兄さんとずっと遊んでて、大好きなお兄ちゃんが取られちゃう~!」
「うわ、大好きとかありえないよ。あと声真似やめて、似てないしなんか気持ち悪い」
「素直じゃないなぁ!よし、じゃあ今日も家に遊びに行っていい?」
「いいけどさ…………イチャイチャするのやめてね、なんかはずかしい」
「将来の妹さんがそう言うなら今日は控えておくよ♪」
「こんな姉さんいやだなぁ…………」
陽向ちゃんは中一だけど、帰り時間が噛み合って、しかも小学校と中学校の距離も遠くなく、帰る時は同じ道を通るので、よく2人で帰っていました。陽向ちゃんとは小五の時に出会って、最初は兄貴が誘拐してきたんじゃって心配してましたが、そのあと陽向ちゃんがわざとこういうことをしたのも分かって、
「知也お兄さんが変に優しく接してくれたから好きになっちゃった!」
って変なこと告白してましたからびっくりしました……まあ、見た目も可愛いし、悪い人じゃなさそうだったから私は全然、まあ……反対はしませんでした。
「兄貴、帰ったよ」
「知也お兄さんならまだだよ」
「……ホントだ、靴がない。なんでわかったの?」
「……えへへ」
「怖いよ…………」
そういえば、兄貴最近こんなことを相談してきました
『なあ我が妹よ……』
『あにきぃ、それなんか気持ち悪いよ……かっこよくないからね』
『なんだと!?我は神の使いだぞ!!気持ち悪いなど言ってはならぬことを……!!』
『はいはい、かっこいいよ。で、なに?』
『いやさ、陽向なんだけどさ』
『また~?もう何回目だよ……この前だって、陽向ちゃんずっと付いてくるよぉ~!!急に抱きついてくるし、しかもなんかいい匂いするから困る!何とかしてくれ~!!って』
『いやいや、今回はまじだって』
『こっちからしたらただのバカカップルの話を聞かされてるだけだからね』
『いやいや、マジのマジだから』
『……仕方ないなぁ、で?』
『陽向がさ、あの…………』
『ん?』
『いや、えと…………あれだよ』
『分からないよ、あれあれ言われても』
『…………き、きす…されて…………』
『…………なんでそんな恥ずかしがるの?今更感があるんだけど』
『恥ずかしいだろ!!初めてなんだぞ!』
『……で、キスがどうしたの?』
『よくそんな堂々と言えるな………いやさ、別にいいんだけどさ、クラスの人の前でやられるんだよ』
『???学年違うじゃん』
『来るんや、こっちに』
『まあ、バカカップルにはよくある話ですね、はいはい羨ましい』
『茶化すなよ、問題はこっからだよ』
『またあるの?もうこっちがしんどいよ』
『断ったらさ、「昨日あんな激しかったのに!!!好きって言ってくれたのに!!嘘だったの!?」ってガチ泣きするんだよ…………先生にも聞かれて危うく三者面談されるとこだったし、この前だって急に浮気された!って言って、社会的に死にかけたし…………なんとかしてくれ…』
『聞いた私がバカだった』
『なんで!!』
『もうバカカップルの極みじゃん…………』
『いや、付き合ってないからな!?何回も言うけど』
『でも?』
『……はい、好みです、顔とか顔とか顔とか』
『クズだね』
『ごめんなさい』
………………思い返せばバカバカしい相談でした
まあ、一応聞いてみましょう
「ねえねえ、兄貴と最近どうなの?」
「ん?普通だよぉ、アピールしまくってるのに全然動じてくれないけど」
それだよぉ…………てか普通に動じまくってんじゃん
「例えばどんなアピールしてるの?」
「ん~、そうだねぇ、例えば不意打ちのキスとか!振り向いてくれるように嘘ついたり……あとはぁ、そうそう!パンツ履いていかずに、こう、事故を装って見せたり!」
兄貴が相談したのと同じ……………………
「ごめん、最後もっかい言って」
「は、恥ずかしいよさすがに」
「いいから」
「んぅ…………パンツ履いてない状態で……み、見せたり…」
は?
なんだよぉぉそれぇぇぇ!!!!?
えぇ!?なに!?新たなプレイかなにかなの!?
うぇぇぇ!?もうバカカップル超えてんじゃん!!てかちょっと引いたよ!やっぱ痴女だよこの人!
想像以上にやばいじゃん!!
「な、なんでそんなことするの?」
「だって動じてくれないんだもん!」
「だからってそんな……」
「振り向くためなら手段を選ばないよ!」
「度が過ぎると思わないの!?」
「思わないよ!」
「なんでだよ!!」
「分かってないなぁ、これが恋する乙女ってことよ」
「うるさい!そんな乙女あってたまるか!」
「わ!!ちょっと暴れないでよ」
「はぁ……はぁ…ごめん、ちょっと気乱れた…」
「なんかいつもの彩奈ちゃんと違うね……ちょっと嬉しいかも」
「嬉しくならないで」
「まあ!そういうこと!ねぇ、なんかいい案ないの?」
「……控えるt」
「断る」
「即答かい!」
「他にないの?」
「もうないよ…………それしかないよ…」
「んんん……でもやっぱなんか足りないんだよね」
「……告白したら?」
「しても無駄じゃん」
「ギャップ萌えさせるとかあるじゃん?あと雰囲気選んだり」
「でも……もうなんか学校中で付き合ってるみたいな感じで見られてるから、あまり意味が無い気がする」
「そうだろうね!!!バカカップル超えてクソカップルだよ!」
「さっきからキャラが違うよ!ほら水飲んで落ち着いて」
もう有り得ない…………こんなペア存在していいのか??いえ、もう滅んでください。
兄貴も兄貴です、ロリコンのくせに性格が~とか、何をほざいてんだか…顔が良ければ全ていいくせに
「あ!そうだ!監禁とか」
「だめ」
「まだ言い終わってないよ!」
「監禁の時点でアウトだよ!」
「じゃあどうすればいいの…」
「そもそも私はなんでこんなことに手伝わされてるのか知りたい」
「将来の妹さんだから」
「なんか反対したくなってきた」
「近親相姦はいけません」
「……」
「飽きられた!?」
まったく陽向ちゃんは……とは言っても何かいい案はあるのでしようか。兄貴は普通に顔は好みって言ってますし、正直脈アリじゃない?って思ってもいます。
だとすれば問題点はどこだろう
「あ……」
「なになに!?なんかいい案浮かんだの!?」
「んー!!近い近い!」
「で!で!なになに!?」
「いやね、兄貴の方から陽向ちゃんとの距離を近づかせるだけだけどね」
「それでもいいよ!」
「今兄貴は私に相談をしてるんだよ、それを逆にすればいいと思うの」
「ん?」
「だねよ。分からないよね。私も何言ってるか分からない」
「????」
「具体的にね、今の私との立場を逆にすればいいんだよ。兄貴が陽向ちゃんに相談する何かを作ればいい!」
「でもでも、私じゃなくて他の人とか、例えば同級生とかさ、隣の華那ちゃんとかさ」
「それを考えるんだよ、陽向ちゃんにだけ相談できる何か」
「んーー、何かあるかなぁ」
正直無理のある案とは思いました。今の兄貴の様子から陽向ちゃんに何か相談するなんてほぼ有り得ないし
「あ!これならいけそう」
「どんなどんな!?」
「私が兄貴を嫌えばいいんだよ、そしたら兄貴も誰かに相談するでしょ」
「え、彩奈ちゃんにそんなことできるの?」
「え、できるでしょ」
「嘘でしょ、自分のお兄ちゃんだよ?しかも知也お兄さんだよ?私なら死んでも無理だよ」
「…私別に兄貴に恋してるわけじゃないからね」
「んー…でも知也お兄さん可哀想だよ」
「じゃあなしでいい?」
「……うん、やめよ」
やっぱ陽向ちゃんは普通に良い子です、なんか私が馬鹿みたいになりました
正直私もあまり自分から兄貴を嫌いになりたくないです、だって兄妹だもの、家族は仲良くしないと
「ただいま」
「知也お兄さん!!!」
「え、うわやめろ!!!」
私の目の前からいきなり陽向ちゃんが消えて、気がつけば玄関にいる兄貴に抱きついていました。いくらなんでも速すぎる、ミサイルか
「兄貴おかえり、ってなんで死にそうな顔してんの」
「陽向ちゃん離れて…腹に入った……」
「わ!ごめん知也お兄さん、大丈夫?ぺろぺろしてあげるから!」
「やめろ!!服捲るな!」
「なんで?私のぺろぺろ嫌になったの?」
「………………」
「されたことねぇよ!!!おい彩奈、その目やめろ、後で写真撮らせて」
「……ほんと変態」
「そんなお兄さんも大好き、えへへ」
「……ぁぁ、かわぃぃ…」
「満更でもない顔すんなクソ兄貴」
「えぇ、クソはないでしょ…」
「何?また見せつけるの?」
「ほ、ほら!陽向ちゃん離れて!」
「嫌だもん」
「じゃ、私部屋に戻るから」
「わ!!待って!いや、なんでお前そんな抱きつく力強いんだよ!!離ぁせ!!」
「んーー、いい匂い。ねぇねぇ、私もう我慢できないよ、知也お兄さんの部屋に行こ?」
「…!!いや待てぃ!てか妹怒ってるぞ!お前なんかしたんか?」
「??何もしてないよ?」
「マジ?俺初めてクソ兄貴って言われたんだけど………」
「そうなんですか?」
「うん、さすがにちょっと……」
「ほんとシスコンですね。ちょっと様子見てきます」
「ありがと」
「はぁ………」
私なんでため息ついてるんでしょうか…
「あんなに仲良いじゃん、なにも問題ないし、もうそのままくっつけてくれればいいのに」
私からじゃなくても、誰から見てもあれは仲良しカップルにしか見えません。なのにもっと仲良くしたいとか、兄貴に関してはちょっと距離離れて欲しいとか……こっちの身にもなって欲しいです。普通の人ならまだ手伝えるんですけど、あのバカ二人相手にはどうも疲れてしまいます
「馬鹿ばっか…………」
いえ、ひょっとすると私は嫉妬しているのかもしれません…あんなイチャイチャを目の前でされたらさすがの私も嫌になります
「彩奈ちゃん?いる?」
コンコンコンって音がして、私は我に返ります
「なに?」
「…お話しよ?」
「んーん、今そういう気分じゃない」
「……さっきはその、ごめんね」
「なんで謝るの?」
「いや、だって………」
陽向ちゃんは私に気をつかってくれてるのでしょう…仕方ないです
「いいよ、入って」
「ほんと!?おじゃましまーーーす!!!」
「わ、ちょっと」
「ダーーーイブ!!」
「やめ」
「えへへ、彩奈ちゃんのほっぺ柔らかーーい」
「ちょっと、スリスリやめてってば」
「んふふふ」
「まったく…」
「さっきごめんね、ちょっとはしゃぎすぎちゃった」
「ちょっとなの?」
「??そうだよ?」
「あれでちょっとなのね」
「もしかして嫉妬しちゃってる?」
「そんなわけないから、にやにやするな」
「嘘つき~、お兄さん悲しんでたよ、初めてクソ兄貴って言われたって」
「そうかなぁ、初めてじゃない気がするけど…」
でも言われればそうかもしれません、クソなんて滅多に言いませんし、そもそもお母さんからやめなさいって言われてますから
あ、でも馬鹿はいっぱい言ってますね、それと勘違いしたのかもしれません
となるとやっぱり初めてとなりますね
「後で謝っとくよ」
「それがいいよ!落ち込んでる知也お兄さん見たくないしね!」
「私は毎日のように見てるけどね」
「む…なんか悔しい…」
「なんで…」
「あ!住ませt」
「無理」
「嫌だ嫌だ!!」
「無理だよ!!!」
「あ!そうだ!」
「無理なものは無理だからね」
「違うよ、彩奈ちゃん中学校どうするのかなぁって」
「同じとこだよ」
「やったぁ!!!一緒に登校できる!やったー!」
「こんなこと言われたら嬉しいはずなのに嬉しくない」
「私は嬉しいもん」
今年の四月から同じ中学校に通うって思うと少し嫌になってしまいます……私まで巻き込まれて、馬鹿の一員って定着したらたまったもんじゃありません
でも陽向ちゃんはいつも明るいですから、こっちも明るくなってしまいます。そうやって考えれば少し楽しみではあります
「ふふ、私も嬉しいよ」
「!?彩奈ちゃん大好き!さすがは私の将来の妹!!」
「んー!!くっつくな!」
私の物語はまだまだ続きそうです
後悔したところで、過去へは戻れない、未来へ進め
後悔しても失敗は失敗だ、成功するために進め
時には戻れ
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笠沙彩奈
それが私の名前です
最近はずっと兄貴のこと嫌ってる感じだけど、別にそんなことはないです
好きでもないですが
じゃあなんで嫌ってるような態度をとってるのか、そのきっかけというのはちょっとだけ覚えてます
少し遡ってみましょう
「陽向ちゃん…………ずっと兄貴と遊んでない?」
「好きだからいいじゃん!あ!もしかして嫉妬?私が知也お兄さんとずっと遊んでて、大好きなお兄ちゃんが取られちゃう~!」
「うわ、大好きとかありえないよ。あと声真似やめて、似てないしなんか気持ち悪い」
「素直じゃないなぁ!よし、じゃあ今日も家に遊びに行っていい?」
「いいけどさ…………イチャイチャするのやめてね、なんかはずかしい」
「将来の妹さんがそう言うなら今日は控えておくよ♪」
「こんな姉さんいやだなぁ…………」
陽向ちゃんは中一だけど、帰り時間が噛み合って、しかも小学校と中学校の距離も遠くなく、帰る時は同じ道を通るので、よく2人で帰っていました。陽向ちゃんとは小五の時に出会って、最初は兄貴が誘拐してきたんじゃって心配してましたが、そのあと陽向ちゃんがわざとこういうことをしたのも分かって、
「知也お兄さんが変に優しく接してくれたから好きになっちゃった!」
って変なこと告白してましたからびっくりしました……まあ、見た目も可愛いし、悪い人じゃなさそうだったから私は全然、まあ……反対はしませんでした。
「兄貴、帰ったよ」
「知也お兄さんならまだだよ」
「……ホントだ、靴がない。なんでわかったの?」
「……えへへ」
「怖いよ…………」
そういえば、兄貴最近こんなことを相談してきました
『なあ我が妹よ……』
『あにきぃ、それなんか気持ち悪いよ……かっこよくないからね』
『なんだと!?我は神の使いだぞ!!気持ち悪いなど言ってはならぬことを……!!』
『はいはい、かっこいいよ。で、なに?』
『いやさ、陽向なんだけどさ』
『また~?もう何回目だよ……この前だって、陽向ちゃんずっと付いてくるよぉ~!!急に抱きついてくるし、しかもなんかいい匂いするから困る!何とかしてくれ~!!って』
『いやいや、今回はまじだって』
『こっちからしたらただのバカカップルの話を聞かされてるだけだからね』
『いやいや、マジのマジだから』
『……仕方ないなぁ、で?』
『陽向がさ、あの…………』
『ん?』
『いや、えと…………あれだよ』
『分からないよ、あれあれ言われても』
『…………き、きす…されて…………』
『…………なんでそんな恥ずかしがるの?今更感があるんだけど』
『恥ずかしいだろ!!初めてなんだぞ!』
『……で、キスがどうしたの?』
『よくそんな堂々と言えるな………いやさ、別にいいんだけどさ、クラスの人の前でやられるんだよ』
『???学年違うじゃん』
『来るんや、こっちに』
『まあ、バカカップルにはよくある話ですね、はいはい羨ましい』
『茶化すなよ、問題はこっからだよ』
『またあるの?もうこっちがしんどいよ』
『断ったらさ、「昨日あんな激しかったのに!!!好きって言ってくれたのに!!嘘だったの!?」ってガチ泣きするんだよ…………先生にも聞かれて危うく三者面談されるとこだったし、この前だって急に浮気された!って言って、社会的に死にかけたし…………なんとかしてくれ…』
『聞いた私がバカだった』
『なんで!!』
『もうバカカップルの極みじゃん…………』
『いや、付き合ってないからな!?何回も言うけど』
『でも?』
『……はい、好みです、顔とか顔とか顔とか』
『クズだね』
『ごめんなさい』
………………思い返せばバカバカしい相談でした
まあ、一応聞いてみましょう
「ねえねえ、兄貴と最近どうなの?」
「ん?普通だよぉ、アピールしまくってるのに全然動じてくれないけど」
それだよぉ…………てか普通に動じまくってんじゃん
「例えばどんなアピールしてるの?」
「ん~、そうだねぇ、例えば不意打ちのキスとか!振り向いてくれるように嘘ついたり……あとはぁ、そうそう!パンツ履いていかずに、こう、事故を装って見せたり!」
兄貴が相談したのと同じ……………………
「ごめん、最後もっかい言って」
「は、恥ずかしいよさすがに」
「いいから」
「んぅ…………パンツ履いてない状態で……み、見せたり…」
は?
なんだよぉぉそれぇぇぇ!!!!?
えぇ!?なに!?新たなプレイかなにかなの!?
うぇぇぇ!?もうバカカップル超えてんじゃん!!てかちょっと引いたよ!やっぱ痴女だよこの人!
想像以上にやばいじゃん!!
「な、なんでそんなことするの?」
「だって動じてくれないんだもん!」
「だからってそんな……」
「振り向くためなら手段を選ばないよ!」
「度が過ぎると思わないの!?」
「思わないよ!」
「なんでだよ!!」
「分かってないなぁ、これが恋する乙女ってことよ」
「うるさい!そんな乙女あってたまるか!」
「わ!!ちょっと暴れないでよ」
「はぁ……はぁ…ごめん、ちょっと気乱れた…」
「なんかいつもの彩奈ちゃんと違うね……ちょっと嬉しいかも」
「嬉しくならないで」
「まあ!そういうこと!ねぇ、なんかいい案ないの?」
「……控えるt」
「断る」
「即答かい!」
「他にないの?」
「もうないよ…………それしかないよ…」
「んんん……でもやっぱなんか足りないんだよね」
「……告白したら?」
「しても無駄じゃん」
「ギャップ萌えさせるとかあるじゃん?あと雰囲気選んだり」
「でも……もうなんか学校中で付き合ってるみたいな感じで見られてるから、あまり意味が無い気がする」
「そうだろうね!!!バカカップル超えてクソカップルだよ!」
「さっきからキャラが違うよ!ほら水飲んで落ち着いて」
もう有り得ない…………こんなペア存在していいのか??いえ、もう滅んでください。
兄貴も兄貴です、ロリコンのくせに性格が~とか、何をほざいてんだか…顔が良ければ全ていいくせに
「あ!そうだ!監禁とか」
「だめ」
「まだ言い終わってないよ!」
「監禁の時点でアウトだよ!」
「じゃあどうすればいいの…」
「そもそも私はなんでこんなことに手伝わされてるのか知りたい」
「将来の妹さんだから」
「なんか反対したくなってきた」
「近親相姦はいけません」
「……」
「飽きられた!?」
まったく陽向ちゃんは……とは言っても何かいい案はあるのでしようか。兄貴は普通に顔は好みって言ってますし、正直脈アリじゃない?って思ってもいます。
だとすれば問題点はどこだろう
「あ……」
「なになに!?なんかいい案浮かんだの!?」
「んー!!近い近い!」
「で!で!なになに!?」
「いやね、兄貴の方から陽向ちゃんとの距離を近づかせるだけだけどね」
「それでもいいよ!」
「今兄貴は私に相談をしてるんだよ、それを逆にすればいいと思うの」
「ん?」
「だねよ。分からないよね。私も何言ってるか分からない」
「????」
「具体的にね、今の私との立場を逆にすればいいんだよ。兄貴が陽向ちゃんに相談する何かを作ればいい!」
「でもでも、私じゃなくて他の人とか、例えば同級生とかさ、隣の華那ちゃんとかさ」
「それを考えるんだよ、陽向ちゃんにだけ相談できる何か」
「んーー、何かあるかなぁ」
正直無理のある案とは思いました。今の兄貴の様子から陽向ちゃんに何か相談するなんてほぼ有り得ないし
「あ!これならいけそう」
「どんなどんな!?」
「私が兄貴を嫌えばいいんだよ、そしたら兄貴も誰かに相談するでしょ」
「え、彩奈ちゃんにそんなことできるの?」
「え、できるでしょ」
「嘘でしょ、自分のお兄ちゃんだよ?しかも知也お兄さんだよ?私なら死んでも無理だよ」
「…私別に兄貴に恋してるわけじゃないからね」
「んー…でも知也お兄さん可哀想だよ」
「じゃあなしでいい?」
「……うん、やめよ」
やっぱ陽向ちゃんは普通に良い子です、なんか私が馬鹿みたいになりました
正直私もあまり自分から兄貴を嫌いになりたくないです、だって兄妹だもの、家族は仲良くしないと
「ただいま」
「知也お兄さん!!!」
「え、うわやめろ!!!」
私の目の前からいきなり陽向ちゃんが消えて、気がつけば玄関にいる兄貴に抱きついていました。いくらなんでも速すぎる、ミサイルか
「兄貴おかえり、ってなんで死にそうな顔してんの」
「陽向ちゃん離れて…腹に入った……」
「わ!ごめん知也お兄さん、大丈夫?ぺろぺろしてあげるから!」
「やめろ!!服捲るな!」
「なんで?私のぺろぺろ嫌になったの?」
「………………」
「されたことねぇよ!!!おい彩奈、その目やめろ、後で写真撮らせて」
「……ほんと変態」
「そんなお兄さんも大好き、えへへ」
「……ぁぁ、かわぃぃ…」
「満更でもない顔すんなクソ兄貴」
「えぇ、クソはないでしょ…」
「何?また見せつけるの?」
「ほ、ほら!陽向ちゃん離れて!」
「嫌だもん」
「じゃ、私部屋に戻るから」
「わ!!待って!いや、なんでお前そんな抱きつく力強いんだよ!!離ぁせ!!」
「んーー、いい匂い。ねぇねぇ、私もう我慢できないよ、知也お兄さんの部屋に行こ?」
「…!!いや待てぃ!てか妹怒ってるぞ!お前なんかしたんか?」
「??何もしてないよ?」
「マジ?俺初めてクソ兄貴って言われたんだけど………」
「そうなんですか?」
「うん、さすがにちょっと……」
「ほんとシスコンですね。ちょっと様子見てきます」
「ありがと」
「はぁ………」
私なんでため息ついてるんでしょうか…
「あんなに仲良いじゃん、なにも問題ないし、もうそのままくっつけてくれればいいのに」
私からじゃなくても、誰から見てもあれは仲良しカップルにしか見えません。なのにもっと仲良くしたいとか、兄貴に関してはちょっと距離離れて欲しいとか……こっちの身にもなって欲しいです。普通の人ならまだ手伝えるんですけど、あのバカ二人相手にはどうも疲れてしまいます
「馬鹿ばっか…………」
いえ、ひょっとすると私は嫉妬しているのかもしれません…あんなイチャイチャを目の前でされたらさすがの私も嫌になります
「彩奈ちゃん?いる?」
コンコンコンって音がして、私は我に返ります
「なに?」
「…お話しよ?」
「んーん、今そういう気分じゃない」
「……さっきはその、ごめんね」
「なんで謝るの?」
「いや、だって………」
陽向ちゃんは私に気をつかってくれてるのでしょう…仕方ないです
「いいよ、入って」
「ほんと!?おじゃましまーーーす!!!」
「わ、ちょっと」
「ダーーーイブ!!」
「やめ」
「えへへ、彩奈ちゃんのほっぺ柔らかーーい」
「ちょっと、スリスリやめてってば」
「んふふふ」
「まったく…」
「さっきごめんね、ちょっとはしゃぎすぎちゃった」
「ちょっとなの?」
「??そうだよ?」
「あれでちょっとなのね」
「もしかして嫉妬しちゃってる?」
「そんなわけないから、にやにやするな」
「嘘つき~、お兄さん悲しんでたよ、初めてクソ兄貴って言われたって」
「そうかなぁ、初めてじゃない気がするけど…」
でも言われればそうかもしれません、クソなんて滅多に言いませんし、そもそもお母さんからやめなさいって言われてますから
あ、でも馬鹿はいっぱい言ってますね、それと勘違いしたのかもしれません
となるとやっぱり初めてとなりますね
「後で謝っとくよ」
「それがいいよ!落ち込んでる知也お兄さん見たくないしね!」
「私は毎日のように見てるけどね」
「む…なんか悔しい…」
「なんで…」
「あ!住ませt」
「無理」
「嫌だ嫌だ!!」
「無理だよ!!!」
「あ!そうだ!」
「無理なものは無理だからね」
「違うよ、彩奈ちゃん中学校どうするのかなぁって」
「同じとこだよ」
「やったぁ!!!一緒に登校できる!やったー!」
「こんなこと言われたら嬉しいはずなのに嬉しくない」
「私は嬉しいもん」
今年の四月から同じ中学校に通うって思うと少し嫌になってしまいます……私まで巻き込まれて、馬鹿の一員って定着したらたまったもんじゃありません
でも陽向ちゃんはいつも明るいですから、こっちも明るくなってしまいます。そうやって考えれば少し楽しみではあります
「ふふ、私も嬉しいよ」
「!?彩奈ちゃん大好き!さすがは私の将来の妹!!」
「んー!!くっつくな!」
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「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
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ち○こ蹴られると腹と腰の間凄い痛くなるよね( '-' )
本当にそれなとしか言えないですねwwww
もうね、あの痛みはどう表現したらいいか分からないwww
はお茶碗さん!面白かったです!!ヽ(*´∀`)ノ
ありがとうございます
あと、私は茶碗ではありません
ブランド物なら話は別ですがね(^ν^)
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