JKの間で噂の個人指導 ~同僚の彼氏が学校で生徒と浮気してました~

三毛猫ジョーラ

文字の大きさ
19 / 29

19話 危険なジョーカー

しおりを挟む


「祐加理の方から連絡してくれるなんて嬉しいよ」

 私は久しぶりに高橋の自宅に来ていた。

「なんか可愛い一年生がいっぱい入ってきたから、先生を取られたくないなぁって思ったんです」

「ハハハ、僕は祐加理のことずっと誘ってたじゃない。逆に避けられてる感じがしてたよ?」

「私好きになり過ぎると周りが見えなくなるんです。だから先生に迷惑掛けたくないなって思って……」

「自分から距離を置こうと思ったんだね。そんな心配しなくていいんだよ」

 そう言って高橋は私を抱き寄せた。流石に怪しまれないようキスは受け入れた。
そしてそのまま、あいつは私を押し倒そうとしてきた。それを両手で押し返した。

「せっかく今日は二人きりになれたんですけど、そのアレが来ちゃいまして……」

 私は用意していた嘘を吐く。高橋は少し困った顔で肩をすくめた。

「じゃあ口で出来るかい?」


 ……歯医者にでも行っておけばよかった――心の底から虫歯になりたいと思った。



 スッキリしたのかあいつは少し横になると言って昼寝を始めた。
私も眠るふりをして奴が寝るのを待った。

 寝息がすーすーと聞こえるのを確認し、私は物音を立てないよう部屋を物色し始めた。なにかあいつの弱みとなるようなものはないか。そういえば姉との交換日誌にはNo.3と書いてあった。なら一冊目と二冊目はここにあるかもしれない。

 私は寝室を出てリビングへと向かった。

 リビングへ着いた時、テーブルの上のあいつのスマホが音を立てずに光った。
佐山という宛名から届いたメッセージにはこう書いてあった。

<せーんせい
 そろそろ今月のお小遣い振り込んでくださいね♡>

 スマホのロック解除は盗み見ていたから知っている。すぐさま私は佐山の連絡先を自分のスマホに入れた。



 私は母から連絡があり、すぐ帰らないといけなくなったと嘘をつき、あいつの家を出た。寝起きのあいつが何かごにょごにょ言っていたが、適当に謝り私は外に出た。

 そしてすぐに佐山に電話を掛けるとあっさり繋がった。

「もーし」

「あっ佐山さんですか? 私、羽田愛伊香の妹で祐加理っていいます」

「はぁ? 誰?」

 一瞬姉とは関係のない人なのかと思ったが、私が丁寧に説明してみると、どうやら彼女は姉の後輩で同じ吹奏楽部だったようだ。

「それで? 羽田先輩と高橋先生がどういう関係だったかってのを知りたいとかでしょ?」

「知ってるんですか!?」

「もちのろ~ん、めっちゃ知ってるよ」

 彼女は笑いながらそう言った。詳しい話を聞くため、後日合う約束をして電話を切った。

 これで二枚目の切り札が手に入るかもしれない。この時はまだそう思っていた。




 私は約束の十分前に待ち合わせ場所のファミレスに来ていた。
予想はしていたが彼女は三十分遅れてやってきた。

「あなたが祐加理さん?」

 彼女は女子大生だと言っていたが、その服装はまるで夜のお仕事帰りのお姉さんといった感じだった。顔色が少し悪く目がトロリとしており、どことなく酔っ払ってるようにも見えた。

「はじめまして。羽田愛伊香の妹の城山祐加理です」

「こんにちは。佐山乃亜さやまのあだよ。先輩と苗字が違うのねぇ」

「二年前、両親が離婚しまして。今は母方の苗字なんです」

 へぇと興味なさ気に答えると彼女はイチゴパフェを注文した。
私はカフェオレを一口飲んで彼女に聞いた。

「それで、姉と高橋先生が付き合っていたのは事実ですか?」

「うんほんとだよ。隠れてこっそり付き合ってたみたいよ~先生は他にも女がいたけどね」

 姉は浮気を知っていたのだろうか? もしかしたらそれが原因で姉はひどく落ち込んでしまったのではないか。

「佐山さんは姉以外の女性が誰か知ってるんですか!?」

 私は少し身を乗り出して聞いた。すると彼女はニヤリと笑って答えた。

「知ってるよ~今あなたの目の前にいるよ」

 私が唖然としていると、彼女は自分を指さして話を続けた。

「私がその浮気相手。でも先輩と先生が付き合ってるって知らなかったんだよ? 
私も騙されてたの~ひどくない?」

 全く悪びれた様子もなく彼女は笑っていた。思わずカフェオレをぶっかけてやろうかと思ったがお店の人に悪いのでやめた。

「それで聞きたいのはそれだけ? ほんとに聞きたいのはあれでしょ?」

 なんで先輩が死んじゃったか――彼女は最後の一言を小声で私に伝えた。

「やっぱり……あの日姉の様子がおかしかったのは理由があるんですね?」

 彼女は無言で頷く。
そしてテーブルに両手で頬杖をつくと私をじっと見てこう言った。


「教えてあげてもいいけど……いくら払える?」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...