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00. 悪役令嬢は、転生がお好き
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皆さんは布団に入って目覚めたら、銀髪美幼女になっていた経験、ありますか?
私は現在進行形で体験している真っ最中です。
な~んて、鏡を見ながら居もしない誰かに話しかける辺り、私も相当参っているのだろうか。
何を馬鹿なと叫びだしたい気持ちを抑え冷静に状況を整理しなくては。
まず昨日は会社に出社。夜には飲み会があって、23時には家に到着。
滅茶苦茶眠くなってお風呂は明日でいいや~って思いつつ就寝。
で。
「朝目覚めたら、体が美幼女になっていた……!?」
なんというビフォーアフター。
というか、改造どころか歳月も変わってるわ!
いや、これはもう問題は昨日じゃなくて今現在。
フリフリのカーテン。花柄模様の青ストライプの壁紙に、天蓋のついたピンク色の眠りにくそうなベッド、そしてふわっふわのくまさんの巨大ぬいぐるみ。真っ赤な絨毯の敷いてある床。重厚な細工が施されたチェストとクローゼット。そして極めつけの黄金で縁取られた姿見!
「もう完全に人様のおうちって感じですわ。これは」
ひくひくと引きつる口もと。どう説明すれば「朝目が覚めたらお宅の家の美幼女になっていたんです!私は無実です!信じてください!」とかいう美幼女がいるんだよ。取り返しがつかないレベルの騒ぎじゃないですよ、これは。
そんな風に現実逃避をする矢先に響くノックの音色。
「私だ。休んでいるところすまないが、入るよ」
準備をする間もなく声の人物が部屋に入ってきてしまう。
「お、」
終わった。完全に終わった。
どう考えても20過ぎたOLの動きしかできん。美幼女のマナーとか知らん。完全に詰んだわ……。
などと額に手を当て、うんうんと唸っていると室内へ入ってきた人物が心配そうにしながら額に当てていた手を取り去ってかがみこむと、私の顔を覗き込んできた。
「フィアンナ……。まだ具合が悪いなら、休んでいるといい。今日の茶会は中止にしてもらうように私から言っておくよ」
フィアンナ。
まさか。ここは。この世界は。
「大丈夫、宰相もルイ殿下も分かってくださる。何も心配することはないさ」
――あぁ、なんていうことだろう。やっぱり、この世界は――
――白薔薇の花嫁――
20〇〇年に発売された伝説の乙女ゲーム。「白薔薇の花嫁」は主人公ロザーリア・デュマが幼いころに結婚を誓った貴族の少年と再び出会うために貴族の子息たちが集う名門中の名門、魔法学園マジック・キャッスルへと入学する。そして魔法学園で6人の攻略対象と愛を深め最終的に運命の相手を選ぶこのゲーム。
なにが伝説のきっかけになったのかというと。攻略対象のメインヒーロー。幼いころに結婚を誓った運命の相手、ルカ・レオミュール第1王子の婚約者。悪役令嬢のフィアンナ・ヴィシャスのシナリオが関係している。
主人公ロザーリアがルカ王子と愛を深めるとライバルキャラとしてフィアンナが登場する。
フィアンナは2人の仲を引き裂くために叔母を愛していた宰相のシルヴァン・オーギュストを、その叔母とうりふたつの美貌で誘惑し、協力者として利用する。
宰相の協力を得て数々の嫌がらせをロザーリアに行い、王子に振り向いてもらおうとするフィアンナだったが、運命の恋人同士だと理解しあった2人に勝てるわけもなく、卒業式のダンスパーティーにて悪行が明るみにされ、罪に問われるフィアンナ。
そして、なんとこのゲームには各パラメータによってフィアンナのバッドエンドが用意されており投獄エンド、島流しエンド、修道院エンドなど様々なバッドエンドが設定されており、ある意味ではバッドエンドやりこみゲーと評価されここでまたコアなファンの人気を集めた。
しかし、ファンが驚かせられたのはこのゲームの二週目機能。
2週目では新たな選択肢が画面に追加され、それを進めていくと1週目では見られないフィアンナと宰相との、悲恋ストーリーが展開される。
初めは互いを利用しあっていた2人。だが次第に宰相は、今は亡き思い人を思っていた気持ちがフィアンナ自身に向けられていくのを理解していく。
そんな宰相の様子を見て自分に不思議な感情が芽生えるのを感じていたが気持ちにフタをするようにロザーリアへの妨害を行っていくフィアンナ。
そして宰相はフィアンナのルカ王子への思いを、叶わなかったフィアンナの叔母への思いを重ね合わせ、幸せになってもらおうと数々の妨害工作を手伝う宰相だったが、来るべきダンスパーティーの日にフィアンナもろとも悪行を白日の下にさらされ、断罪を受けてしまう。
泣きながら湖へと向かうフィアンナの後を追いかける宰相は、全てを失った今、もう怖いものは無いと思い愛の言葉をフィアンナに伝え、フィアンナと共に心中を行い、来世での愛を誓う。
この場面はファンの中でも涙必須の名シーンであり、これがなかったら今の第2作「黒薔薇の花嫁」の制作はなかったと言われるほどである。
フィアンナ。ルイ王子。宰相。
これはもう完全に、
――「白薔薇の花嫁」に転生したのでは?――
私は現在進行形で体験している真っ最中です。
な~んて、鏡を見ながら居もしない誰かに話しかける辺り、私も相当参っているのだろうか。
何を馬鹿なと叫びだしたい気持ちを抑え冷静に状況を整理しなくては。
まず昨日は会社に出社。夜には飲み会があって、23時には家に到着。
滅茶苦茶眠くなってお風呂は明日でいいや~って思いつつ就寝。
で。
「朝目覚めたら、体が美幼女になっていた……!?」
なんというビフォーアフター。
というか、改造どころか歳月も変わってるわ!
いや、これはもう問題は昨日じゃなくて今現在。
フリフリのカーテン。花柄模様の青ストライプの壁紙に、天蓋のついたピンク色の眠りにくそうなベッド、そしてふわっふわのくまさんの巨大ぬいぐるみ。真っ赤な絨毯の敷いてある床。重厚な細工が施されたチェストとクローゼット。そして極めつけの黄金で縁取られた姿見!
「もう完全に人様のおうちって感じですわ。これは」
ひくひくと引きつる口もと。どう説明すれば「朝目が覚めたらお宅の家の美幼女になっていたんです!私は無実です!信じてください!」とかいう美幼女がいるんだよ。取り返しがつかないレベルの騒ぎじゃないですよ、これは。
そんな風に現実逃避をする矢先に響くノックの音色。
「私だ。休んでいるところすまないが、入るよ」
準備をする間もなく声の人物が部屋に入ってきてしまう。
「お、」
終わった。完全に終わった。
どう考えても20過ぎたOLの動きしかできん。美幼女のマナーとか知らん。完全に詰んだわ……。
などと額に手を当て、うんうんと唸っていると室内へ入ってきた人物が心配そうにしながら額に当てていた手を取り去ってかがみこむと、私の顔を覗き込んできた。
「フィアンナ……。まだ具合が悪いなら、休んでいるといい。今日の茶会は中止にしてもらうように私から言っておくよ」
フィアンナ。
まさか。ここは。この世界は。
「大丈夫、宰相もルイ殿下も分かってくださる。何も心配することはないさ」
――あぁ、なんていうことだろう。やっぱり、この世界は――
――白薔薇の花嫁――
20〇〇年に発売された伝説の乙女ゲーム。「白薔薇の花嫁」は主人公ロザーリア・デュマが幼いころに結婚を誓った貴族の少年と再び出会うために貴族の子息たちが集う名門中の名門、魔法学園マジック・キャッスルへと入学する。そして魔法学園で6人の攻略対象と愛を深め最終的に運命の相手を選ぶこのゲーム。
なにが伝説のきっかけになったのかというと。攻略対象のメインヒーロー。幼いころに結婚を誓った運命の相手、ルカ・レオミュール第1王子の婚約者。悪役令嬢のフィアンナ・ヴィシャスのシナリオが関係している。
主人公ロザーリアがルカ王子と愛を深めるとライバルキャラとしてフィアンナが登場する。
フィアンナは2人の仲を引き裂くために叔母を愛していた宰相のシルヴァン・オーギュストを、その叔母とうりふたつの美貌で誘惑し、協力者として利用する。
宰相の協力を得て数々の嫌がらせをロザーリアに行い、王子に振り向いてもらおうとするフィアンナだったが、運命の恋人同士だと理解しあった2人に勝てるわけもなく、卒業式のダンスパーティーにて悪行が明るみにされ、罪に問われるフィアンナ。
そして、なんとこのゲームには各パラメータによってフィアンナのバッドエンドが用意されており投獄エンド、島流しエンド、修道院エンドなど様々なバッドエンドが設定されており、ある意味ではバッドエンドやりこみゲーと評価されここでまたコアなファンの人気を集めた。
しかし、ファンが驚かせられたのはこのゲームの二週目機能。
2週目では新たな選択肢が画面に追加され、それを進めていくと1週目では見られないフィアンナと宰相との、悲恋ストーリーが展開される。
初めは互いを利用しあっていた2人。だが次第に宰相は、今は亡き思い人を思っていた気持ちがフィアンナ自身に向けられていくのを理解していく。
そんな宰相の様子を見て自分に不思議な感情が芽生えるのを感じていたが気持ちにフタをするようにロザーリアへの妨害を行っていくフィアンナ。
そして宰相はフィアンナのルカ王子への思いを、叶わなかったフィアンナの叔母への思いを重ね合わせ、幸せになってもらおうと数々の妨害工作を手伝う宰相だったが、来るべきダンスパーティーの日にフィアンナもろとも悪行を白日の下にさらされ、断罪を受けてしまう。
泣きながら湖へと向かうフィアンナの後を追いかける宰相は、全てを失った今、もう怖いものは無いと思い愛の言葉をフィアンナに伝え、フィアンナと共に心中を行い、来世での愛を誓う。
この場面はファンの中でも涙必須の名シーンであり、これがなかったら今の第2作「黒薔薇の花嫁」の制作はなかったと言われるほどである。
フィアンナ。ルイ王子。宰相。
これはもう完全に、
――「白薔薇の花嫁」に転生したのでは?――
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