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第六話 三十路の女ともだち
④早希、夜桜見物で細川に抱かれる
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もう来ないだろう、と思ったのに、細川は、屡々、早希の喫茶店へやって来た。一人の時も在れば俳優仲間と一緒のこともあった。コーヒーを、旨い、と褒めてくれたが、時にはペパーミントやカモミールのお茶も飲んだ。
「撮影で夜明けまでかかった」と言い乍ら開店早々に飛び込んで来て、トーストとコーヒーで朝食を摂ることもあった。
「ロケで旅に出た」と言って土地の名産を持って来ることもあった。
やがて、マスターの佐倉も店員たちも、彼を常連扱いするようになった。
「役者の癖に、案外、口数が少ないんですね」
最初の頃、佐倉は細川の取っ付き難さにそんな風な批評をした。
早希は、一度細川とゆっくり話したい、と思っていた。理恵に対してどう思っているのか、聞いてみたい気がしていた。佐倉にそれを言うと彼は眉をしかめた。
「和泉さんほどの才女が、あんな俳優を好きになるんでしょうかねえ?」
早希は笑った。
「恋は思案の外、って言うじゃない」
「恋愛なんてしそうも無い人に見えますよ、和泉さんは」
「理恵だって女ですもの」
理恵は目鼻立ちのはっきりした男好きのする美人で、良い女だった。本人が自覚している以上に良くモテた。さっぱりした気性と姉御肌の性格が顔にもよく出ていて、理知的な雰囲気と良い具合に調和していた。スーツをカジュアル風に着こなすかと思えば、ニットをパーティ着にしたりする洒落っ気もあった。ファッションの感覚はなかなか秀逸であった。独身貴族の名に恥じず、着る物にはかけすぎるほどの金をかけていた。早希は、あまり無駄遣いはしなかったし、着る物の数も理恵より少ない。暮らし方も質素であった。ともあれ、人生をエンジョイすると言う点では理恵の方が如何にも彼女らしく生きていたが、早希は、その友人が未だに独身だと言うことに不可思議な違和感を覚えていた。三十二歳になる理恵が、本気で細川に恋をしているのなら、何とかしてやりたいと、お節介にも、早希は思っていたのである。
その機会は案外早く訪れた。
四月の中半過ぎの土曜の夜だった。閉店の少し前に細川が入って来た。
「此処で和泉さんと待ち合わせなんですよ」
何となく憂鬱そうに言って、店の隅に腰を下ろした。
が、閉店の十時になっても理恵は来なかった。
「理恵のことだから、仕事が遅れているのよ、きっと」
佐倉にも他の店員にも帰って貰って入口を閉めた。理恵なら、店に灯が点いて居れば通用口のドアを叩くに違いない。
コーヒーを飲んでいた細川が呟いた。
「彼女、来ない方が良いんだけどなぁ・・・」
「えっ?どうして?」
早希は驚いて訊き返した。
「最近、彼女、おかしいんですよ。以前はさっぱりして話も面白かったんですが、急に、ねちねち皮肉ばかり言うようになって・・・」
「痴話喧嘩でもしたの?」
良い機会だと思い、早希はカモミールのお茶を二つ持って細川の向かい側に座った。
空気が温かい春の夜だった。
「そんな間柄じゃありませんよ」
細川がワイシャツのボタンを三つほど外すと、首から下げたペンダントが見えた。濃い胸毛も見え隠れした。早希は余裕を持って眺めていた。
「でも、理恵はあなたが好きみたいよ」
「冗談は止めて下さいよ」
「あなたはどうなの?」
「尊敬していますけど、女としては怖いな」
「怖い?・・・歳上だから?」
「年齢は関係無いですよ」
「可愛い人だけど・・・」
細川が急に誘った。
「ドライブしませんか?」
カモミールを飲み干して彼は言った。
「夜の桜を観に行きませんか?」
「桜はもう終ったわ」
「咲いて居る処も在りますよ」
時計を見た。十一時になろうとしていた。
「理恵、来るかも、よ」
「来ませんよ、もう」
細川が立ち上がって、早希の肩に軽く手をかけた。
「一時間ほど付き合って下さい」
断わる心算だったのに、早希は頷いていた。夜の花見も悪くないと思った。
ハンドバッグをカウンターから取り、店の電気を消した。
店の前に停めてあった車に並んで腰かけた。成田へ迎えに来た車である。
青山から渋谷を抜けて、池尻から高速へ出た。
「何処まで行くの?」
毎日が、マンションの中の我が家と喫茶店との単調な生活である。夜のドライブは開放感が在った。
「花の咲いて居る処まで」
細川の声は弾んでいた。
何方もアルコールが入って居ないのに、浮き浮きとした気分だった。ドライブも時として人の心を酔わす。
東名高速に出ていた。
「遠出過ぎるわ」
「成田から思えば、どうってことないですよ」
細川が口笛を吹いた。
「運転していればご機嫌なのね」
「あなたが横に居るからですよ。僕の初恋の人に似ている」
「光栄ね」
笑って居られるのも歳の功であった。
スピードが百キロを超えていた。
「パトカーが来るわよ」
「気を付けているから大丈夫だよ」
適当に走ると八十キロに落とし、更にまた、百キロに上げる。
早希は陶酔に似た感覚の中に居た。帰る時間を気にする必要も無かった。
御殿場のインターチェンジで高速を下りた。
この辺で引き返すのか、と思っていると、車は脇道へ入り、急に停まった。
細川がゆっくりと躰の向きを変え、早希を抱いて口づけをした。早希はされるままになっていた。彼のキスは役者のそれらしく技巧的だった。醒めている心算でも早希はその後、次第に陶然とし出した。
「二時間ほど休んで行きましょう」
細川が躰を抱いたまま囁いた時も早希は自失の境地に在った。
車はそのまま進んで一軒のモーテルに入った。
早希はモーテルと言う処へ入るのは初めてだった。佐久間浩介と抱き合ったのはいつも都心の瀟洒なシティホテルだったし、彼の死後は性の行為そのものに全く無縁であった。
モーテルの部屋は何と言うことは無かった。ダブルベッドに艶っぽい蒲団が架かっているだけだった。
早希が突っ立って居ると、細川がポケットからウイスキーの小瓶を取り出して口に含み、それを口移しに早希の口の中へ流し入れた。これは早希にはちょっとしたショックだった。二回、三回と繰り返されて早希は恥も外聞も失くして行った。ベッドに倒れ込んで、それでも僅かに残っていた自意識で、辛うじて、言った。
「灯りを暗くして・・・」
五年振りで、早希は自分が女であることを自覚した。
終わった後、早希は疲れて暫く動けなかった。細川は微かな寝息を立てて眠っていた。
そっと躰を起こした早希は音を立てないようにして浴室へ入った。バスタブに湯を満たして躰を沈め、石鹸の泡を立ててよく洗った。
身仕舞いをして部屋へ入って行くと細川が起きていた。入れ替わりにシャワーを浴びた彼は直ぐに服を着た。奇妙なほど、白けた雰囲気だった。
愛の無い性の行為は拙くぎこちないものだったろう。浩介との間で交わした、蕩けるような心の震えも無く、肉体の奥底から揺り上がって来る甘美な喜悦も感じなった。
「後悔しているの?」
車を発進させた細川が訊ねたが、早希は返事をしなかった。
細川はどういう心算で私なんかを抱いたのだろう?遊び相手なら幾らでも良い女が居るだろうに・・・
彼女の心には、親友の恋人と出来てしまった後ろめたい呵責の念とそんなことをしでかした自分への嫌悪が沸々と湧き上がって来た。
「今夜のことは無かったことにして、お互いに忘れてしまいましょう。もうこれ切りにしましょう、ね」
早希はそう強く念を押して、店の前で車を降りた。夜はもう明けかけていた。
彼女は慌ててマンションへ入り、自室に入るなり風呂を沸かした。時間をかけて躰の隅々まで洗い、よく温まってから浴室を出た。ふと見ると、脱衣所の姿見に早希の裸身が映っていた。
乳房は二十代に比べると幾分張りを失ってはいるが、垂れ下がってはいない。ウエストの括れもある。ヒップはピンと突き上がっている。肩や腕の付け根や腹にも肉は着いていない。両の脚はすっきりと伸びている。
白い艶やかな自分の裸身を眺めながら、早希は八重桜を想い起こした。桜の中で最も遅く咲いて、束の間の満開の後、直ぐに散り落ちてしまう花の精・・・彼女はそんな八重桜に三十女の自分を重ね合わせた。女の盛りも後少しだわ、もう一度真実の愛を見つけに、しっかりと生き直さなければ・・・
外はすっかり朝になっていた。
「撮影で夜明けまでかかった」と言い乍ら開店早々に飛び込んで来て、トーストとコーヒーで朝食を摂ることもあった。
「ロケで旅に出た」と言って土地の名産を持って来ることもあった。
やがて、マスターの佐倉も店員たちも、彼を常連扱いするようになった。
「役者の癖に、案外、口数が少ないんですね」
最初の頃、佐倉は細川の取っ付き難さにそんな風な批評をした。
早希は、一度細川とゆっくり話したい、と思っていた。理恵に対してどう思っているのか、聞いてみたい気がしていた。佐倉にそれを言うと彼は眉をしかめた。
「和泉さんほどの才女が、あんな俳優を好きになるんでしょうかねえ?」
早希は笑った。
「恋は思案の外、って言うじゃない」
「恋愛なんてしそうも無い人に見えますよ、和泉さんは」
「理恵だって女ですもの」
理恵は目鼻立ちのはっきりした男好きのする美人で、良い女だった。本人が自覚している以上に良くモテた。さっぱりした気性と姉御肌の性格が顔にもよく出ていて、理知的な雰囲気と良い具合に調和していた。スーツをカジュアル風に着こなすかと思えば、ニットをパーティ着にしたりする洒落っ気もあった。ファッションの感覚はなかなか秀逸であった。独身貴族の名に恥じず、着る物にはかけすぎるほどの金をかけていた。早希は、あまり無駄遣いはしなかったし、着る物の数も理恵より少ない。暮らし方も質素であった。ともあれ、人生をエンジョイすると言う点では理恵の方が如何にも彼女らしく生きていたが、早希は、その友人が未だに独身だと言うことに不可思議な違和感を覚えていた。三十二歳になる理恵が、本気で細川に恋をしているのなら、何とかしてやりたいと、お節介にも、早希は思っていたのである。
その機会は案外早く訪れた。
四月の中半過ぎの土曜の夜だった。閉店の少し前に細川が入って来た。
「此処で和泉さんと待ち合わせなんですよ」
何となく憂鬱そうに言って、店の隅に腰を下ろした。
が、閉店の十時になっても理恵は来なかった。
「理恵のことだから、仕事が遅れているのよ、きっと」
佐倉にも他の店員にも帰って貰って入口を閉めた。理恵なら、店に灯が点いて居れば通用口のドアを叩くに違いない。
コーヒーを飲んでいた細川が呟いた。
「彼女、来ない方が良いんだけどなぁ・・・」
「えっ?どうして?」
早希は驚いて訊き返した。
「最近、彼女、おかしいんですよ。以前はさっぱりして話も面白かったんですが、急に、ねちねち皮肉ばかり言うようになって・・・」
「痴話喧嘩でもしたの?」
良い機会だと思い、早希はカモミールのお茶を二つ持って細川の向かい側に座った。
空気が温かい春の夜だった。
「そんな間柄じゃありませんよ」
細川がワイシャツのボタンを三つほど外すと、首から下げたペンダントが見えた。濃い胸毛も見え隠れした。早希は余裕を持って眺めていた。
「でも、理恵はあなたが好きみたいよ」
「冗談は止めて下さいよ」
「あなたはどうなの?」
「尊敬していますけど、女としては怖いな」
「怖い?・・・歳上だから?」
「年齢は関係無いですよ」
「可愛い人だけど・・・」
細川が急に誘った。
「ドライブしませんか?」
カモミールを飲み干して彼は言った。
「夜の桜を観に行きませんか?」
「桜はもう終ったわ」
「咲いて居る処も在りますよ」
時計を見た。十一時になろうとしていた。
「理恵、来るかも、よ」
「来ませんよ、もう」
細川が立ち上がって、早希の肩に軽く手をかけた。
「一時間ほど付き合って下さい」
断わる心算だったのに、早希は頷いていた。夜の花見も悪くないと思った。
ハンドバッグをカウンターから取り、店の電気を消した。
店の前に停めてあった車に並んで腰かけた。成田へ迎えに来た車である。
青山から渋谷を抜けて、池尻から高速へ出た。
「何処まで行くの?」
毎日が、マンションの中の我が家と喫茶店との単調な生活である。夜のドライブは開放感が在った。
「花の咲いて居る処まで」
細川の声は弾んでいた。
何方もアルコールが入って居ないのに、浮き浮きとした気分だった。ドライブも時として人の心を酔わす。
東名高速に出ていた。
「遠出過ぎるわ」
「成田から思えば、どうってことないですよ」
細川が口笛を吹いた。
「運転していればご機嫌なのね」
「あなたが横に居るからですよ。僕の初恋の人に似ている」
「光栄ね」
笑って居られるのも歳の功であった。
スピードが百キロを超えていた。
「パトカーが来るわよ」
「気を付けているから大丈夫だよ」
適当に走ると八十キロに落とし、更にまた、百キロに上げる。
早希は陶酔に似た感覚の中に居た。帰る時間を気にする必要も無かった。
御殿場のインターチェンジで高速を下りた。
この辺で引き返すのか、と思っていると、車は脇道へ入り、急に停まった。
細川がゆっくりと躰の向きを変え、早希を抱いて口づけをした。早希はされるままになっていた。彼のキスは役者のそれらしく技巧的だった。醒めている心算でも早希はその後、次第に陶然とし出した。
「二時間ほど休んで行きましょう」
細川が躰を抱いたまま囁いた時も早希は自失の境地に在った。
車はそのまま進んで一軒のモーテルに入った。
早希はモーテルと言う処へ入るのは初めてだった。佐久間浩介と抱き合ったのはいつも都心の瀟洒なシティホテルだったし、彼の死後は性の行為そのものに全く無縁であった。
モーテルの部屋は何と言うことは無かった。ダブルベッドに艶っぽい蒲団が架かっているだけだった。
早希が突っ立って居ると、細川がポケットからウイスキーの小瓶を取り出して口に含み、それを口移しに早希の口の中へ流し入れた。これは早希にはちょっとしたショックだった。二回、三回と繰り返されて早希は恥も外聞も失くして行った。ベッドに倒れ込んで、それでも僅かに残っていた自意識で、辛うじて、言った。
「灯りを暗くして・・・」
五年振りで、早希は自分が女であることを自覚した。
終わった後、早希は疲れて暫く動けなかった。細川は微かな寝息を立てて眠っていた。
そっと躰を起こした早希は音を立てないようにして浴室へ入った。バスタブに湯を満たして躰を沈め、石鹸の泡を立ててよく洗った。
身仕舞いをして部屋へ入って行くと細川が起きていた。入れ替わりにシャワーを浴びた彼は直ぐに服を着た。奇妙なほど、白けた雰囲気だった。
愛の無い性の行為は拙くぎこちないものだったろう。浩介との間で交わした、蕩けるような心の震えも無く、肉体の奥底から揺り上がって来る甘美な喜悦も感じなった。
「後悔しているの?」
車を発進させた細川が訊ねたが、早希は返事をしなかった。
細川はどういう心算で私なんかを抱いたのだろう?遊び相手なら幾らでも良い女が居るだろうに・・・
彼女の心には、親友の恋人と出来てしまった後ろめたい呵責の念とそんなことをしでかした自分への嫌悪が沸々と湧き上がって来た。
「今夜のことは無かったことにして、お互いに忘れてしまいましょう。もうこれ切りにしましょう、ね」
早希はそう強く念を押して、店の前で車を降りた。夜はもう明けかけていた。
彼女は慌ててマンションへ入り、自室に入るなり風呂を沸かした。時間をかけて躰の隅々まで洗い、よく温まってから浴室を出た。ふと見ると、脱衣所の姿見に早希の裸身が映っていた。
乳房は二十代に比べると幾分張りを失ってはいるが、垂れ下がってはいない。ウエストの括れもある。ヒップはピンと突き上がっている。肩や腕の付け根や腹にも肉は着いていない。両の脚はすっきりと伸びている。
白い艶やかな自分の裸身を眺めながら、早希は八重桜を想い起こした。桜の中で最も遅く咲いて、束の間の満開の後、直ぐに散り落ちてしまう花の精・・・彼女はそんな八重桜に三十女の自分を重ね合わせた。女の盛りも後少しだわ、もう一度真実の愛を見つけに、しっかりと生き直さなければ・・・
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