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第1章
〜出会い〜
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まだぶかぶかの学生服。落書きのない新品の教科書。強めの春風に吹かれ散ってゆく桜の花びらたち。10年前、俺たちはまだ、社会的にも人間としても未熟で、でもそれに気づかず大人ぶっていた気がする。いわゆる思春期、反抗期の時期だ。
俺は、中学の時から要領の良い人間で、生徒会に入ったり、サッカー部の副キャプテンをしていた。しかし、いい子ぶる自分に嫌気がさしてしまい、高校は家から通える進学校に進み、なんとなく学生生活を過ごそうとしか考えていなかった。テキトーに3年間過ごして卒業して大学に行ければいいとしか思っていなかったのだ。
しかし、入学してすぐ、たまたま隣の席になった女子生徒に目と心を奪われていく。その子はアイドルのようにキラキラした笑顔を見せるわけでもない、スポーツ万能な元気娘ってわけでもない。ただ、真剣にノートをとる姿、休み時間に友達と好きなアーティストの話をしている時の笑顔。そのギャップに俺は惹かれていったんだ。そう、それが菜美だった。菜美は、普段は物静かで凛としている和風美人だ。その反面、人見知りする事なく誰とでも仲良くなるのが早い。隣の席の俺にも気軽に話しかけてくれて、すぐに仲良くなった。菜美は、自分から、両親が共に教師で自分も教師になりたいのだと教えてくれた。俺には眩し過ぎる笑顔で話してくれる菜美。俺は、そんな菜美を好きになった。が、それと同時に俺みたいなちゃらんぽらんと付き合ってくれるわけないと思ってしまったのだった。
それからは、思春期特有の照れもあったのだろう。無駄にカッコつけて、あまり菜美とは話さなくなっていった。心では想っていても、言葉には決してできない想い。伝えたくても自信がない、自信がない自分が嫌い。こんな俺を菜美が好きになってくれるはずがない。この悪循環で俺たちの距離はどんどん離れていった。いや、俺たちではない。正しくは、俺自身が勝手に菜美から離れていったのだ。気づけば、あっという間に高校生活は終わりを迎えた。俺の3年間の片想いは、結局一度も伝えられないまま勝手に散っていったのだった。
俺は、中学の時から要領の良い人間で、生徒会に入ったり、サッカー部の副キャプテンをしていた。しかし、いい子ぶる自分に嫌気がさしてしまい、高校は家から通える進学校に進み、なんとなく学生生活を過ごそうとしか考えていなかった。テキトーに3年間過ごして卒業して大学に行ければいいとしか思っていなかったのだ。
しかし、入学してすぐ、たまたま隣の席になった女子生徒に目と心を奪われていく。その子はアイドルのようにキラキラした笑顔を見せるわけでもない、スポーツ万能な元気娘ってわけでもない。ただ、真剣にノートをとる姿、休み時間に友達と好きなアーティストの話をしている時の笑顔。そのギャップに俺は惹かれていったんだ。そう、それが菜美だった。菜美は、普段は物静かで凛としている和風美人だ。その反面、人見知りする事なく誰とでも仲良くなるのが早い。隣の席の俺にも気軽に話しかけてくれて、すぐに仲良くなった。菜美は、自分から、両親が共に教師で自分も教師になりたいのだと教えてくれた。俺には眩し過ぎる笑顔で話してくれる菜美。俺は、そんな菜美を好きになった。が、それと同時に俺みたいなちゃらんぽらんと付き合ってくれるわけないと思ってしまったのだった。
それからは、思春期特有の照れもあったのだろう。無駄にカッコつけて、あまり菜美とは話さなくなっていった。心では想っていても、言葉には決してできない想い。伝えたくても自信がない、自信がない自分が嫌い。こんな俺を菜美が好きになってくれるはずがない。この悪循環で俺たちの距離はどんどん離れていった。いや、俺たちではない。正しくは、俺自身が勝手に菜美から離れていったのだ。気づけば、あっという間に高校生活は終わりを迎えた。俺の3年間の片想いは、結局一度も伝えられないまま勝手に散っていったのだった。
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