真実の愛のおつりたち

毒島醜女

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歌劇「ギルバートとチェルシー」

これはある一国で花開いた真実の愛の話。

男爵家のもとで、家庭教師をしている母と共に暮らしている美貌の少女、チェルシー。
彼女はその家の男爵令嬢に侍女として仕え、奴隷当然に虐げられている。
母の為に不遇の毎日を耐えるチェルシー。
今日も今日とて男爵令嬢から暴力を振るわれるところを、ギルバートという美男子に救われる。
彼はその国の王太子であった。
母親と共に彼の元で擁護されるようになり、幸せで恵まれた生活とギルバートからの優しさに癒され、チェルシーは笑顔を取り戻す。
しかしギルバートの婚約者である公爵令嬢は面白くない。自分の取り巻きでもあった男爵令嬢と共謀しチェルシーへの嫌がらせを始める。強国の王族の血を継いでいる公爵令嬢は、悪女と名高い正妃の力も借り、ついには暗殺まで計画する。
しかし、ギルバートとチェルシーの絆によって退けられる。
全ての罪を暴かれた悪しき公爵令嬢と男爵令嬢を含めた悪人たちは全て裁かれ、正妃も追放され、二人は誰もが認める夫婦として永遠の愛を誓った。

めでたしめでたし。



 ※



……どうです。これ。
若い人の間ではなかなか人気の脚本なのですよ?
いやぁ、いつの時代も人気ですよね。
不細工な女にいじめられる美少女が、優れた身分の見目麗しい殿方に助けていただき寵愛を受けるってお話は。
不遇な生活を、ある日突然現れた美しく強い異性に救われる。
人間にとってそれは共通の夢なのでしょう。
ただ耐えるだけで努力が認められ、悪しきものを退け、全てを手に入れる。
……それを怠惰なんておっしゃらないでくださいよ。あまりに残酷です。
というか、そんなに真面目になってはいけませんよ。
え? まず舞台は公国であって王国ではない? 変な見栄を張るな? あはは。これは手厳しい。

これは創作なんですから。
現実を忘れるのが創作ですもの。

当事者はわかってますよ。某国も、ね。
笑ってくれていますよ、皆さん。『夢物語』って。
あなたと違ってジョークがわかってくれますか……おっと失礼。

……そりゃああんな事に巻き込まれたらたまったもんじゃありませんからね。
じゃあ、取材で聞いた話でもしましょうか。

そういう夢のない話のほうがお好みなんでしょ? 今のあなたは。
感想 3

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