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こんなはずじゃなかった。
俺の人生は順調なはずだった。
就職やら進学がうまくいかず、自分のルックスと話術を活かせると思ってストリーマーになった。
最初は数字が伸びず焦りもあったが、現在のトレンドを調べ、笑ってもらうようリアクションをとって視聴者を楽しませた。
そうしていくうちに地道にファンを増やしていき、イベントも自分で主催出来るようになった。
同じ動画配信サイトで活躍している名のあるストリーマーともコラボできるようになったし、企業案件も来るようになった。
そこまでは順調だった。
これからも順調にレイモンの名前を世に出せる。そう思っていた。
きっかけは心霊番組だった。
よくある廃墟に行って、それらしい作り話をして視聴者を怖がらせ、廃墟内で一泊するというものだ。
こういった体当たり的な番組はよくやっていたし、視聴者からの評判もいい。
だからその日もうまくいくと思っていたんだ。
収録した動画は予想以上の伸びがあったし、俺も視聴者も満足していた。
だが、投稿してすぐに問題が起きた。
廃墟があった土地の権利者から抗議のダイレクトメールが届いたのだ。
動画の使用の許可をとった筈だったが、どうやら行き違いがあったようだ。
こういった不祥事は早いうちから対応した方がいい。彼らとの話し合いが済むまでその動画は非公開にして、謝罪動画とSNS報告もした。
それで完璧だったはずだ。
だが、視聴者が俺を責める声は止まなかった。
かつての俺の発言や、動画内容を引き合いに出しては、レイモンという人物が如何にストリーマーとして最低かと皆熱心に語っていた。
確かに最近、刺激を与えるためにコンプライアンスぎりぎりの過激な発言な、不謹慎なネタに走った。
だがそれに悪意なんてなかったし、コメントでも批判する人間はいなかった。そのはずだ。
みんな笑ってくれていたのに、なのに今になってそれが悪いことだって言ってくるなんておかしいだろ。
俺の炎上はそれからも止まらなかった。
普通に上げている動画にも批判したようなコメントが付き、騒ぎを面白がってやって来た、何も知らない連中まで面白おかしく俺を叩く。そんなコメント欄に居心地が悪くなった古参のファンも去っていき、民度は更に悪くなっていった。
上げても批判ばかり。それでも動画を上げないといけない。
重い腰を上げながら動画の準備にかかる。
そんな俺の足元に便箋が落ちていた。
俺のイメージカラーの花のシールがあしらわれた、派手な便箋を見て俺は思い出す。
俺が初めてイベントを主催出来るほどになった時。
客席を温めるためにイジった女性客のものだ。
途中で帰らせてしまったことを悔んでいたが、最終的にあのイベントは大成功して他の大口の仕事にも繋がった。それでも後悔があって、彼女が俺に渡そうとした手紙をずっと保管していた。
今になって、俺はそれを初めて開いた。
「……っ!」
そこには丁寧な筆跡で、俺に対する想いが綴られていた。
俺の活躍にどれほど笑顔を貰っているか。
どれだけ頑張って生きていこうという活力を貰っているのか。
そんな俺をこれからも応援している。これからもそうやって笑顔を届けてくれ。
その手紙を最後まで読むと、俺の頭は殴られたように痛んだ。
こんな手紙を贈ってくれた彼女に、俺はなんてひどい事を言ってしまったんだ。
体格のことまで言って晒し上げて、笑いものにして、追い出した。
こんなにも純粋に自分を応援してくれたファンだっていうのに。
「……ごめんっ、ごめんな……!」
ボロボロと涙が零れ落ちて止まらず、床に水滴が落ちる。
泣いたって、謝ったって、彼女に届くわけがない。
あの小さなライブ会場に戻れるわけがない。
それでも俺は謝り続けた。
ただ自分の罪悪感から逃れたいのは、承知の上で。
俺の人生は順調なはずだった。
就職やら進学がうまくいかず、自分のルックスと話術を活かせると思ってストリーマーになった。
最初は数字が伸びず焦りもあったが、現在のトレンドを調べ、笑ってもらうようリアクションをとって視聴者を楽しませた。
そうしていくうちに地道にファンを増やしていき、イベントも自分で主催出来るようになった。
同じ動画配信サイトで活躍している名のあるストリーマーともコラボできるようになったし、企業案件も来るようになった。
そこまでは順調だった。
これからも順調にレイモンの名前を世に出せる。そう思っていた。
きっかけは心霊番組だった。
よくある廃墟に行って、それらしい作り話をして視聴者を怖がらせ、廃墟内で一泊するというものだ。
こういった体当たり的な番組はよくやっていたし、視聴者からの評判もいい。
だからその日もうまくいくと思っていたんだ。
収録した動画は予想以上の伸びがあったし、俺も視聴者も満足していた。
だが、投稿してすぐに問題が起きた。
廃墟があった土地の権利者から抗議のダイレクトメールが届いたのだ。
動画の使用の許可をとった筈だったが、どうやら行き違いがあったようだ。
こういった不祥事は早いうちから対応した方がいい。彼らとの話し合いが済むまでその動画は非公開にして、謝罪動画とSNS報告もした。
それで完璧だったはずだ。
だが、視聴者が俺を責める声は止まなかった。
かつての俺の発言や、動画内容を引き合いに出しては、レイモンという人物が如何にストリーマーとして最低かと皆熱心に語っていた。
確かに最近、刺激を与えるためにコンプライアンスぎりぎりの過激な発言な、不謹慎なネタに走った。
だがそれに悪意なんてなかったし、コメントでも批判する人間はいなかった。そのはずだ。
みんな笑ってくれていたのに、なのに今になってそれが悪いことだって言ってくるなんておかしいだろ。
俺の炎上はそれからも止まらなかった。
普通に上げている動画にも批判したようなコメントが付き、騒ぎを面白がってやって来た、何も知らない連中まで面白おかしく俺を叩く。そんなコメント欄に居心地が悪くなった古参のファンも去っていき、民度は更に悪くなっていった。
上げても批判ばかり。それでも動画を上げないといけない。
重い腰を上げながら動画の準備にかかる。
そんな俺の足元に便箋が落ちていた。
俺のイメージカラーの花のシールがあしらわれた、派手な便箋を見て俺は思い出す。
俺が初めてイベントを主催出来るほどになった時。
客席を温めるためにイジった女性客のものだ。
途中で帰らせてしまったことを悔んでいたが、最終的にあのイベントは大成功して他の大口の仕事にも繋がった。それでも後悔があって、彼女が俺に渡そうとした手紙をずっと保管していた。
今になって、俺はそれを初めて開いた。
「……っ!」
そこには丁寧な筆跡で、俺に対する想いが綴られていた。
俺の活躍にどれほど笑顔を貰っているか。
どれだけ頑張って生きていこうという活力を貰っているのか。
そんな俺をこれからも応援している。これからもそうやって笑顔を届けてくれ。
その手紙を最後まで読むと、俺の頭は殴られたように痛んだ。
こんな手紙を贈ってくれた彼女に、俺はなんてひどい事を言ってしまったんだ。
体格のことまで言って晒し上げて、笑いものにして、追い出した。
こんなにも純粋に自分を応援してくれたファンだっていうのに。
「……ごめんっ、ごめんな……!」
ボロボロと涙が零れ落ちて止まらず、床に水滴が落ちる。
泣いたって、謝ったって、彼女に届くわけがない。
あの小さなライブ会場に戻れるわけがない。
それでも俺は謝り続けた。
ただ自分の罪悪感から逃れたいのは、承知の上で。
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