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【友達】
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この日はとてもとても珍しく、女神のもとに転生者が一人も現れることはなかった。
こんな日は女神はいつも、ある人物に念話を掛けていた。念話とは時間や空間、次元さえも超えて届けられる一種のテレパシーのような能力である。
プルルルルル………というような呼び出し音など鳴ることはなく、能力を使えば即座に相手と会話が可能となる。相手の状況などは考慮する必要もない。
「やっほー、二千年ぶり?」
女神は念話ではかなり砕けた話し方をする。それはいつも念話の相手が気の置けない友人だからである。
『五千年ぶりだって。大丈夫か~?』
念話の相手も女神に相当する高位な存在であるが、その話し方はまるで、高校からの友人と話す三十代後半の女性のようであった。
「うっせーし。いや最近どうよ、そっちは」
『変わり映えしない毎日を淡々と送ってますよ………なんて。あんたはどうなのよ?』
「こっちも同じですよ………なんて。けど最近ホント忙しくてさ~、喋ったのマジで久々じゃん」
『だよねー。てか、あんたが忙しけりゃこっちも忙しいんだから、お互い分かってんじゃん』
「そうでしたー。あはは」
『あははー』
「あははー………はぁ、」
『何よ突然、ため息なんかついちゃって?』
「いつもの愚痴タイム、いっすかぁ?」
『いいよいいよ、吐き出しちゃいなさいよ~』
「いやさ、この前の転生者がまた変な奴でさぁ、願望実現のスキルを与えてやったっていうのにね、願望実現よ? S級スキルの。それなのに願ったのが、前世と同じ姪っ子が欲しい。なんて言う、そりゃあもうつまんない願いに使ってさ。最近こう…転生者の質? っていうの? 落ちてきたと思うのよね~」
『相当ストレス溜まってるみたいね~』
「そりゃストレスも溜まるでしょ。いくら前世の罪の償いって言ったってさ、未来永劫ずーっとこうやって女神をやらされて、転生者を転生させ続けるだけの日々なんて………」
『これが懲役永劫女神刑ってやつなのね。おー怖』
「もう、アンタ他人事だと思って~。良いわよね、アンタはさ。転生者指導巫女刑でしょ? まだマシじゃんアタシより」
『いやいや、こっちもそこそこ苦労してんのよ? 毎回毎回、転生者に1から、あなたは転生して来ました。ここは異世界ですよーって、おんなじ説明し続けるのも』
「でもアンタあれでしょ、自分そっくりなホムンクルス造って代わりに仕事させてんでしょ。知ってんのよ? ジルコニアだったかなんとかってヤツ」
『え、ちょ、なんで知ってんのよそれ』
「アタシもこの前、それちょっと利用させてもらったからー」
『うわマジか…。え、てかこの事、神様に絶対言わないでよね? マジで』
「ケーキバイキング3回」
『分かったわよ。ちっ………あんただって利用した癖にさ』
この様に、女神と巫女の愚痴の言い合いはいつも、いつ行けるかわからないケーキバイキングの約束によって締められる。約束なんて叶わなくて良い。このとてもとても貴重なお喋りの時間こそが、女神たちに許された、ただ一つの息抜きなのだから。
おわり
こんな日は女神はいつも、ある人物に念話を掛けていた。念話とは時間や空間、次元さえも超えて届けられる一種のテレパシーのような能力である。
プルルルルル………というような呼び出し音など鳴ることはなく、能力を使えば即座に相手と会話が可能となる。相手の状況などは考慮する必要もない。
「やっほー、二千年ぶり?」
女神は念話ではかなり砕けた話し方をする。それはいつも念話の相手が気の置けない友人だからである。
『五千年ぶりだって。大丈夫か~?』
念話の相手も女神に相当する高位な存在であるが、その話し方はまるで、高校からの友人と話す三十代後半の女性のようであった。
「うっせーし。いや最近どうよ、そっちは」
『変わり映えしない毎日を淡々と送ってますよ………なんて。あんたはどうなのよ?』
「こっちも同じですよ………なんて。けど最近ホント忙しくてさ~、喋ったのマジで久々じゃん」
『だよねー。てか、あんたが忙しけりゃこっちも忙しいんだから、お互い分かってんじゃん』
「そうでしたー。あはは」
『あははー』
「あははー………はぁ、」
『何よ突然、ため息なんかついちゃって?』
「いつもの愚痴タイム、いっすかぁ?」
『いいよいいよ、吐き出しちゃいなさいよ~』
「いやさ、この前の転生者がまた変な奴でさぁ、願望実現のスキルを与えてやったっていうのにね、願望実現よ? S級スキルの。それなのに願ったのが、前世と同じ姪っ子が欲しい。なんて言う、そりゃあもうつまんない願いに使ってさ。最近こう…転生者の質? っていうの? 落ちてきたと思うのよね~」
『相当ストレス溜まってるみたいね~』
「そりゃストレスも溜まるでしょ。いくら前世の罪の償いって言ったってさ、未来永劫ずーっとこうやって女神をやらされて、転生者を転生させ続けるだけの日々なんて………」
『これが懲役永劫女神刑ってやつなのね。おー怖』
「もう、アンタ他人事だと思って~。良いわよね、アンタはさ。転生者指導巫女刑でしょ? まだマシじゃんアタシより」
『いやいや、こっちもそこそこ苦労してんのよ? 毎回毎回、転生者に1から、あなたは転生して来ました。ここは異世界ですよーって、おんなじ説明し続けるのも』
「でもアンタあれでしょ、自分そっくりなホムンクルス造って代わりに仕事させてんでしょ。知ってんのよ? ジルコニアだったかなんとかってヤツ」
『え、ちょ、なんで知ってんのよそれ』
「アタシもこの前、それちょっと利用させてもらったからー」
『うわマジか…。え、てかこの事、神様に絶対言わないでよね? マジで』
「ケーキバイキング3回」
『分かったわよ。ちっ………あんただって利用した癖にさ』
この様に、女神と巫女の愚痴の言い合いはいつも、いつ行けるかわからないケーキバイキングの約束によって締められる。約束なんて叶わなくて良い。このとてもとても貴重なお喋りの時間こそが、女神たちに許された、ただ一つの息抜きなのだから。
おわり
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