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第6章 挑戦と誓いの運動会
第二節 驚きのALT訪問とつながる絆
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運動会を数日後に控えた秋のある日。
教室には、いつもと少し違う緊張感が漂っていた。
「今日の英語は特別授業だよ。ALTの先生が来る日!」
ハルが元気よく教科書を開くと、ユキが首をかしげた。
「でも、今回はいつもの先生じゃないって聞いたよね。誰が来るんだろう?」
「海外から来た人らしいよ。……あっ、先生が誰か連れてきた!」
ドアが開き、担任の先生に続いて入ってきたのは――
「Good morning, everyone! I’m Catherine. Nice to meet you!」
明るく爽やかな声とともに、笑顔で手を振る女性。
その姿を見た瞬間、教室の一角でリンが目を丸くした。
「……ママ!?」
驚いた声を上げたリンに、キャサリン――リンの母はウィンクを返す。
「Surprise, sweetie! I didn’t tell you, huh?」
前夜、久しぶりに母とテレビ電話で話したばかりだったリン。
それだけに、この“サプライズ”は本当に予想外だったようだ。
教室中がざわめく中、さちが小声でつぶやいた。
「リンちゃんのお母さん……なんか、すごくかっこいいね」
「うん。笑い方がリンとそっくり」
特別授業は、英語の歌や簡単なゲームを交えながら進み、終始和やかな雰囲気に包まれた。
授業の終わり、キャサリンは3人のもとに歩み寄った。
「Are you Haru, Yuki, and Sachi? My daughter talks about you all the time. Thank you for being such good friends to her.」
「えっ、本当に? 私たちの話してるの?」
「Yes, every night! She’s lucky to have you.
Someday, let’s have a big party at our house. A family party! Sounds fun, right?」
3人は一瞬きょとんとしたが、すぐに笑顔になった。
「パーティー! いいですね!」
「楽しみ~!」
「リンの家、広いからきっとすごいことになるね……!」
⸻
その次の時間――理科の授業は、授業参観だった。
教室の後方には、ハルとユキの両親・たくみとあかね、そしてさちの母・真由美の姿が並んでいた。
「……お母さん、来てくれてありがとう」
「ちょっと……照れるね」
さちは小声で真由美に伝える。
「さちが頑張ってる姿、ちゃんと見たいのよ。楽しみにしてたから」
「……うん、ありがとう」
ハルとユキもそれぞれに声をかけ、横に立つリンを紹介する。
「この子、リン。最近トレノメンバーになったんだ」
「よろしくお願いします!」
3人の保護者が順に頭を下げた、ちょうどそのとき――
「Hello again!」
教室の扉から、再びキャサリンが現れた。
「ALTの授業のあと、先生が“見学もOK”って言ってくれたの。Hi, I’m Catherine, Rin’s mother.」
「はじめまして。双子の母・あかねです。いつも娘がお世話になってます」
「さちの母・真由美です。うちの子もリンちゃんのこと、よく話してますよ」
キャサリンは穏やかに微笑んだ。
「みなさんのお子さん、本当に素敵ですね。リンにとって、大切な仲間たちです」
「よければ、今度ほんとに……パーティー、しませんか?」
「ぜひ! 食材は持ち寄りでどうでしょう?」
「わあ、それなら私、デザート担当で!」
「じゃあ、うちはヘルシー系かな。サラダとか」
「夫はカレーが得意なので、きっと張り切って作ります(笑)」
大人たちの間にも、やわらかな笑顔が広がっていった。
やがてチャイムが鳴り、理科の授業が始まる。
教室の前の席では、真剣な表情でノートを取る4人の姿がある。
その背中を、親たちはまっすぐに見つめていた。
「背筋、ピンとしてるなぁ……なんか頼もしい」
「うん……本当に、たくましくなったわね」
「もう“小学生”って感じじゃないなぁ……」
彼らの胸には、それぞれの成長と努力への誇りが、静かに宿っていた。
教室には、いつもと少し違う緊張感が漂っていた。
「今日の英語は特別授業だよ。ALTの先生が来る日!」
ハルが元気よく教科書を開くと、ユキが首をかしげた。
「でも、今回はいつもの先生じゃないって聞いたよね。誰が来るんだろう?」
「海外から来た人らしいよ。……あっ、先生が誰か連れてきた!」
ドアが開き、担任の先生に続いて入ってきたのは――
「Good morning, everyone! I’m Catherine. Nice to meet you!」
明るく爽やかな声とともに、笑顔で手を振る女性。
その姿を見た瞬間、教室の一角でリンが目を丸くした。
「……ママ!?」
驚いた声を上げたリンに、キャサリン――リンの母はウィンクを返す。
「Surprise, sweetie! I didn’t tell you, huh?」
前夜、久しぶりに母とテレビ電話で話したばかりだったリン。
それだけに、この“サプライズ”は本当に予想外だったようだ。
教室中がざわめく中、さちが小声でつぶやいた。
「リンちゃんのお母さん……なんか、すごくかっこいいね」
「うん。笑い方がリンとそっくり」
特別授業は、英語の歌や簡単なゲームを交えながら進み、終始和やかな雰囲気に包まれた。
授業の終わり、キャサリンは3人のもとに歩み寄った。
「Are you Haru, Yuki, and Sachi? My daughter talks about you all the time. Thank you for being such good friends to her.」
「えっ、本当に? 私たちの話してるの?」
「Yes, every night! She’s lucky to have you.
Someday, let’s have a big party at our house. A family party! Sounds fun, right?」
3人は一瞬きょとんとしたが、すぐに笑顔になった。
「パーティー! いいですね!」
「楽しみ~!」
「リンの家、広いからきっとすごいことになるね……!」
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その次の時間――理科の授業は、授業参観だった。
教室の後方には、ハルとユキの両親・たくみとあかね、そしてさちの母・真由美の姿が並んでいた。
「……お母さん、来てくれてありがとう」
「ちょっと……照れるね」
さちは小声で真由美に伝える。
「さちが頑張ってる姿、ちゃんと見たいのよ。楽しみにしてたから」
「……うん、ありがとう」
ハルとユキもそれぞれに声をかけ、横に立つリンを紹介する。
「この子、リン。最近トレノメンバーになったんだ」
「よろしくお願いします!」
3人の保護者が順に頭を下げた、ちょうどそのとき――
「Hello again!」
教室の扉から、再びキャサリンが現れた。
「ALTの授業のあと、先生が“見学もOK”って言ってくれたの。Hi, I’m Catherine, Rin’s mother.」
「はじめまして。双子の母・あかねです。いつも娘がお世話になってます」
「さちの母・真由美です。うちの子もリンちゃんのこと、よく話してますよ」
キャサリンは穏やかに微笑んだ。
「みなさんのお子さん、本当に素敵ですね。リンにとって、大切な仲間たちです」
「よければ、今度ほんとに……パーティー、しませんか?」
「ぜひ! 食材は持ち寄りでどうでしょう?」
「わあ、それなら私、デザート担当で!」
「じゃあ、うちはヘルシー系かな。サラダとか」
「夫はカレーが得意なので、きっと張り切って作ります(笑)」
大人たちの間にも、やわらかな笑顔が広がっていった。
やがてチャイムが鳴り、理科の授業が始まる。
教室の前の席では、真剣な表情でノートを取る4人の姿がある。
その背中を、親たちはまっすぐに見つめていた。
「背筋、ピンとしてるなぁ……なんか頼もしい」
「うん……本当に、たくましくなったわね」
「もう“小学生”って感じじゃないなぁ……」
彼らの胸には、それぞれの成長と努力への誇りが、静かに宿っていた。
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