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繁縁の親友と好物 3※
しおりを挟むくるっとイリエを向かい合わせにして壁に背中をあてられ片足を上げさせられる。イリエの泥濘に照準を合わせてから、ずぶずぶと今度はゆっくりと味わせるかのように挿入してきた。感度の良い場所をごりっと抉りながら侵食していくイリエの腟内が小刻みに痙攣し始める。
するとフェリウスがもう片方の足も持ち上げた。イリエは宙に浮いたような不安定さに目を見開いた。背中だけが壁に付いた状態で両足を開かされ、真ん中には灼熱の杭。
ずん、ずん、と緩やかだが力強い一突きの連続にイリエはもうどうしていいかわからないくらい片っ端から快感を貪っていく。あまりの悦楽に意識が混濁し始める中で、背中が時折擦られて微かに痛んだ。
不安定な体位で思わずフェリウスの首に手を伸ばしたくなるが、それはしてはいけないことなのだと手を握り締め胸元にもっていく。
「ぁ、ぁぁあ……ん、ふっ…っっ!ん、ん、ん、んぅ」
更には口まで塞がれて上も下も蹂躙され、イリエは痙攣が止まらず背中を仰け反らすが壁が邪魔をする。勝手に撓る身体にごつんと頭が壁にぶつかった時、口を離したフェリウスが耳元でイリエを宥めるような口調でゆっくりと囁く。
「俺の首に手をかけろ」
「っ、ん、ぁ、ぁぁ…」
既に半分意識朦朧状態のイリエではあるが、頭の中に叩き込んでいる恋人のような真似はしてはいけないのだという己の決め事に弱々しく首を横に振る。
「このままだと明日の仕事に響く」
「んぅ、はっはっ…」
「手をかけた方が俺もやりやすい」
諌められるように耳元で話すフェリウスに、彼が望んでいるのなら良いのかとイリエは振っていた首を今度は頻りに傾げる。
「お前の好きなゆっくりする口づけをやる。…首に手を回せ」
フェリウスが良いと言っている。
それなら今日は良いのかな。
今だけなら良いのかな。
最早目を開けることすら億劫になっていたイリエは、握っていた手をそっと伸ばしフェリウスの首に手を回した。すると、よく出来ましたとばかりに激しくない息苦しくない優しい優しい口づけが落ちてくる。
(ああ…これが好き。もっと欲しい)
イリエは手を回していたフェリウスの首を引き寄せてもっと欲しいと必死に大好きな唇に貪りつく。
背中を優しく擦られながら、歩き出したフェリウスの振動が咥え込んだままの屹立から刺激に繋がり中が収縮し続けるが、今のイリエはフェリウスとの口づけに夢中だ。
ふわりと少し湿った場所…事後の寝台にイリエは寝かされ、ゆっくりと律動を開始したフェリウスの口と首に未だにご執心だ。
寝台に寝かされもう不安定ではないのだが、ネジが外れた状態のイリエにはわからないし外したくない。
息苦しくない、でも甘くて切なくて心が何故かぎゅっと引き絞られるような苦しみ、でも満たされる感覚に、イリエは今だけ、今だけ、と頭の中で反芻しながら、一時の時間を享受する。
イリエを穿ちながらも身体を撫でていくフェリウスの手の動きが何故かとても優しい。いつまでもこの時間が続けば良いのにと不可能な願いごとを頭に過ぎらせながら徐々に早くなる律動にイリエは翻弄されていった。
翌日の明け方にイリエは目を覚ました。
寒さで目覚めなかった理由は掛布がかけられていたからだ。イリエは首を傾げながらも、がくがく震える足に気合を入れ、買っておいて良かったと心底思った栄養ドリンクを取りに行く。
その途中テーブルに置いてあったはずのスープを入れた袋が無くなっていたことに、イリエは心から染み出るような喜びに暫し立ち尽くしながらも口元は笑んでいた。
イリエは食堂に訪れるフェリウスをじろじろと見ることはなかったが、片付けなどの流れでちらっとだけは見て観察していた。その時に気づいたのはランチについてくるスープの中から、フェリウスはクリームスープの時だけ真っ先に口をつけることを覚えていたのだ。
嫌いなものからという場合もあるかもしれないが、ゆっくりと味わうように飲む姿から、恐らく好物なのだろうとイリエも好きなクリームスープを試しに作ってみたのだ。他にも何品かフェリウスが好きなものは把握しているつもりだ。
部屋の逢瀬だけの関係ではあるが、いつか食事くらいは、たまにでも良いからできれば良いなと微かな期待を胸にイリエはぷしゅっと栄養ドリンクの蓋を開けた。
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