大好きな人に番が現れたので潔くセフレ離れします

きるる

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番外編:お酒と獣化は程々に 8

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「あの時の悪巧みの正体はこれか」


食堂で不貞腐れたフェリウスがぼやく。


「先に謀ったのはお前だ、愚息」
「騙してなんてないだろ。酔っていたんだから」
「いや、あの時の私へ向けた視線は愉悦の混じった仄暗いものだった。騙されんぞ。ララとやら、イリエから蒸留酒が好きだと聞いている。葡萄酒と共に美味いものを用意した」
「マジですか。かなり嬉しいですそれ」
「まあまあ。フェリウスもそんな拗ねないで、折角の食事会を楽しもうよ。ジェフはフライ系が好きだってイリエちゃんが言っていたんだ。沢山食べてね」
「ごちになります」


イリエが無事に全快してから数日後。

今夜は皆で夕食を是非一緒に摂ろうとレリエルがとても良い笑顔で言っていたので、何かあるのかなと思っていたが、なんとララとジェフをまた招待してくれていた。

イリエとしては大好きな二人を大好きな旦那様の大好きな両親が仲良くしてくれることがとても嬉しかったので大喜びしたのだが、フェリウスは何故かご機嫌斜めだ。

レリエルの話では前回酔った時のイリエと遊びたかったのに、さっさと部屋に行ってしまったフェリウスへの恨みを募らせ、食事会と称してララ達も呼びイリエが唯一飲んだ葡萄酒も用意したらしい。

酒の入ったイリエにそんなに面白いことはないのになと、本人は思っているので自覚は全くない。

何よりも皆で夕食とのことでフェリウス的には膝に乗せられないことが殊の外気に入らないらしい。


「それなら私だってレリィを膝に乗せられないんだから一緒だよ。ジェフはどうなんだい?」
「基本俺の膝の上っすね。ララは膝上マスターなんすよ」
「いや、毎度毎度ジェフが離さないから仕方なく極めるしかなかったんだけど」
「ララ、物凄く分かるぞ。順応する自分が嫌にはなるが負けたくはあるまい」
「マジそれです。良かった、他に同じ境遇の人がいて」


その後は皆なんやかんやしながらも賑やかに食事会が始まった。


「―――ってな感じですね。まあ前よりはイリエをちゃんと理解して、ある程度は弁えることを覚えてくれたので一安心です」
「なるほどな。だが油断禁物だ。ああいう奴は少し気が抜けると突如己の欲を優先させるからな。カルロも同じ。親子だからな、気をつけねばならん」
「やはり安心し過ぎは駄目ですね。そこは重々承知してますので、今後も目を光らせておきますよ」
「ララ、頼んだぞ。この蒸留酒はお前のものだ」
「これマジで美味しい。頑張ります」


とある一画ではイリエ守り隊の報告を蒸留酒を酌み交わしながらこそこそと密談しており。


「相変わらず良い食べっぷりだねぇ、ジェフは」
「あざっす」
「ベイガーが気に入るだけあるな。二人とも特殊部隊に欲しいくらいの人材だよ。一考してみる気はない?」
「あー…特殊部隊って遠征とかあるんで、難しいっす。それに基本俺ララの側から離れないを徹底してるんで」
「なるほど…君の番への想いはとても深く慈しみ深いんだね」
「そうなんす。でもララは鬱陶しいって言うんだから切ないっすね」
「いや。実際鬱陶しいし」
「ララ。わかるぞ、私もだ」
「ジェフ、酷くないかい?」
「マジ同感っすよ」


本当に仲が良さそうで何よりである。
そんなイリエは少し席を近づけていたフェリウスからの給餌に照れながらもあーんをさせられている。

その後イリエはレリエルに呼ばれ、以前ララ達と飲みに行った時のものと同じ葡萄酒をいただいた。濃くはあるが本当にこれは飲みやすくて甘いのでイリエもお気に入りの一つになりそうだ。

ここからはある意味無礼講となった。元々だが、更にだ。


「おいこら。人様の家だよ」
「ララが冷たいのが悪い。海鮮のフライ食べさせてくれたら機嫌治るから」


ジェフがひょいとララを膝上に乗せ、そこで一悶着起き。


「れりえりゅ様の話し方がとても勇ましく、好きでしゅ」
「何だこの可愛い生き物は。早口で何か言ってみてくれ…ってフェリウス邪魔するな」
「ふざけるな。そっちは好きにいちゃついてろ」
「噛み噛みになるイリエちゃん可愛いなぁ。ねえ、レリィ?」


酔い始めたイリエに近づいたレリエルの気配を敏感に察知したフェリウスが即座にイリエを膝抱っこし、その隣にどすんとレリエルが居座ろうとすると、何故か体がふわりと浮きとすんと座ったのはカルロの膝の上である。


即ち我慢出来なくなった雄達による全員膝抱っこである。


「ララ。あまり邪険にすると俺拗ねるよ」
「もう拗ねてるし腰包囲されてるし」


ララはそう言いながらもよしよしとジェフの頭を撫でて上げ、ジェフは恍惚とララを見つめながらすりすりと頬を寄せている。


「カルロ、いい加減にしろ。イリエの拙い言葉をもっと聞きたい」
「レリィは私の言葉だけに耳を傾けていれば良いんだよ」


頬を優しく撫でるカルロのもう片方の手はレリエルの腰から微動だに動かない。溜息を吐いたレリエルは「お前は本当に何年経っても変わらんな」と頭を引き寄せられ、ぽんぽんされたカルロは陶酔したようにすりすりとしていた。


「ふぇす、皆仲良いのは良いことね?」
「うん。俺達が一番だけど」


フェリウスがイリエの首元に顔を埋めてすりすりするのを、よしよししながらイリエは葡萄酒をくぴりと飲んだ。



レオダッド家の晩餐は今夜も実に賑やかである。





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