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幼い味のカクテルで 2※
そして背後から耳元でそれは甘い声で囁いた。
「…リアからまたヤリたいって言わせれば良いよね?」
そう言いながら滾って硬さを戻した屹立をリアの蜜口でぬぽぬぽと浅く出し入れする。
「っ…ぁ、…性交時の言葉は偽り。そんなの全部無効――ん!」
黙れとばかりに最奥にイアンの剛直がずぶりとのめり込んでくる。そして前のめりになったイアンがぐねぐねと腰を回しながら律動を始めた。
「ぁ、ぁ…背中に感じる肌気持ち良い」
「…後ろから覆うのは良いんだ」
「うん」
イアンが言質を取ったとばかりに覆い被さり、両手を胸に滑り込ませて揉みながら突起を器用に弄り倒してくる。
リアは肘を付いて触らせやすいように身体を起こすが、達したばかりの身体の為、震えがなかなか止まらないが、そこは根性でその体勢を保たせる。
「…ああ、良いな。屈服させてやりたい」
「ん、…たまにはこんなのに当たっても、ぁ、…良い、でしょ?」
リアも負けじと言い返し、イアンの巧みな動きに再度快感を追い始めた。
二度目の性交を終えたリアは、珍しく少しの間意識を飛ばしていたようだ。
目を開けると後ろからリアの腰に手を回したイアンの規則正しい呼吸音が聞こえる。
瞠目したリアは少し騒ぐ心音を落ち着かせてからゆっくりと腰から手を離し立ち上がるが、思った以上に酷使された腰と足がふらつく。
それでも緩慢によたよたと歩きながら自分の服を拾ってシャワー室に入った。
(こんなに足元覚束ないのは久々だわ…それにしても危なかった。このまま眠ってしまったら…)
ざっとシャワーを浴びたリアが脱衣所に出ると、何故か置いておいた服が無くなっている。首を傾げながら大きなタオルを身体に巻いてから出ると、イアンが全裸で寝台に腰かけていた。そしてその傍にはリアの服。
「ちょっとー私に裸で帰れって?」
「いや?僕がシャワー浴び終えるまで待ってて」
「なんで」
「リアと一緒に出たいから」
そう言ってリアの服を持ったままイアンはシャワー室に入っていった。
ふうと息を吐いたリアは小さな冷蔵庫から飲み物を取り出し喉を潤した。
部屋を出る前にリアはテーブルの上に宿代を置く。律儀だねと言いながらイアンは半額の硬貨をリアに渡してきた。
それなら許容範囲だなと思い何も言わずに受け取った時、覚束ない足元がぐらりと揺れバランスを崩しそうになったリアの体がふわりと浮いた。
イアンに抱っこされていた。しかも子供抱っこだ。
「ねえ、私股開けるくらいには大人だから。下ろして」
「ふはっ。リアは十分魅力的な女の子。下まで連れてくよ。階段で転んじゃわないように」
それ以上聞く耳は持たないと歩き始めたイアンにリアはやれやれと溜息を吐く。
とんとんと軽快な足取りで階段を降りたイアンと抱っこされたリアを見たデュークは珍しく僅かに目を丸くした。
「怪我でもさせたか?」
「まさかー足元が危なかったからだよ」
「リア。問題ないか」
「歩けたんだけどね。大丈夫」
イアンはカウンターまで抱っこのまま連れて行き、脇を持ってとすんとリアを座らせた。本当のお子ちゃま扱いである。
まあいいやとリアは帰る前のいつもの酒をデュークに頼む。
「マスター。いつもの」
「あ。僕も同じのね」
リアは首を傾げながらイアンを見る。
「強くない酒だよ?ジュースみたいなもの」
「いいよ。リアの〆の酒を僕も飲みたいだけ」
まあそれなら好きにすれば良いとデュークに頷く。
そして出されたのはマンダリンベースの綺麗なオレンジ色のカクテルだ。
「へえ。綺麗な橙色。デュークの目みたいだ」
「そ。イアンの瞳の色にも似てるね。これね、初めてここに来た時に飲ませてくれたの。まだ私が未成年だと勘違いしていたマスターが作ってくれたんだ。今はちゃんと少しだけど酒も入っている」
「未成年?リアいくつの時?」
「十六歳」
「…そりゃまた早い体験だなぁ」
リアはカチリと軽くグラスを合わせてカクテルを飲む。
今夜はとても濃厚な情事だったからか、いつも以上に美味しく感じた。
「仕留めたのか」
デュークがリアの事後にいつも尋ねる言葉。
「ふふ。珍しく引き分けだった」
「えー最後は僕の優勢だったでしょ」
「まあそういうことにしておいてあげる。最後のよしみとして」
「気が向いたらまたねって言っていたじゃない」
「気が向かなかったらないの」
リアはくぴりとカクテルを飲み干してから硬貨を置いた。
「帰る。マスター、またね」
「ああ」
「あれ、僕には?」
「ふふ。機会があったらまた会いましょう」
「送ってくよ。外は真っ暗だ」
「大丈夫。裏道から帰るから」
リアはデュークにひらひらと手を振りカウンター奥の裏口から外に出た。
寒さが厳しくなってきた季節だが、何故か体と僅かに心もぽかぽかしているような気がする。リアは歩きながら外套を裏返して髪を纏めて後ろで縛り団子状にする。
(イアンとの性交は凄く良かったし魔力は濃かった…暫くは魔力目当てでやる必要はなさそう)
そう思いながら、イアンとの濃密な時間がもう過ごせないだろうことに僅かに落胆が押し寄せるが、これで良いのだとリアは帰路に向かって足早に戻っていった。
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