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害悪の全ては虚構也 2※
しおりを挟む「デュークの言う通りシュナは本当に凄い」
突然言われた言葉にシュナは首を傾げる。
「凄い?」
「うん。普通ならあれに自分の性交場面を見せようなんて発想思いつかないと思うよ」
イアンの言葉にシュナは逆に首を傾げる。
「あいつがずっと自分のものだとか、心は自分にあるとか勘違い野郎でいることが何よりも許し難いの。それには私が心を許すイアンとの性交を見せることが一番だと思っただけ。その為なら今更裸の一つや二つ見せてやる。二度と触れられないからこそ、ね」
シュナの言葉にイアンがとろりと恍惚とした表情になった。
「良いなぁ…残酷な仕打ち過ぎて興奮しちゃう。流石僕の惚れ抜いたシュナ」
「ふふ、変異種のイアンに相応しいでしょ?」
「マジ最高」
イアンが軽々とシュナを抱き上げて頬に口づけをしながら寝台へと向かう。
「んーシュナのこのラベンダーの香り本当に好き」
シュナもイアンの髪に触れ彼専用のブラックカラントベースの香油の香りを肺にいっぱい吸い込む。
「私もイアンにぴったりのこの香りが好き」
「これは僕専用にしてね?」
「ふふ。了解」
「それだけだとエリックと同等なんだよなぁ…―――あ、ねえシュナ。今は香油だけ作っているでしょ?それの応用で石鹸とかは出来たりしないの?」
「石鹸…か」
以前石鹸屋で自分に合ったものがなくて悩んでいたことを思い出す。あの時はイアンの使っていた石鹸を購入したことで満足したが、それでもシュナ個人としては完璧ではなくフリージアの花との組み合わせなど色々考えていた。
「石鹸の作り方に…香油の手前ベースを上手く組み合わせて…石鹸と香りそれぞれが融合して効能をしっかりと発揮できるか…」
「良いね。シュナの職人顔が僕物凄く好きなんだ。格好良い」
そんなこと初めて言われたシュナは目を丸くする。
「格好良い、の?」
「うん。自分の好きな仕事に真摯に向き合う姿勢と妥協しないところとか。今思えば始めの方こそ優位に立ちたいって思ってたけど、シュナの精製に対しての姿、僕の髪を触って考えている時の姿とかね。あれもシュナに惹かれる一つだったって今ならわかる」
イアンの飾りのない賞賛の言葉にシュナは恥ずかしくて目を逸らしてしまう。
「…ありがと」
「それそれ。艶めかしい綺麗なシュナも良いけど、ちょっと恥ずかしくてもじもじお礼を言う顔も本当に好き」
もうそのくらいにして欲しいと、シュナは抱っこから降りようとするが、腰をガッチリホールドし直したイアンはより密着しながら寝台の端に腰を下ろし髪や頬に唇を沿わせる。
「んー僕のシュナは最高峰」
イアンはいつもスーランと同様、シュナを鼓舞する言葉をくれる。
それが挑もうとするシュナにとってどんなに嬉しい言葉か。
恥ずかしい以上に嬉しさが勝り、シュナはイアンの柔らかい髪を梳きながら頬を撫でる。髭なんて生えるのだろうかと思うくらいすべすべの肌と本日も美麗な造形の顔を包む。
「美しく残酷な孔雀は私のもの」
「うん。ちゃんと最後まで面倒見てよね」
楽しそうに微笑むイアンにシュナも微笑み返し、ちゅっと軽い口づけを繰り返す。
「何でだろう…シュナだとこの口づけだけでも満たされるんだ」
「…ん、私も。心がある、からかな」
目を閉じながら口づけを繰り返すシュナにイアンの口が微笑むのがわかる。
「あれには一生分からないもの。そう思うと哀れだよね」
「…うん。そのままの思考で一生分からなくて良いよ」
「だね」
イアンの口が開きシュナは舌を滑り込ませた。室内は唾液を交わす水音だけが響く。
イアンが口づけをしたままゆっくりとシュナの服を脱がしていくのと並行してシュナも彼の上着に手を掛ける。
上半身が裸になった二人は体を密着させて濃厚になり始めた口づけに没頭する。イアンの手が巧みに腰や背中、胸の輪郭を経て先端を優しく摘み擦り、ぎゅっとまた摘む。
「んっ…!ん、ふ」
体が粟立ち快感が胸に集まる。それを見越したようにイアンは両胸への刺激を増やし口づけも徐々に深く激しくしながらゆっくりと寝台に仰向けで倒れていく。
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